2020年1月14日より、スマホゲームアプリ『龍が如く ONLINE』(以下、『龍オン』)で大型コラボイベントがスタートした。
コラボしているのは、『龍が如く』シリーズの歴史スピンオフ作品、『龍が如く 維新!』(以下、『維新!』)だ。このコラボでは、『維新!』本編では語られなかった史実の一部“禁門の変”を題材にしたオリジナルストーリーが展開。新選組が八面六臂の活躍を見せて名を上げた“池田屋事件”のあとの物語が描かれる。
※イベントストーリーは2020年2月上旬からの公開予定。
コラボタイトル『龍が如く 維新!』とは?
コラボタイトル未プレイの方のために、まずは作品を紹介したい。『維新!』は、2014年2月22日にPS4およびPS3で発売されたアクションアドベンチャー。日本国内におけるPS4のローンチタイトルのひとつとしても注目を集めたタイトルだ。
『龍が如く』シリーズの歴史ものスピンオフ作品には、2008年発売の『龍が如く 見参!』があるが、こちらは桐生一馬之介(宮本武蔵)が活躍する戦国時代末期の物語だったのに対し、『維新!』は幕末をモチーフとしたオリジナルの物語となる。
『維新!』の特長といえば、剣と銃を駆使した爽快感あふれるアクションもさることながら、ナンバリングを含む『龍が如く』シリーズの中でも、『龍が如く0 誓いの場所』などと並んで指折りと評判のストーリーに触れないわけにはいかないだろう。以下では、今回のコラボイベント開催にあたり、おもにストーリー構成の面から作品の魅力を掘り下げてみたい。
ミステリアスかつ熱い展開に引き込まれる!
本作の主人公は、桐生一馬に酷似した姿で、斎藤一(さいとう はじめ)の偽名を用いる坂本龍馬。その立ち位置はなかなか複雑なのだが、ゲームを進めるうちに、人気ゲームキャラクターの桐生一馬と、新選組の斎藤一、そして幕末の英雄・坂本龍馬を組み合わせてひとりの人物を描くこのアイデアはじつによくできたものであることがわかってくる(斎藤一の“一”と坂本龍馬の“馬”を足すと“一馬”となることを含めて)。
劇中でなぜ坂本龍馬が斎藤一の名を名乗るのかというと、龍馬の親代わりとも言える恩師・吉田東洋殺害の汚名を着せられた状況で、真犯人を探しながら京の街に身を隠すためだ。
手掛かりとなるのは、犯人の使った剣法が天然理心流だということだけ。この流派が新選組独自のものであることを知った龍馬は、斎藤一として新選組に入隊。三番隊の隊長として任務をこなしながら、恩師を殺した男を探すことなる。
龍馬が斎藤一の名で新選組に入隊する、という展開だけでも十分に興味を惹かれるものがあるのだが、本作の物語の魅力はそれに留まらない。攘夷と開国(外国勢力を拒絶するのか/受け入れるのか)、倒幕と佐幕(徳川幕府を倒すのか/支持するのか)といった幕末のフレームを題材として活かしながら、大胆にアレンジされたオリジナルストーリーが描かれていく。
それゆえに、幕末の史実に詳しい方は「なにがどうアレンジされているのか?」を読み解く楽しみがあるし、とくに知識がなくても、臆することなく純粋なエンタテインメントとして楽しめるというわけだ。
本作は群像劇としても秀逸だ。じつは、複雑な事情を抱えているのは斎藤一こと坂本龍馬だけではない。京の治安維持のために働く新選組も一枚岩でなく、派閥の対立もあれば、個々が抱えている思惑もあったりする。そうした面々に薩摩藩の重要人物である西郷吉之助や、長州藩士の新堀松輔(桂小五郎)、土佐勤王党の武市半平太などが関わることで、物語はさらに混沌と深みの度合を増すことになる。
また、そんな群像劇をさらにカオスな状況にするのが、“もう一人の坂本龍馬”の出現だ。本作最大のミステリー要素は、坂本龍馬が坂本龍馬を殺す、という展開。『維新!』では、殺気に満ちた新選組隊員たちによる近江屋襲撃場面が冒頭に入れ込まれているのだが、このシーンにより、プレイヤーは一気にその世界に引き込まれることになる(この映像は以下のトレーラーで観ることができるので、ぜひチェックしてほしい)。
坂本龍馬が近江屋で何者かに襲撃され、敢え無く命を落とすのは史実の通り。暗殺犯が特定されておらず、日本史のおけるミステリーのひとつとされているこの事件をモチーフに、さらなる創作を作り上げた『維新!』のシーンからはシナリオの凄みが感じられる。
『龍が如く』シリーズ、オールキャストのお祭り感!
上記のように、動乱の時代をモチーフにしつつオリジナルストーリーが描かれていく本作だが、『龍が如く』シリーズファンにとっては、人物描写の面でも大きな見どころがある。それは、桐生一馬を始めとする人気キャラクターたちが、幕末の英雄として多数登場することだ。
ある作品の登場人物たちが、姿はそのままに別の人格として描かれる手法は“スターシステム”などとも呼ばれることがあるが、本作ではまさにこの手法で前述の龍馬や西郷のほか、新選組の近藤勇、土方歳三などが、『龍が如く』キャラクターの姿で登場する。
そのバリエーションは、真島吾朗、冴島大河、秋山駿といった主役級の面々から、錦山彰、郷田龍司、峯義孝といった強敵たち、堂島大吾、風間のおやっさん(風間新太郎)、伊達真などじつに幅広く、まさに“オールキャスト”と言える。
また、『龍が如く』シリーズではおなじみの、芸能人キャストがそのままの姿でキャラクターを演じる要素は本作にも。おもだったところでは、近藤勇を船越英一郎、武市半平太を高橋克典、藤堂平助を大東駿介が演じている。そのほか、峯義孝の声を演じた中村獅童が新選組副長・土方歳三の声役を務めていたり、浜崎豪の声を演じた高橋ジョージが同じく新選組の伊藤甲子太郎の声役を務めていたりも。こうしたキャストの出演は、『龍オン』コラボでも健在なのだが、物語を華やかに彩る要素として見逃せない。
ストーリーを進める中でそうした人物がたちが続々と登場するので、「ああ、あのキャラクターや俳優は、歴史上のこの人物なのか」ということを確認するだけも楽しく、より強く物語に引き込まれてしまう。中には新選組・沖田総司役の真島吾朗のように「あれ、沖田って美青年という話では……!?」というギャップがあったりして、そこがまた魅力となる(若干ネタバレをすると、この真島吾朗のキャスティングには“とある仕掛け”が……)。
『龍オン』では、そうした魅力的な登場人物たちの中から26名が登場し、その一部がカード化した仲間になるというのだから、期待せざるを得ない。
『龍オン』コラボで描かれるエピソードは?
また、『維新!』をプレイ済みのユーザーにとってもうれしいのは、本コラボイベントでは元作品では描かれていない“禁門の変”が新エピソードとして描かれることだ。“禁門の変”とは、京および朝廷への影響力をめぐり、長州藩と、おもに会津藩・薩摩藩そして新選組などが激突した史実の出来事。
“英雄秘録”では、この出来事を土佐藩と新選組の視点で楽しむことができるという。そのあらすじは以下の通りだが、つまりは西郷吉之助(西郷隆盛/郷田龍司)と新堀松輔(桂小五郎/秋山駿)熱い戦いが期待できる……!?
<あらすじ>
幕末。
黒船来航を契機に徳川幕府の長きに渡る支配体制が揺らぎ、
日本は再び群雄割拠の様相を呈していた。
そんな中、この国の次なる覇を競う二つの雄藩があった。
ひとつは巨魁、西郷隆盛擁する薩摩藩。
もうひとつは俊英、桂小五郎擁する長州藩。
新選組による長州藩士大量粛清、「池田屋事件」により
この二大雄藩の関係は、大きく動き出そうとしていた。
後の歴史に語られる、「禁門の変」に向かって……。
『龍オン』コラボイベント概要
さて、そんな『龍オン』コラボイベント“英雄秘録”だが、開催期間は2020年1月14日~3月15日となる。ストーリーはいくつかの章に分かれており、イベント時期が進むに連れて徐々に公開されていく(イベントストーリーは2020年2月上旬公開予定)。
ちなみに、期間中には『龍オン』にログインするだけで“SSR坂本龍馬”がもらえるほか、ダイヤ×500個、龍玉5という豪華プレゼントをもらえることになる。そのほか、2020年1月20日(月)23時59分までは、ログインするともらえる“徳”を貯めて豪華アイテムがもらえる施策も。
※上記ダイヤおよび龍玉のプレゼントは、本コラボに関するメンテナンス開始時(2020年1月14日13時)までに『龍オン』をプレイしていたユーザーが対象となります。
もちろん、『維新!』コラボにちなんだ各種イベントなども行われるので、期間中は小まめに情報をチェックするといいだろう。そして、2020年1月14日からは、コラボイベントの第一弾となる救援イベントがスタートする。本救援イベントには、“岡田以蔵”がイベントボスとして登場する。イベントの報酬キャラは、事前登録での配布が決定している“坂本龍馬”だ。また、イベントの特効キャラとして、“吉田東洋”、“武市半平太”も登場予定となっている。
『維新!』プレイ済みのユーザーはこの機会に『龍オン』デビューを
というわけで、ここまで『維新!』本編およびコラボイベント“英雄秘録”を紹介してきたが、前述のとおり、『維新!』はとにかくストーリーが素晴らしかった。物語が二転三転しつつプレイヤーを魅了していく“新たな幕末”の物語は、『維新!』未プレイ/プレイ済みを問わず、触れてみる価値があるはずだ。『龍オン』コラボの“英雄秘録”では、その『維新!』では明かされていなかったドラマが語られるという。熱い男たちのドラマがどう展開していくのか、『龍オン』をプレイして確かめよう。
※本記事のゲーム画面は『龍が如く 維新!』のものです。