スマホ用バトルロイヤルゲーム『荒野行動』の姉妹アプリ『荒野行動-AIR』が登場し、2020年6月4日に事前登録がスタートした。対応機種はAndroidだ。

 このアプリを端的に紹介すると、“『荒野行動』の軽量版”。アプリの容量と動作が軽いので、ちょっと古めで非力なスマホでもバトルロイヤルに参戦できる。

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この記事は『荒野行動-Air』の提供でお送りします。

 最大の特徴は、従来のオリジナル版『荒野行動』とサーバーが共通なところ。オンライン対戦ゲームは人数が多さが楽しさに直結するため、先輩プレイヤーたちといっしょに遊べるのはうれしいポイントである。

 『荒野行動-Air』はオリジナル版とまったく同じゲーム内容ながら、テクスチャやボイスなどのデータを極限まで軽量化させたアプリというワケだ。事前登録に先立って配信されていた『荒野行動-Air』のアーリーアクセス版を体験したので、通常版との違いや特徴について紹介していく。

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インストールからプレイまでが早い!

 まず驚かされたのが、インストールからアプリ起動まで早さ。最近のゲームは容量が数GBもあるような大作揃いのため、インストールからプレイまでに食事ができるくらい待たされることも少なくない。

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 その点、『荒野行動-Air』は短時間でプレイ開始まで到達できた。インターネット回線速度にも影響されるが、筆者が行ったときは10~15分程度。あまりにも早いので、「ほんとにデータ足りてるの?」と心配になるほど。

 この理由をゲーム内で調べて納得した。『荒野行動-Air』をインストールしたばかりの初期状態では、ゲームプレイに必要な最低限のデータしかダウンロードされていないのだ。

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『荒野行動-Air』では2種類の画質リソースから選択できる。初期状態は“通常画質リソース”が設定されている。

 たとえば、マップの数。2020年6月4日現在、『荒野行動』には“激戦野原”、“嵐の半島”、“東京決戦”の3種類がある。通常版では最初から激戦野原と嵐の半島のデータが入っていて、東京決戦は無料ダウンロードできるようになっている。

 『荒野行動-Air』の場合は、初めて起動したときの状態でプレイ可能なマップは激戦野原オンリー。これ以外のマップやボイス、高解像度のテクスチャーは、後ほど任意にダウンロードできる。

 もっとも人気が高いマップ・激戦野原にすぐアクセスできるので、「まずは1試合プレイしたい!」と鼻息を荒げている新規ユーザーにとっては、とてもいい仕様だと感じた。

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サクッとダウンロードして、サクッと試合開始!

ほかのマップでも遊びたい! データのダウンロード方法は!?

 では、そのほかのデータを入手するにはどうしたらいいか? 方法はとっても簡単。ホーム画面右上の歯車アイコンをクリックして設定画面を開くと、通常版の『荒野行動』には存在しなかった“リソース”の項目が用意されている。

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 初期状態では“通常画質リソース(サイズ100MB以上)”になっているので、右隣りの“HD画質リソース(サイズ500MB以上)”をタップ。アプリを再起動すると大量のデータをダウンロード→インストールされ、高画質モードが有効になる。

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筆者の環境で“HD画質リソース”をダウンロードしたら、実際には790MBほどのファイルを落としていた。

 また、このリソース設定画面では、マップやボイス、スキンなどのデータも入手可能。それぞれ個別にダウンロードできるので、ストレージ空き容量と相談しながら選べるのがうれしい。

 衣装や車両、銃器のスキンの画像データは個別に入手できるほか、“キャラクターリソースパッケージ”としてまとめてダウンロードできる。これらの画像データをダウンロードしていない場合は、スキンを身に着けていても初期状態として表示される。描画はやや軽くなるものの、敵のスキンを確認できないので注意が必要だ。

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スキンの個別ダウンロード方法は自動か手動のどちらかを選択。自動にしておくと、画像データ未所持のスキンが画面に表示されたとき、自動でダウンロードされる。

 また、各項目のファイルサイズは表示されており、ストレージ空き容量と相談しながら落とせるのは親切な設計だ。

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マップやサウンドなどを個別にダウンロードできる。

通常画質とHD画質はどのくらい違う?

 では、通常画質とHD画質を比較してみよう。なるべく同じ状況で撮影したスクリーンショットを見てほしい。

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 通常画質だと、建物やオブジェクトの表面(テクスチャー)が簡略化されているのがわかる。描画の処理に割くCPUのパワーが少なくてもいいため、動作が軽快になるわけだ。

 一方、HD画質はダウンロードに時間がかかっただけあって美しい。このようなリアルな戦場で戦うのだから、通常版『荒野行動』にはある程度のスペックがあったほうがいいというのも理解できる

 さらに、通常版『荒野行動』の画面とも比較してみた。こうやって並べて見ると、『荒野行動-Air』の“HD画質”は通常版と遜色がないように感じる。と言うか、まったく同じ!?

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 『荒野行動』をきれいな画質で快適に遊びたいなら最新端末を使うのがベスト。だが、とくに不便がないという理由で、数年前のスマホをずっと使い続ける人は少なくない。そういう人でも『荒野行動-Air』なら気軽に始められる。

 もちろん、対戦ゲーム好きにオススメできるアプリでもある。軽くてサクサク遊べるのは、対戦ゲームでは大きなアドバンテージだからだ。

ちょい古タブレットで実際にプレイしてみた

 もっとも興味のあった「古い機種でもプレイできるのか?」を試してみた。使用端末は2015年10月発売のタブレット『YOGA Tab 3 Pro 10』だ。当時としてはハイスペックなモデル。CPUは優秀だが、RAM(※)は2GBのため、ゲームもバリバリ動く最近の端末と比べると少々頼りない。

※RAM:Random Access Memoryの略。作業用スペースのようなもので、大きいほど処理が高速になる。

【『YOGA Tab 3 Pro 10』基本スペック】
OS:Android 6.0.1(アップデート済み)
CPU:インテル Atom x5-Z8500 プロセッサー(2.24 GHz)
RAM:2GB
ストレージ:32GB

 結論から言うと、想像とは違ってふつうにプレイできた(動けばラッキーくらいの気持ちでいた)。周囲の人数状況などにもよるが、オブジェクトが多い草むらなどでもカクつきが気になることは少なく、なかなか快適。5年前の機種でこれだけ動くのはさすがだ。RAMがたった2GBしかないのにプレイできるのは意外。

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 1台だけでは検証が不十分なので、もうひとつ試してみた。今度は2015年7月発売の端末『AQUOS PAD SH-05G』。こちらもRAMは2GBしか搭載していない。

【AQUOS PAD SH-05G基本スペック】
OS:Android 5.0.2(アップデート済み)
CPU:Qualcomm MSM8994 オクタコア(2GHz クアッドコア + 1.5GHz クアッドコア)
RAM:2GB
ストレージ:32GB

 こちらの結果は、起動はするものの不安定なことが多かった。一度プレイが始まってしまえば遊べるのだが、起動までに時間がかかる場合が多い。また、プレイヤーが密集する地点に差し掛かると重くなり、操作不能になることもしばしば。

 とはいえ、起動してプレイできること自体が素直にすごいんだけど!

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 そこそこ快適にプレイできた『YOGA Tab 3 Pro 10』と同時期に発売された端末なのに結果が異なるのは、CPU(Intel製とQualcomm製)の差が出てるのかも!?

 一般的なスマホやタブレットはQualcomm製の場合が多い。端末ごとに詳細スペックは異なるので一概には言えないが、安全にプレイしたいならば3GB以上のRAMを搭載した端末がよさそうだ。

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約7000円で購入した中古端末『AQUOS PAD SH-05G』。2017年12月正式サービス開始の『荒野行動』をもとにしたゲームが、2015年7月に発売した端末で動いたのは驚き。

 『AQUOS PAD SH-05G』くらいの端末なら、中古スマホ店で7000~10000円程度で購入できる。本体の傷など程度が悪ければ、さらに値引きされている可能性も高い。もう少しスペックの高いタブレット端末を探すという手もある。

 バトルロイヤルゲームの試してみたいが、わざわざ最新機種を買うのはちょっと……と思っている人にとっても喜ばしいアプリと言える。

 なお、今回テストを行ったのはアーリーアクセス版のため、正式リリース版では状況が変更になるかもしれない。古いスマホの購入を検討している読者は、正式サービス開始後の情報を待ってから品定めすることをオススメしたい。

とは言っても画質は悪いんでしょ? いいえ、気になりません!(誇張)

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 何よりも予想外だったのは、『荒野行動-Air』のプレイ中はさほど画質が気にならないこと。……いや、正直に言えば違和感はある。だが、ゲームの本質は変わっていないため、おもしろさは従来の『荒野行動』と同じ。「気にならない」ではなく、「プレイに影響がない」と表現した方が適切かもしれない。

 ゲームプレイヤーの心情としては、誰もがきれいな画面で遊びたいもの。しかし、『荒野行動-Air』はいままで重くてプレイできなかった人が、参戦可能になる画期的なアプリだ。

 プレイヤーの環境に合わせて幅広い設定ができることによって、今後『荒野行動』のプレイヤー増も期待できる。プレイヤー人口が増えれば、イベントも大会も盛り上がる! これはイイコトずくめである。今後、『荒野行動』界隈が“Air”によってさらに活性化することを期待したい。

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