2019年11月17日、東京都・渋谷区原宿にてeスポーツチームFNATICのイベント「FNATIC NIGHT」が開催された。本イベントは、FNATICとサンリオのキャラクター“ハローキティ”とのコラボレーションを記念したもので、eスポーツとの現在と未来を考えるビジネス交流会も併せて開催された。

 FNATICは、2004年にイギリス・ロンドンで設立したプロゲーミングチーム。これまでスポーツアパレルの“Champion”、プロサッカーチーム“ASローマ”などとコラボを展開しており、11月5日に突如サンリオとのコラボを発表した。今後FNATICは、日本企業とのコラボレーション、eスポーツ業界の新たな価値を創造するサービスの提供を推進していくという。

 FNATIC×ハローキティによるコラボだが、今後クリスマスシーズンにかけて4種のコラボグッズを発売するとのこと。すでに公式Twitter公式ECサイトでは商品がお披露目されており、そのデザインはキティちゃんとFNATICのよさを交えた、まさしく“ゲーミングハローキティ”さん。

 ハローキティと言えば、これまで数えきれないほどのコラボを実施している。今年3月には、サンリオと日本のプロゲーミングチーム“DETONATOR”とのコラボが記憶に新しいだろう。今回のコラボの理由には、FNATICの日本進出に加えて、サンリオの企業理念「世界中のみんなが仲良く」がある。

 本イベントでは、株式会社サンリオの取締役を務める辻友子氏、そしてFNATIC ファウンダー&CEOのサム・マシューズ(Sam Mathews)氏らといった、両社の主要人物が登壇。コラボに対する思いや、日本のesports市場についても語られた。

 最初に、サンリオの辻氏が本コラボについて「eスポーツ業界を担う第一人者FNATICとのコラボを実現でき、たいへんうれしい」と喜びをあらわに。ゲームカルチャーに進出を果たしたハローキティだが、今後はFNATICのフーディ、Tシャツだけでなく、ユニフォームもコラボ仕様となり、「これからますますeスポーツ業界でキティが愛されることを願います」と願った。

左からFNATIC ファウンダー&CEOサム・マシューズ(Sam Mathews)氏と、サンリオ 取締役 辻友子氏。

 また、FNATIC ファウンダー&CEOサム・マシューズ(Sam Mathews)氏も登壇。サンリオの取締役に加えてFNATIC創立者も集うとなると、本コラボへの相当の力の入れようが感じられる。

 FNATICは2004年に創設されたeスポーツチームで、いまや世界的認知度、成績、スター選手を構えた巨大eスポーツオーガニゼーションだ。サム氏によるとFNATICは“eスポーツ、パートナーシップ、グッズ”の3つの柱で成り立っており、数々の大会で勝つだけでなく、「世界でeスポーツの波を起こす」ことを目指しているそうだ。氏曰く「eスポーツで人々を結び付けていく」とのことで、FNATICの柱のひとつとなる“パートナーシップ”はここに活きてくる。ブランド拡大・拡張の軸として、ハローキティは最適なパートナーだろう。

 このコラボにはもうひとつの背景がある。FNATICは2020年に本格的な日本進出を予定していると発表。公開されたスライド画像には、“2020年に東京に拠点やトレーニング施設を作ること”が記載されていたのだ。いよいよ日本にも世界的チームが上陸することとなった。

 ハローキティとのコラボは、まさしく日本進出の“最初の一歩”。FNATICは日本でも人気のMagnet選手率いる『レインボーシックス シージ』部門を持つことから、今後の動向に注目したい。

イベント会場には、オーストラリアから『レインボーシックス シージ』部門の選手全員の姿も。Magnet選手は日本語も勉強中で、2020年での活動拠点は日本を見据えているのかも?
FNATICの実績を紹介するスライド画像。日本での展開についても明記されている。
イベント中盤では、Magnet選手、コーチのDizzleを交えたトークセッションが行われ、活動について聞かれると「一日10時間活動していて、最後はラーメンで締めます」と答えるMagnet選手。Youもう日本に住んじゃいなよ。

 このイベントでは、FNATICからマーケティング&ブランディング 統括のネジェック スコバーン氏とディビジョンディレクターのビクター・ベングストン氏、デロイト トーマツ コンサルティングの今井氏らによるトークセッション“世界のe-Sports事情とe-Sportsプロダクトのブランディング戦略”が行われた。ちなみに、今井氏は自身もサーバー管理者をしているゲーマーで、FNATICの大ファンでもあるそうだ。

 「日本eスポーツ市場はどの成長するか」という質問に対して、FNATIC運営サイドは「発展にはストーリーが必要だ」と述べる。『ファイナルファンタジー』はシリーズが何年も日本で愛されていることを例に挙げ、FNATICはグッズも積極的に販売し、メインストリームで活動を見せているが、ゲームという枠だけでなく“ライフスタイル”にゲームが浸透することが大切であると述べた。

 また、今井氏はプレイヤーだけにプロフェッショナリズムを求める傾向であることを指摘し、「プロゲーマーだけでなく、その周辺でビジネスをしている人やゲーマーすべてがプロフェッショナルの意識を持つことで、市場はもっと広がりを見せると思う」とコメントした。

 これだけの成長を遂げ、いまや世界中のeスポーツファンに広く名を知られるまでに成長した同チーム。「課題にぶつかったことは?」との問いには、「NO。タレント養成、パートナーシップといったサイクルが効果的に働いているから、問題があっても解決できている」と回答。言葉はシンプルながら、強い運営体制ができていることを示した。加えて、「パートナーシップやコラボによって、FNATICやゲームカルチャーのよさをたくさんの人に知ってもらうことができている」と語った。

 そして、FNATIC日本進出発表で誰しもが気になる「英語が喋れなくても、日本人がFNATICに入ることはできるのか」との問いに対しては、「FNATICのコアはゲーマーであること。言語も肌の色も関係ない」と確言。2020年、FNATICがどのような形で日本進出を果たすのか、具体的な姿は明かされていないが、日本人プレイヤーがFNATICへジョインすることも可能であると、希望を示唆してくれた。

 今回のイベントでは、FNATIC×ハローキティのコラボ展開お披露目のみならず、日本でのFNATICブランド拡大や進出が発表された。eスポーツファンにとって、2020年はワクワクが止まらない1年になるだろう。

 FNATICが日本でどのような活動をしていくのか、現時点では定かではない。だが、日本でも高い人気を誇る『レインボーシックス シージ』部門選手のほぼ全員が来日していることからも、何かしらの動きがあるのではないかと期待せざるを得ない。FNATICが日本に進出することで、国内eスポーツ市場にどういった作用があるのかにも注目したいところだ。

FNATIC『レインボーシックス シージ』部門と、Aerowolfで活躍したMentalistC選手の姿も。
コラボアパレルの背中にはKawaiiゲーミング腕組み姿のキティちゃんが。