マンガ家の福満しげゆき先生は、元祖メガドラユーザーのひとり。当然、メガドライブミニに対しても興味津々! ……ということで、福満先生に、メガドライブミニをプレイしてもらいました。

 当時は中学生だった先生も、いまでは2児の父親……いま、先生はメガドラタイトルに対して何を思うのか? 描き下ろしイラストとともに、インタビューをお届け!

福満しげゆき(ふくみつ しげゆき)

マンガ家。週刊ファミ通にて『福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ』を長きにわたり連載中。

元カノとの気まずい再会

――まずは、先生とメガドライブが出会った経緯を教えてください。

福満スーパーファミコンが買えなかったからです。

―― えっ?

福満スーファミが発売されて、みんながぼちぼち手に入れ始めたころ、「いいな~、ああいうのが欲しいな~」と思っていたんですが、売れていて新品のスーファミは入手できなかったんですね。それでメガドライブを中古で買ったんです。

――なるほど、メガドライブはスーパーファミコンの2年前に発売されていたから、手に入りやすかったのですね。最初にどんなソフトを遊んだか、覚えています?

福満郊外に住んでいたため、どういうゲームがおもしろいという情報もなかったので、ローラースケートに乗ってる少年が出てくるスクロールのゲームを買ったんですけど……思い出せないんですよね、タイトル(編集部注:『DJボーイ』のことだと思われます)。

――ほかにはどんなソフトを遊びましたか?

福満ゴールデンアックス』は好きでしたよ。『ファンタシースター』シリーズもやりましたし……ああ、そうそう、通学路の途中に『シャイニング&ザ・ダクネス』の看板がドーンと出てまして、それがすごくカッコよかったのも覚えていますね。その看板を並んで見ていた友だちがソフトを買って、それを借りて遊んだと思います。続編の『シャイニング・フォース ~神々の遺産~』も遊びましたね。で、その後に遊んだのが、メガドライブミニにも入っている『ランドストーカー ~皇帝の財宝~』ですよ。

――ああ、いいですよね『ランドストーカー』。斜め見下ろし型が新鮮でした。

『ランドストーカー ~皇帝の財宝~』

福満そうそう、当時には珍しく、高低差があったりね。ただ、このゲームで、マップにハマっちゃったのか何なのか、どうにも動けなくなったときがあったんですよ。にっちもさっちもいかず、だいぶ前からやり直さざるを得なくなった。その恨みは、20年以上経っても忘れてないですね。ゲームの詳細は忘れましたけど。

――(笑)。

福満それでも気持ちを持ち直して、『ランドストーカー』は最後までプレイしましたよ。あとは……ああそうだ、やっぱり『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』ですね。友だちのあいだで、僕が脚光を浴びる機会をくれたゲームです。

――脚光ですか。

福満当時は「メガドライブとスーファミ、どっちも買えばいいじゃないか」なんて風潮はなくて、派閥意識がすごかったわけです。自分がついた陣営を愛するしかなくて、だから僕は「メガドライブがんばれがんばれ」と思っていたんですが、スーファミが力を増していく。そんな中で発売された『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、これはいいぞと。宣伝に力が入っているし、「やってみたい」という友だちも多くて。

――メガドライブユーザーである先生に注目が集まったんですね。

福満メガドライブは軽かったので、さっとリュックに入れて、友だちの家に持っていけたんですよ。あのスピード感とか、ワンボタンで簡単に遊べる操作性とか、斬新でしたね、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』は。メガドライブを持っててよかった~と思いましたよ。

―― でも先生、後にスーパーファミコンも手に入れたんですよね?

福満そうです、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』がやりたくて……。メガドライブ陣営だったんですけど、魅力にあらがえず……。

――メガドライブ推しだったのは、わずか1年くらいじゃないですか!(『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』は、スーパーファミコン発売から1年後の1991年11月に発売)

福満中学生にとっての1年っていうのは長いものですから! でも、そんな経緯もあって、メガドライブを見ると何とも言えない気持ちになりますね。個性的で変わってた昔の彼女……みたいな感じで。

――じゃあ、今日は元カノと30年ぶりに再会したわけですね。

福満気まずいです。

―― 気まずいんですか!?(笑)

福満キレイに別れられなかったんで……。でも、好きでしたよ!

蘇るカーフェリーの思い出

――では、実際にメガドライブミニを遊びながら、ゲームの感想をうかがっていきたいと思います。何から遊びますか?

福満じゃあ、『ザ・スーパー忍』から……これは昔、遊びましたよ。グラフィックがすごいと思っていましたねえ。

――どうですか、20数年ぶりに遊んだ『ザ・スーパー忍』は。

福満なんか……モッサリしてますね。

――いきなりの感想がそれですか(笑)。

福満もっとサクサク遊べた気がするんですけど。ファミコンで遊んだ『忍者龍剣伝』と比べて、当時は「メガドライブのアクション、すごい!」って思ってたはずなんですけどねえ、なんだか……『忍者龍剣伝』よりモッサリしてますね。

――30年前のアクションゲームなんですよ。思い出補正ですよ、それは!

福満なんだか、思ってたのと違う……。じゃあつぎは『ゴールデンアックス』にします。

――先ほど「好きだった」とおっしゃっていましたね。

福満でも、これも……いま見るとショボいですね(笑)。当時は、いまで言うプレイステーション4のゲームを見るような、「これが最新のゲームだ!」という感じで見てたんですけど。

――だから思い出補正ですってば、それは!

『ゴールデンアックス』

福満(つぎに遊ぶタイトルを選びながら)あっ、『大魔界村』。これはね、昔ガレージみたいなゲーセンってあったじゃないですか。そこでずっと眺めていました。ふつうのゲーセンに入るのは怖かったんですけど、そこは半分屋外みたいなものだから、入るのに抵抗がなかったんです。『大魔界村』は、オープニングの音楽も雰囲気もすばらしくて、「なんちゅう楽しそうな、おどろおどろしいゲームだ」と思っていて……。ゲーセンでは「これをお金を惜しまずに遊べたらいいなあ」と眺めているばかりだったので、家で遊べるとなったときはうれしかったですね。

――どうですか、これは思い出の中の姿と比べると。

福満(遊びながら)背景が黒ということもあってか、古さはあまり感じないですね。おもしろいです。ああ、でも、レッドアリーマーまでは進めないですね……。じゃあ、つぎのタイトルは……。

――えっ、がんばらないんですか、レッドアリーマーまで。もうちょっとなのに。

福満自分、あまりがんばるタイプじゃないので……。42タイトルもあるので、今日はサクサクいかないと。

――見切りが早い。じゃあ、『アイラブ ミッキー&ドナルド ふしぎなマジックボックス』はどうですか? 人気が高いタイトルですよ。

福満ええ~、キャラクターゲームはあまり気乗りが……。おもしろくなさそうかなーって。イメージですけど。

――完全に偏見じゃないですか。まあ、それなら『アイラブ ミッキー&ドナルド ふしぎなマジックボックス』は後回しにして、ついに今回実現したメガドライブ版『テトリス』とか、どうでしょう。

福満『テトリス』、いいですね。ゲーセンにあった『テトリス』を家でやりたいと思っていたんですよ、サルが出てくるやつ(編集部注:アーケード版『テトリス』では、ゲームオーバー時にサルが登場する。メガドラミニ収録版にも、ばっちり登場します)。家庭用ゲーム機向けには、なかなかそういう、ゲーセンぽい『テトリス』が出てくれなくて。(『テトリス』をやりながら)昔、カーフェリーに乗って田舎に帰省していたんですけど、そのフェリーの中に『テトリス』があったので、プレイしていました。そんな思い出が蘇ってきますね……。

――テトリミノの消しかたが、やり込んでいた人の動きですね。

福満お金がなかったから、アーケードのゲームを遊ぶなら、できるだけ長く遊びたいんです。だから『テトリス』をやってました。ああ、こんな気持ちが蘇ってくる家庭用『テトリス』は、ほかにはないですよ。懐かしいなあ。

『テトリス』

42本入ってて満足感がすごい

――(全タイトルを遊び終えて)いや~、お疲れさまでした。いかがでしたか?

福満ずいぶんボリュームがたっぷりですね。それぞれのゲームをちょっとずつ触るだけでも、満足感がすごいというか。メガドラを遊んでいたのはもう25年以上前ですから、何をプレイしていたかあんまり覚えていないので、逆に新鮮でしたね。『ランドストーカー』とか、あんなにやったのに覚えていませんでしたし。やり直させられた恨み以外は。

――……いざメガドラミニが発売されたら、どのタイトルで遊びたいと思います?

福満ぷよぷよ通』と『テトリス』が入っているのはいいですよね。気軽に遊べるし、子どもといっしょにプレイできるし。ほかにもシューティングとかアクションとか、いろいろなジャンルが入ってるので、長く遊べる気がします。

――ちなみに、今日触った42タイトルの中で、おもしろかったタイトルをひとつ選ぶなら?

福満ミッキー』です。

――「おもしろくなさそう」って言ってたじゃないですか!!

福満いやー、いちばんおもしろかったです。子どもと遊びます!!