ラーミアを巡る奇跡の一戦!
『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターやモンスターたちがカードとなって戦う、スマートフォンとニンテンドースイッチ、PC(Yahoo!ゲーム)で配信中の対戦デジタルカードゲーム、『ドラゴンクエストライバルズ』(以下、『DQR』)。
2019年9月12日(木)~15日(日)の期間(一般公開日は14日・15日)、千葉・幕張メッセにて開催された“東京ゲームショウ2019”。その最終日となる2019年9月15日、“e-Sports X(クロス)”ステージで、『DQR』の公式大会では初となる、賞金総額100万円と豪華副賞が贈呈される“マスターズカップ in TGS2019”が行われた。ここでは、きびしいオフライン予選を勝ち抜いてきた4名の選手たちの、アツい戦いをリポートしていこう。
ステージにはMCの高野光平氏、実況の田口尚平氏、解説のちょもす氏が登壇。今回の大会のルール“マスターズルール”は、公式大会“勇者杯”のグランプリルールと異なり、これまで登場しているすべてのカードを使ってデッキを組み立てられるという内容。そのため、勇者杯とはまた違う試合が見られるはずと、観客の期待も高まる。
続いて、オフライン予選を勝ち抜いてきたアリィナ選手(オフライン予選1位)、リデ選手(オフライン予選2位)、トシ選手(オフライン予選3位)、あ選手(オフライン予選4位)という、4名の選手が登壇。ステージ上で抽選カードを引き、それぞれの対戦相手が決定した。
準決勝第1試合は、あ選手対トシ選手、準決勝第2試合はリデ選手対アリィナ選手に決定。決勝大会でのルールは以下となる。
- 全試合2バトル先取で勝利
- 3リーダー/デッキ公開制 BO3
- 勝利リーダーは勝ち抜けのコンクエスト方式
ここからは準決勝、そして『DQR』の歴史に残るであろう決勝戦の名勝負を、くわしくリポートしていく。
なお、大会の模様はOPERNREC.tvの『DQR』公式チャンネルでアーカイブ視聴ができるので、ぜひリポートと合わせてご覧いただきたい。
OPERNREC.tv『DQR』公式チャンネル「マスターズカップ in TGS2019」決勝大会
※視聴にはOPENREC.tvへのログインが必要です。詳細はリンク先でご確認ください。
準決勝第1試合:あ選手vsトシ選手
1試合目は、武闘家のミラー対決。両選手ともマリガンで理想的なカードを手札に入れての試合開始となった。あ選手はヒーローカードの勇者姫アンルシアを採用したデッキに対し、トシ選手はヒーローカードを採用しないデッキに。
2ターン目、あ選手がアンルシア使用後にブライを場に置いてトシ選手のユニットを除去していくが、トシ選手も負けじとユニットを展開し、五分五分の状況が続いていく。
試合が大きく動いたのは、6ターン目。あ選手のプオーンがさそりばちを呼び込み、手札にある古武道のツメ、はやてのリングで相手のHPを一気に奪い切れるカードが揃う。トシ選手もさそりばちを引き込み、ビッグスロースの能力を一気に上げて、勝負を決めにかかる。
しかし、あ選手のヒーロースキル“勇者の光”で、ビッグスロースの動きが1ターン封じられてしまう。トシ選手にとってはこれが致命傷となり、つぎのターンであ選手のさそりばちからのコンボがさく裂! あ選手が1勝をもぎ取った。
2試合目は、あ選手が僧侶、トシ選手が戦士という組み合わせ。あ選手は理想的なカードを手札に引き込むも、トシ選手はさんぞくのサーベルを引けずに、なかなかヒーローカードのレックスを使うことができない。
その後もトシ選手はさんぞくのサーベルを引くことができないままターンが進み、あ選手はフォズ大神官を場に置き、テンションスキルを魔法使いに変化。トシ選手はさんぞくのサーベルを引けないまま、7ターン目に突入してしまう。
いなずまのけんで反撃を試みるが、時すでに遅し……。強力なカードを潤沢に持つあ選手が、トシ選手のHPをゼロにして2勝目。準決勝第1試合は、あ選手が決勝戦へコマを進めた。
準決勝第2試合:リデ選手vsアリィナ選手
1試合目はリデ選手が僧侶、アリィナ選手が戦士という組み合わせに。
アリィナ選手がさんぞくのサーベルを手札に引き込み、理想的なスタート。リデ選手もチャゴス王子を2ターン目に出してリーダーにダメージを与えていくなど、ほぼ互角の展開となる。
しかし、アリィナ選手のレックスがレベル3になり、ライデインを混ぜながらリデ選手のHPを残り4まで追い込んでいく。手札にはいなずまのけんがあるため、7ターン目を迎えればほぼ勝利は確定と思われたのだが……。
リデ選手がヒーロースキルの“勇者の盾”を使い、アリィナ選手が攻めあぐねているあいだにテンションスキルなどでHPを回復することに成功!
ピンチを凌ぎ切ったリデ選手はユニットを展開しつつ、HPも回復。一方、いなずまのけんで勝利を決めるために手札を使い切ってしまったアリィナ選手は、完全に攻め手を失ってしまう。最後はリデ選手がアリィナ選手にトドメを刺して、勝利した。
2試合目はリデ選手が戦士、アリィナ選手が武闘家を選択。リデ選手はフラワーゾンビ、アリィナ選手はサンチョが手札にあるので、序盤の動きはともに盤石。
お互いが低コストのユニットを使って試合を進めていくが、アリィナ選手はサンチョを戦士のテンションスキルで倒されてしまい、場にユニットがいない状況になる。対するリデ選手は、順調にユニットを配置していき、やや有利な展開に。
ここからリデ選手の快進撃が続き、アリィナ選手はウォールで守ることに精一杯。このままアリィナ選手が負けてしまうのかと思われたのだが……。
アリィナ選手がクリフトを引いたことで、戦況が大きく動き始める! 致命傷を逃れたアリィナ選手はリーダーを回復しつつ、その後もブライやシーゴーレムなど、ユニットをつぎつぎと展開。
押し切れなくなったリデ選手は攻撃手段が尽きてしまい、アリィナ選手がさそりばちを絡めたコンボで大逆転! これで1勝1敗となり、決着は3試合目へともつれ込むことに。
そして、3試合目は戦士vs戦士のミラー対決。リデ選手はさんぞくのサーベル、アリィナ選手はエビルスピリッツを手札に引き込むなど、両者ともヒーロースキルのレベルを上げる手段を獲得する。
しかし、さんぞくのサーベルを持つリデ選手のほうがヒーロースキルのレベルを一歩早く上げることに成功し、アリィナ選手は後手に回る状況に……。
中盤では、お互いがライアンを場に出すも、アリィナ選手のライアンが倒されてしまったことで、万事休す! 場に数多くユニットを展開したリデ選手がアリィナ選手のHPを一気に削って勝利を掴み、決勝戦はあ選手とリデ選手の戦いとなることが決まった。
ここで、決勝戦へ進む前にいったんブレイク。『DQR』の二木達博プロデューサーと『DQX』の青山公士プロデューサーが、ステージに登場。今回の賞品となる『DQX』の紹介などが行われた。
決勝戦:あ選手vsリデ選手
いよいよ始まった決勝戦。第1試合は、あ選手が武闘家、リデ選手が僧侶という組み合わせに。リーダーは異なるものの、ともにヒーローカードの勇者姫アンルシアを組み込んだデッキとなる。
お互いが場に出されたユニットを倒しながら、静かに試合は展開……と思いきや、あ選手がちからのゆびわやブライを早期に投入して仕掛ける。リデ選手は僧侶のため、細かいダメージを与えても回復されてしまうのだが、中盤になってもあ選手は攻撃の手を緩めない。
あ選手はダークドレアムが手札にあるため、試合を一気に決めるユニットとなるさそりばちを引く前に、ダークドレアムのコストを下げて使おうという作戦のようだ。
作戦どおり、ダークドレアムでリデ選手のユニットを一気に除去したあ選手だったが、リデ選手の勇者姫アンルシアでダークドレアムの攻撃力がゼロに! さらに、あ選手はこの時点でちからのゆびわを2枚、使ってしまっている。
さそりばちの火力不足を補うために、勇者の眼でゲルダを手札に入れる。さそりばち、ゲルダの2枚でリデ選手のHPを一気に削りきる作戦か? 古武道のツメを装備して武術カードの補充も進める、あ選手。
しかし、試合が長期化するほど僧侶が有利になっていくのは確実。リデ選手の手札には、マルチェロやフォズ大神官、さらにはベリアル、セーニャまでも控えているのだ。
結果、あ選手の猛攻はリデ選手に致命傷を与えられず、リデ選手が強力なユニットで全盤面を埋めるという状況に。まずはリデ選手が1勝を手にした!
2試合目は、あ選手が引き続き武闘家を、リデ選手は戦士を選択。どちらも早い展開で勝負を決めるデッキだけに、序盤でどれだけカードを引き込めるか、その運も重要になりそうだ。
マリガンでも武器を得られなかったものの、1ターン目でさんぞくのサーベルを引き、理想的な立ち上がりを見せるリデ選手。あ選手はユニットを展開しつつ、リデ選手のユニットを除去していくが、冒険者カードが手札にないため、ヒーローカードの勇者姫アンルシアのレベルを上げられない状況に。
中盤になっても、あ選手は冒険者カードを引けないが、リデ選手も中盤で展開できる有利なカードがなく、攻撃の手が止まってしまう。その結果、どちらも攻め手に欠けたままで試合が進んでいく状況に陥ってしまった。
迎えた6ターン目でリデ選手はアイラを場に出し、BET効果で武器を装備するも、それは武闘家のしゃくねつのツメ。場を大きく動かせるほどの武器ではない。
対するあ選手は、6ターン目でついに冒険者カードのブライを引き、ヒーローカードのレベルがアップ。ここぞとばかりにユニットを一気に展開し、リデ選手のユニットを倒して形勢を有利に持ち込む。
リデ選手は、あ選手のユニットを除去するのに精一杯。手札も薄くなり、攻撃手段を失ってしまう。あ選手は手札に低コストユニットが数多く入っているうえ、ダークドレアムまで引けている状況だ。
低コストユニットで盤面を埋め続ける、あ選手。リデ選手はグレイグで守りを固めつつライデインを使い、あ選手の残りHPを6まで追い込むことに成功するも、飛び蹴りでグレイグを後方に下げられてしまい、におうだち効果が消失! リーダーを攻撃され、あ選手が1勝を取り返した。
1勝1敗となり、決勝戦はいよいよ最終局面へ。ここで両選手が選んだのは、なんと魔法使い。どちらもラーミアで勝利を狙うデッキなだけに、この組み合わせには実況も会場も大盛り上がり!
さらに、あ選手はヒーローカードを2枚入れたダブルヒーローデッキで、リデ選手はヒーローカードを3枚入れるというトリプルヒーローデッキだ。これはどのような勝負になるのだろう? 会場にいる誰もがまったくわからない状況となった。
序盤はお互いがヒーローカードの天空の花嫁デボラを使い、BET効果の持つユニットカードを手札に加えていくという静かな立ち上がりに。
4ターン目、リデ選手はヒーローカードを天空の花嫁フローラに変えて、再びカードをドローしていく。
両選手のデッキはラーミアを場に出し、6個のオーブを展開して勝つことを目的として構築されているため、これまでのように盤面でユニットを取り合うような試合展開はありえない。
試合中盤になっても、どちらもカードのドローを優先して進めていくのみ。しかし、あ選手が6ターン目でやまびこのさとり、ピオラを使い、ドルマゲスのコストを下げる行動に出る。これを見て、頭を抱えるリデ選手。これはあ選手が一歩、有利な展開に進んだ状況か……!?
リデ選手は、デッキの残り枚数が7枚となってもピオラを手札に引き込むことができずにターン終了。7ターン目、あ選手のデッキの残り枚数は13枚と多めだが、ここでラーミアを場に出して、6枚のオーブカードをデッキに加える!
ピオラこそ引けないものの、リデ選手のデッキの残り枚数は6枚。ここで邪悪な祈りを使い、2枚のカードをドローする。やっとピオラを引き、やまびこのさとりと組み合わせてドルマゲスのコストを9、ラーミアのコストを1に下げて、ラーミアを使用。リデ選手のデッキにも6枚のオーブカードが加わった。
この段階で、リデ選手のデッキの残り枚数が9枚、あ選手が19枚と、リデ選手が圧倒的有利になったと思えたのだが……。
あ選手は、リデ選手がラーミアを使うことを待っていたかのように、溜め込んでいたまほうの小ビンを大量に消費! リデ選手にまほうの小ビンのカードを大量に送りつけ、リデ選手の手札を10枚にしてしまう。
もし、つぎのターンでリデ選手がオーブをドローすると、手札に持ち切れずに消滅するため、オーブを6個集めることが不可能となる。つまり、敗北が確定してしまうというわけだ。つぎのリデ選手のドローカードに、会場中の注目が集まる。
そして、リデ選手が引いたカードは……なんとブルーオーブ! この瞬間、リデ選手のラーミアは復活が不可能になり、勝ち筋は完全に消えてしまった。
リデ選手に残された手は、あ選手のオーブカードも消滅させてしまうほかにない。しかし、あ選手は手札を4枚まで減らしているので対策は万全。結果、あ選手の手札を10枚にすることはできなかった。
あ選手のターンとなり、ここでドルマゲスを投入。すべての特技カードのコストをマイナス5にして、大量のドローカードを駆使。オーブをすべて集め切り、ついにラーミアが復活する! 劇的な復活シーンとともに、あ選手がマスターズカップの頂点へと登り詰めたことが決まった。
熱戦を終えた4名の選手に観客から大きな拍手が贈られるなかで始まった表彰式では、4名の選手にそれぞれ賞金と副賞が、二木達博プロデューサーと青山公士プロデューサーから贈呈される。
最後に、公式全国大会の“勇者杯2019秋”の予選が2019年9月19日よりエントリーが始まること、“勇者杯2019夏”で“伝説のカード”に選ばれた勇者姫アンルシアのカードが、2019年9月27日に配布されることが発表された。
3ヵ月ペースで開催されている“勇者杯”と異なり、今回は東京ゲームショウという場での特別な大会。それにふさわしい熱戦の模様は、くり返しになるが、OPERNREC.tv『DQR』公式チャンネル内のコチラでアーカイブ視聴ができる。
今回の試合を見ればわかるように、『DQR』は『DQ』シリーズから多数のキャラクターやモンスターたちが登場する、にぎやかなカードゲームであり、見ているだけでも楽しめる内容だ。お互いの読み合いだけでなく、ドラマチックな展開も起こり得るのが『DQR』の魅力。
2019年8月から第8弾カードパック『一攫千金!カジノパラダイス』が配信されており、新たな局面を迎えている。マスターズカップを観覧して興味を持ったなら、伝説のカードである勇者姫アンルシアがもらえるこのタイミングで始めてみてはいかがだろうか?
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