2016年に誕生し、現在全世界で1.6億もダウンロードされている人気の無料Androidエミュレーター“LDPlayer”。いままでは中国や英語圏を始め、ロシア語圏、スペイン語圏、韓国などでも展開されていた同エミュレーターが、ついに2020年から日本でもサービスが開始された。

【LDPlayer】高性能なのに軽くて無料!! Androidゲームをパソコンで遊べるエミュレーターの使い心地を検証

 LDPlayerをわかりやすく紹介すると、Andoroid端末用のゲームをパソコンで遊べるようにするソフトウェア。マウスとキーボードでゲームをプレイできるため、ふだんからパソコンゲームに慣れ親しんでいるゲーマーにとって、スマホアプリがより遊びやすくなる。とくに繊細な操作が求められるシューティングやストラテジーゲームに最適だ。

【LDPlayer】高性能なのに軽くて無料!! Androidゲームをパソコンで遊べるエミュレーターの使い心地を検証

 また、大画面でプレイできるのも嬉しい。昨今のスマホやタブレットは画面が大型化しているが、パソコン用モニターに比べたら比較にならない。やはりゲームは大きな画面でプレイしたほうが迫力がある。

 一般的ではないかもしれないが、YouTubeやTwitchなどでゲーム配信を行っているゲーマーにとっても大きな利点がある。LDPlayerにはスクリーンショット撮影機能や動画録画機能を搭載しているので、ワンクリックでスクショと動画を保存可能。スマホの画面をPCに取り込む手間が省けるため、ゲーム配信やゲームプレイ動画の制作がラクになる。

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LDPlayerのダウンロードはこちらから

初回起動時にはGoogleアカウントの設定をしよう

 LDPlayerの使いかたを紹介する。公式サイトからクライアントをダウンロードし、パソコンにインストール。クライアントは無料だし、会員登録など面倒な手続きもいらない。

 ダウンロードしたクライアントを起動すると、“C:\ChangZhi\LDPlayer\”にLDPlayerがインストールされる。

【LDPlayer】高性能なのに軽くて無料!! Androidゲームをパソコンで遊べるエミュレーターの使い心地を検証
【LDPlayer】高性能なのに軽くて無料!! Androidゲームをパソコンで遊べるエミュレーターの使い心地を検証

 LDPlayerを起動したら、まっさらなAndroidの画面が表示される。ちょうどスマホを購入したときのような状態だ。

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 初めて起動したときは、“System Apps”から“Google設定”をクリックし、Googleアカウントを入力しよう。ここで注意をひとつ。LDPlayerで文字入力を行うときは、キーボードが英字配列になっている。アルファベットや数字は問題ないが、メールアドレスの“@”を入力するときは“Shift+2”で入力しよう。また、メモ帳などのテキストエディターで文字列を入力し、コピー&ペーストを行ってもよい。

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 ここまでできたら準備完了。あとはAndroid端末と同じように使用できる。じつに簡単だ!

極めて便利な“キーマッピング”機能

 LDPlayerは、画面右側にツールアイコンがずらりと並んでいる。これらのアイコンをクリックすると、それぞれの機能が使える仕組みだ。

 初めに確認しておきたいのが、最上段にある歯車の“設定”アイコン。ここではウインドウサイズやメモリー使用量、ディスク容量、ホットキーなどの設定を行える。

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 実際にいくつかのアプリをインストールして試したら、どれもじつにサクサク快適に動く。ゲームだけでなくYouTubeやGoogle Earthも使用できたので、ゲーマー以外のAndroidユーザーにもおススメ。

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 そして本題のゲームを試したが、こちらも快適にプレイできた。Androidアプリはマルチタッチスクリーン用に開発されているタイトルが多いので、アプリによってはマウスで操作しにくい場合もあった。

【LDPlayer】高性能なのに軽くて無料!! Androidゲームをパソコンで遊べるエミュレーターの使い心地を検証

 十字キーは登場しないが、試しにRPGの『AFKアリーナ』をプレイしてみた。本作は放置プレイで経験値を稼げるゲームなので、スマホよりもPCでのプレイに適している。起動しておけばキャラクターたちがスクスクと育ってくれるため、バッテリーを気にせず遊べるPCに最適だ。 

【LDPlayer】高性能なのに軽くて無料!! Androidゲームをパソコンで遊べるエミュレーターの使い心地を検証
【LDPlayer】高性能なのに軽くて無料!! Androidゲームをパソコンで遊べるエミュレーターの使い心地を検証

 『AFKアリーナ』の操作はカンタンなのでマウスでも遊べるが、いちいちボタンをクリックするのが面倒。そんなときはキーマッピング機能を使って、キーボードだけで操作できるように設定しよう。

 “宝箱”ボタンの位置にキーボードの“X”キーを割り当てておけば、放置中に獲得したアイテムをキーひとつで確認できるようになった。さらに“冒険”ボタンに“Z”、“戦闘”ボタンに“C”などを割り当てれば、マウスを使わずにゲームを進められる。かなり便利な機能である。

【LDPlayer】高性能なのに軽くて無料!! Androidゲームをパソコンで遊べるエミュレーターの使い心地を検証
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『AFKアリーナ』(LDPlayerで起動)

便利なスクリーンショットと動画撮影機能

 スクリーンショット機能と動画撮影機能が便利。この機能も、画面右側のツールアイコンをワンクリックするだけで撮影できる。

【LDPlayer】高性能なのに軽くて無料!! Androidゲームをパソコンで遊べるエミュレーターの使い心地を検証

 スクリーンショットの保存場所は、“ドキュメント\LDPlayer\Pictures\Screenshots”に保存され、動画は“C:\ChangZhi\LDPlayer\vms\video”に保存される。

 撮影した画像は、前述したキーマッピング機能のUIが写らないのが嬉しい。画面に余計なモノが画面に表示されないので、Android端末で撮影したスクリーンショットと同じに見える。

 ただし、動画録画時はキーマッピングのUIが映像にも記録される。

とっても便利なツールだけど、利用許諾には注意して使おう

 そのほかにも、LDPlayerにはキーをマクロ登録したり、複数のアプリを同時に起動する機能も搭載されている。無料とは思えない、かなり高性能なAndroidエミュレーターだ。

 とても便利なツールだけど、アプリによってはマクロの使用を禁止しているタイトルも珍しくない。さらに、そもそもエミュレーターがNGのタイトルもある。

 LDPlayerを使用する際には、使いたいアプリの利用許諾をよく読んでからインストールすべきだ。禁止事項を破ってアカウントを消されたら、もう二度とプレイできなくなってしまうから。とくに対戦ゲームの場合は、不正して勝利しても楽しくないからね! せっかく楽しいゲームなのだから、ルールを守って遊びましょう。

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この先、LDPlayerはどうなる? 開発元にインタビュー

 最後にユーザー数を急激に伸ばしているLDPlayerの開発元であるXuanzhi Internationalにインタビューを実施。今後の展開などを語っていただいた。

――LDPlayerは2016年のリリースから4年経ちますが、注力している点を教えてください。

開発担当 中国国内、台湾、韓国では『リネージュM』や『Rise of Kingdoms ―万国覚醒―』、『アズールレーン』、『ラグナロクオンライン2』などの人気ゲームと相互にバナーなどで誘導しあったり、ゲームが配信する前に露出を強化して認知度を高めたり、ゲームの周年に合わせてプレゼントキャンペーンを実施したりしています。また一部の地域において、ゲームプレイヤーを集めてオフラインイベントを開催したこともあります。

――かなり頻繁にプロモーションを行っていますね。

開発担当 LDPlayerは高品質なだけではなく、高頻度のメンテナンス、SNSなどを用いたプロモーション施策によって、プレイヤーの間で口コミで広まりました。

――競合エミュレーターと比較して、LDPlayerがすぐれているポイントをお教えください。

開発担当 まず、性能テストにおいて、競合エミュレータよりも高い結果が出ています。また、実際に利用しているユーザーからはフレームレートの高さを評価されています。そのほかにも、クリックひとつでマクロを走らせたり、録画できるのですが、この独自の最適化されたボタン配置も好評いただいています。プレイヤーはマウスとキーボードを使って、複雑な操作を実現できます。とくにFPSやMMORPG、MOBAなどのゲームでは、ほかのエミュレータよりも繊細な操作が可能となっていますよ。

――ゲームユーザーにとくに好評な機能は?

開発担当 競合エミュレーターよりもスムーズに動き、軽量化されているところです。ストレージの使用容量も低いです。そのほかに、より多くのゲームに対応しており、安定性と互換性の高さも特徴です。また、アップデートの頻度や運営からのフィードバックの速さも、ユーザーから好評を得ています。

――2019年のインストール数が1.5億とのことですが、現時点ではどれくらいの利用者がいますか? また、日本での利用者は?

開発担当 順調にユーザー数は伸びています。現在は全世界で1.6億ダウンロードです。おもなユーザーは中国国内で、それ以外の地域は英語圏や韓国です。今年から日本市場に進出しましたので、現在日本のユーザー数は韓国や台湾よりも少ないです。

――LDPlayerでは、どのようなゲームタイトルが好まれるのでしょうか? ジャンルや傾向はありますか?

開発担当 二次元RPGゲームやFPS、サバイバルゲーム、MMORPG、シミュレーションゲーム、MOBAなどが人気です。ボタン配置が最適化されているため、マウスとキーボードでの操作がFPSやMOBAタイトルに向いています。さらに、プレイ時間が長いシミュレーションゲームやMMORPGでは、バッテリーの消耗や熱の問題を回避できるので、とくに人気があります。

――今後、LDPlayerはどのように進化していくのでしょうか。実装予定の追加機能などありましたら、お教えください。

開発担当 エミュレーターの安定性を維持しつつ、近いうちに最新のAndroidシステムにも対応し、32bitだけではなく64bitのゲームにも対応していく予定です。

――日本のゲームファンに向けてのメッセージをお願いします。

開発担当 私たちは、日本人の“ひとつのことを追求する姿勢”を尊重しています。“職人の心”と言うのでしょうか。これは私たちの経営理念でもあります。我々はユーザーファーストの姿勢で、卓越性を追求し、最先端で最も使いやすいエミュレーターを作ることに専念しています。
 LDPlayerは日本市場に進出して間もないアプリケーションですが、今後は日本市場の開拓にもっとリソースを注ぎ、より多くの日本のプレイヤーに向けた機能と顧客サービスを提供していきます。 日本のゲーマーのみなさまと交流していく中で、私たちも改善し続けていきます。日本のゲームファンのみなさま、ぜひ使ってください。