VRヘッドマウントディスプレイを提供するOculus VRの技術カンファレンスOculus Connect 6がカリフォルニア州サンノゼで開幕。同社の一体型ヘッドセット“Quest”に強力なアップデートが発表された。

ハイエンドPC+USB-Cケーブルで、QuestでRiftタイトルがプレイ可能に

 Questは対応スマートフォンやハイエンドPCなどが必要なく、単体でVRコンテンツを楽しめるというのが特徴。しかしその一方で処理能力としてモバイル系のチップセットを採用しているため、PC向けのハイエンドなコンテンツは楽しめないという難点があった。

 2019年11月より提供開始予定の“Oculus Link”は、QuestをUSB-CケーブルでハイエンドPCに接続することで、PC向けヘッドセットであるRiftシリーズの対応タイトルをQuestで遊べるというもの。

 もちろん依然として一定以上の処理能力を持ったPCは必要なのだが、Questにネイティブ対応しているVRアプリを遊びたい場合は従来どおりどこでも手軽に楽しめ、ハイエンドコンテンツを遊びたい時はPCにケーブルを繋げばオーケー、という選択肢を持つことができるわけだ。

2020年にハンドトラッキングに対応

 そしてもうひとつ、Questではハンドコントローラーを使ってプレイヤーの手の動きをVR空間内に反映していたが、2020年にハンドトラッキングに対応予定だという。

 これはどういうことかと言えば、Questの周囲についているセンサーを使ってプレイヤーの手の形状や動きを認識するということ。つまりハンドコントローラーすら持たずに自分の手をそのまま使ってVRコンテンツを体感できるということになる。

 個人的には、銃を持つ動きなどはコントローラーの物理的な反応があった方がいい気もするが、装着しなければいけない機器がより少ない、自分自身に近い形でVRに深く没入できるというのは大きな進化だ。

GoアプリのQuest対応やパススルー機能の強化も

 基調講演ではそのほか、Oculus Go対応アプリのQuest対応が進められていくことや、着用中に外界を見るパススルー機能の強化が行われることが判明。

 GoアプリのQuest対応は来週から開始され、50タイトル以上が対応予定とのこと。そしてパススルー機能は像の補正がされ、より自然な見え方になる模様だ。

 これらのアップデートは、もっともカジュアル寄りのハードウェアであるGoのコンテンツからRiftレベルのPC用ハイエンドコンテンツまでQuest一台で対応可能にし、さらに快適に使用可能にするもので、正直Rift/Rift Sの存在が霞みかねないほどのものと言えるだろう。