新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛の中で迎えた2020年のゴールデンウィーク。時間はあるけど出かけられない! という皆様に向けてファミ通ドットコム編集部員がオススメのゲームを毎日紹介していく企画の7回目をお届け。今回紹介するのは、収録されているシンセサイザー(電子楽器)音源で音楽を制作する『KORG Gadget for Nintendo Switch』(以下、KORG Gadget)です。

そのほかのゴールデンウィークおすすめゲームはこちらをチェック

ミス・ユースケのオススメソフト

『KORG Gadget for Nintendo Switch』

遊びかたを自分で考えるのがおもしろい

 ゲームかどうかよくわからないけど、『KORG Gadget』を使った遊びかたを紹介したい。2020年1月のバージョンアップ以降、収録シンセサイザーの鍵盤などをUSB接続したPC用キーボードで弾けるようになった。

 「メロディーに合わせて歌詞をタイピングすれば歌から別の曲が作れるじゃん!」と色めき立って即購入した。

収録されているシンセサイザーは“ガジェット”と呼ばれ、鍵盤を弾いたりして演奏できる。
テレビモードにしてドックにUSBキーボードを接続。いまから名曲を生み出します。

 音が割り振られていないキーもあるので、どんな高速タイピングでも同じリズムにはならない。音程も変わるから著作権的に問題ないはず。

 これは楽しい。音楽理論も何もないので聞き苦しいのだけど、自分の指から音楽(らしきもの)が生まれるのはあまりない経験だ。名曲を母体とした現代アートと胸を張りたい。何をもって現代アートなのかはよくわからない。

 名曲は生まれないし、必要以上の興奮もない。淡々と、でもたしかに新しい発見がある。この平熱な感じがいい。

 “バニラ求人”テーマソングを演奏してみた。選曲の理由は、ネタにしても怒られないだろうと思ったからだ。公式YouTubeチャンネルに歌詞も掲載されているし。著作権は問題ないと判断しつつも弱気になっている。

 ちなみに、バニラ求人はおもに女性向けの求人情報サービス。わからない人はお父さんお母さんに聞いてみよう。僕はファミ通.comで何を書いているのだ。

 心を強く持ったうえで演奏するのは、ネット界隈でも愛される邦楽“新宝島(サカナクション)”のサビ。“丁寧”が連続するところがだいぶ怪しい。動画では最初の丁寧ゾーンを抜けて安心したようで、音楽に乗っている様子が見て取れる。

 なお、TABキーを押すと全アルファベットキーで発音可能になるため、これよりもスムーズな曲になる。練習してからもう一度動画を撮影したい。

 こんな感じで、その日の仕事終わりに何気なくNintendo Switchを起動し、好きな邦楽を聴きながら歌詞をタイピング。そして「へぇー、こんな感じになるんだー」と、にやにやする。

 ただそれだけなのだけど何だか気分がいい。

※2020年5月7日 23:20 TABキーを押すとキーアサインが変更されることを知ったので追記しました。

ガジェットによってデザインも音色もさまざま。音が鳴るおもちゃ感覚で楽しい。

 音楽制作ソフトを紹介しておいて何だが、僕は音楽にまったく詳しくない。譜面は読めないし、ピアノの鍵盤を見てもドレミがわからない。

 小学生の頃は音楽の成績がよかった。それはクラスの誰よりも元気に歌ったからである。若手芸人と同じように大声で乗り切ってきた。

音楽知識はないが、“何かをいじると音が鳴る”というのはプリミティブでおもしろいと思う。そういう意味で楽器は好きだ。写真のほら貝は私物。

 メロディーに合わせて歌詞を入力するアイデア自体は、“TYPEPLAYER(タイププレイヤー)”に初めて触れたときに思い浮かんだ。TYPEPLAYERは澤田智洋さんという方が作ったPC用キーボード型楽器だ。

 また、タイピング競技者という人種がいて、トップ層は歌を聴きながら楽勝で歌詞をタイプできることも知っていた。このふたつを組み合わせたらおもしろいと思ったのだ。

 TYPEPLAYERは一点もののアート作品でもあるので僕には買えない。諦めかけていた僕にとって、『KORG Gadget』のPC用キーボード対応は朗報だった。

 さて。ここまで述べてきた僕の楽しみかたは『KORG Gadget』の本筋ではない。楽器にもなる『KORG Gadget』だが、主軸はあくまでも曲を作ることだから。

 おそらく最大の特徴はすごく簡単なこと。音楽の理論がなくても、譜面が読めなくても、それっぽく作曲できる。発言に自信がないのは、僕がほかの音楽ソフトを使ったことがないからだ。

 念のため作曲手順をざっと紹介すると以下の通り。

最初にガジェットを選ぶ。ガジェットにはリズムに強いものや弦楽器っぽいもの、8bit風の音源のものなど個性がある。
そのガジェットに収録された音色から使いたいものを選ぶ。
上下が音の高低や種類、左右が時間軸を表すピアノロール画面で、鳴らしたい音を打ち込む。再生すると左から順に演奏される。

 複数のガジェットを使い分けたり重ねたりすると音に重厚感が出る。音やクリップごとに長さを変えたり細かい調整も可能だ。こういった作業をくり返してクリップ(楽曲のパーツ)をいくつも作成して、最終的にひとつにまとめれば曲が完成する。

 要はマス目を埋めれば曲を作れるのだ。適当にやってもそれなりにかっこよくなるから、音楽知識のない人も安心してほしい。

4人で協力して制限時間内に1曲仕上げるモードもある。しかもオンラインプレイに対応。

 「ほかの音楽ソフトを使ったことがない」と書いたが、それどころか僕は曲を作ったこともない。それでも“歌詞を入力して別の曲にする”という遊びで『KORG Gadget』を楽しんでいる。自分で遊びかたを考えるゲームが好きなのだ。

 と、ここまで書いたところで、ふと思いついた。本作はUSB分配器を使えば、ひとつのキーボードやアケコンをNintendo Switchと同時にPCやゲーム機とも接続できる。

 ということは、ゲームの操作も音楽に変換できるのでは。アーケードスティックでの入力にも対応しているので、格闘ゲームも活用できそうだ。興奮してきた。

そのほかのオススメソフト

 自分なりの注目点が見つかると、ゲームはよりおもしろくなると思っている。

 そういう意味で『ファイナルファンタジーVII リメイク』は理想形だった。路上にあるものや駅の路線図の作り込みが興味深く、ミッドガル市民の生活が気になり始めた。記事を書いたらそこそこウケて、路線図を愛でるイベント“路線図ナイト”の話題に挙がった。路線図好きライターの井上マサキ氏も「乗り換え表現が細かくてクオリティが高い」と評価するほど。

 もちろん戦闘システムや人物描写もすごいのだが、メインストリームの部分以外にも目を向けると、ゲームを何倍にも楽しめる。こういう遊びかた、おすすめです。

路線図ナイト リモート

 上記の配信の1:27:08頃に『ファイナルファンタジーVII リメイク』の話題が出ています。