失われた古代王国の謎を解くため、アドルが冒険する

 いまから33年前の1987年(昭和62年)6月21日は、PCで初代『イース』が発売された日。

 『イース』は、日本ファルコムから発売されたアクションRPG。現在も続く人気シリーズで、シリーズを通して赤毛の冒険家アドル・クリスティンが主人公を務めているのが特徴だ。記念すべき1作目の舞台は孤島エステリアで、失われた古代王国の謎を解くためにアドルが冒険をくり広げることになる。なお、『イースI』と『イースII』は前後編のような関係にあり、連続したひとつの物語となっている。

PCで初代『イース』が発売された日。数多くのハードで移植された名作アクションRPGでアドルが初めて漂流した作品【今日は何の日?】_02
画面写真はPCエンジン mini版『イースI・II』のもの。

 当時、PCゲームで絶大な人気を誇ったタイトルと言えば日本ファルコムの『ザナドゥ』。売上げランキングや人気ランキングではつねにトップを独走状態で、まさに覇権という言葉に相応しいタイトルだったと筆者は記憶している。そんな『ザナドゥ』を生み出した日本ファルコムが新作を出したのだから、『イース』がゲームファンからの注目を集めないわけがなかった。

 ドットで描かれたトップビューのグラフィックは美しく、巨大なボスは“デカキャラ”と呼ばれて話題を呼んだ。古代祐三氏が担当したBGMは名曲揃いで、現代でもゲーム音楽を語る上では外せないものばかり。“今、RPGは優しさの時代へ”というキャッチコピー通り、難度が抑えられていたのも高難度ゲームが当たり前の時代としては稀有な存在だったと言える。

 『イース』と言えば“半キャラずらし”というテクニックが有名。当時のアクションRPGでは攻撃の際に体当たりをするゲームが多かったが、このとき半キャラ分ずらして体当たりを行うとダメージを受けにくいことから、半キャラずらしが大流行。もともとは『ハイドライド』で生まれた技だったとは思うが、この『イース』でさらにプレイヤーに浸透したといった感じだろうか。筆者の周りではなぜか“半個ずらし”と呼ばれていたのだが、同じように呼んでいた人はいないかな……?

PCで初代『イース』が発売された日。数多くのハードで移植された名作アクションRPGでアドルが初めて漂流した作品【今日は何の日?】_04

 家庭用ゲーム機版で衝撃を受けたのは、やはり1989年(平成元年)12月21日発売の『イースI・II』。1作目と2作目がセットになった作品で、PCエンジンCD-ROM2用ソフトならではの要素が満載。とくに音声演出、アレンジサウンド、挿入アニメーションなどには度肝を抜かれたものだった。

 移植作やリメイク作も非常にたくさん制作されており、1998年には4月24日にはフルリメイクの『イースエターナル』も発売された。なお、『イースエターナル』や『イースIIエターナル』といった作品には、いまをときめく映画監督の新海誠氏が関わっていたことも有名だ。

 現在『イース』で遊ぶとしたら、手に入るのであればPCエンジン miniに収録されている『イースI・II』がおすすめ。

PCで初代『イース』が発売された日。数多くのハードで移植された名作アクションRPGでアドルが初めて漂流した作品【今日は何の日?】_06

※画面写真はPCエンジン mini版『イースI・II』のものです。

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