見城こうじ氏が手掛ける話題のハイスピードバトルアリーナをTGSの会場でいち早く体験!

 『カスタムロボ』の開発者として知られている見城こうじ氏がディレクターを務め、ゲーム開発会社サウザンドゲームズの手により制作が進められているオンライン対戦シューティングバトルゲーム『シナプティック・ドライブ』。

 先日、禹諾国際のゲームパブリッシングブランド“YUNUO GAMES”がパブリッシャーとしてニンテンドースイッチとPC(Steam)に向けて発売されることが発表されたが、“YUNUO GAMES”は2019年9月12日〜15日の期間、千葉・幕張メッセで開催されていた東京ゲームショウ2019に自社ブースを出展し、同作の試遊台を用意。

 電脳空間ステージ上で多種多様なパーツをカスタマイズして、個性的なキャラクターどうしの対戦を楽しめるという、スピード感と爽快感溢れる要素が満載の同作をゲームショウ会場でプレイする機会が得られたので、ブースの様子とともにプレイリポートを紹介していこう。

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『シナプティック・ドライブ』見城こうじ氏が手掛ける新作ACTがTGSに登場! 電脳が痺れるハイスピード対戦バトルゲームの試遊リポートをお届け【TGS2019】_03
『シナプティック・ドライブ』見城こうじ氏が手掛ける新作ACTがTGSに登場! 電脳が痺れるハイスピード対戦バトルゲームの試遊リポートをお届け【TGS2019】_04
東京ゲームショウでプレイできたのは、シングルプレイで好きな装備を選んで自由に戦えるフリースタイルバトルと、1対1のバトルが楽しめるオフライン対戦の2種類。筆者はこのうち、シングルプレイに挑戦させてもらった。
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シングルプレイではフリースタイルバトルのほかに、“装備制限バトル”や“2vs2バトル”、“装備固定バトル”など、多彩なモードが用意されている状況が、モード選択画面からうかがうことができた。

 『カスタムロボ』と言えばその名の通り、多種多様なロボットとパーツ類を組み合わせて戦うというアクションRPGの人気シリーズ。今回紹介している『シナプティック・ドライブ』は、この『カスタムロボ』を手掛けた見城氏がディレクションしている新作ということと、その見た目の雰囲気から同タイプの作品と思っていたのだが、その考えは間違えではないものの、実際にプレイしてみると想像していたものとは異なる印象を受けた。

 個性的な登場キャラクターに多数用意された武器を組み合わせるといった、カスタマイズ要素溢れる作品には違いないものの、それらは『シナプティック・ドライブ』を楽しむためのエッセンスのひとつでしかなく、本作の肝はなんと言ってもバトルアリーナと称される電脳空間での“ハイスピード対戦バトル”(=対戦の駆け引きと立ち回りによる爽快感)にある。

 3D空間でのバトルに加えて豊富なパーツを駆使したキャラクターカスタマイズという要素があるため、一見すると難しく構えてしまいそうなところではあるが、実際のところは対戦に特化したタイトルとして仕上げられているためか、思った以上にシンプルな作品となっており、純粋な駆け引きや相手のタイプや地形を見極めて戦いかたを組み立てていく戦略性、1試合のプレイ時間の長さとプレイ後の爽快感といった雰囲気からは、古来より連綿と受け継がれてきた2D的対戦格闘ゲームに近いフィーリングが感じられる。

『シナプティック・ドライブ』見城こうじ氏が手掛ける新作ACTがTGSに登場! 電脳が痺れるハイスピード対戦バトルゲームの試遊リポートをお届け【TGS2019】_25
バトル前のキャラクターセレクト画面。キャラクターの横に表示されている6つの項目をプレイヤーが任意に選択・変更していくことで、さまざまなカスタマイズを施すことが可能。いちばん上はキャラクター、2番目はガン、3番目はワイヤー、4番目はトラッカー、5番目と6番目は能力を付加するチップとなっている。

 と、感覚的なことを長く語っていてもゲームの内容が伝わりにくいと思うので、いったんは『シナプティック・ドライブ』の内容を簡単に紹介していこう。

 本作は、個性豊かなキャラクターたちに複数用意された武器や、“ワイヤー”と“トラッカー”と呼ばれる、ある種アシスト的な役目を果たしてくれる武器が用意されている。基本的のこれらの3種類の武器を駆使して、バトルが行われていく。

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ガン
右手に装着する、基本的な武器。ワイヤーやトラッカーに比べて速射性に優れているので、攻撃手段の中心的役割を担う。
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ワイヤー
発射後に起動を操作できるホーミング性を持った武器。敵の逃げる方向に向かわせるなどでき、攻撃の幅を広げてくれる。
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トラッカー
キャラクターとは別に行動するタイプの武器。普段は収納されており、使用時に出現。その場に留まったり、キャラクターに追従するなど、さまざまな種類が存在している。

 バトルをくり広げることになるフィールドは3Dで描かれながらも、プレイビューは俯瞰的な第三者視点を採用しており、また基本的に自動で敵をエイムしてくれるため、方向がわからなくなるといった操作面で苦労することはないはずだ。

 攻撃方法は、通常攻撃にあたる“ガン”(チャージあり)と、前述のトラッカー、ワイヤー攻撃に、近接攻撃という4種類が基本。また、これらとは別にゲージが溜まることでくり出すことができる必殺技とも言うべき“アルティメット技”も用意されている。

 移動は左スティックに対応した平面上の動きに、ジャンプとダッシュを用意。これらの操作を組み合わせながらCPUもしくは対人相手に対戦することになる。プレイ時は最初に使用キャラクターを選び、その後に使用するガン、トラッカー、ワイヤーを選択し、試合に挑むことになる。

 キャラクターは見た目が違うのはもちろんだが、それぞれ移動速度や耐久値といった基本ステータスが異なっており、またアルティメット技もそれぞれに違うものが用意されている。しかし、ガン、トラッカー、ワイヤーに関しては、どのキャラクターであっても選択が自由となっている。つまり、重量級(動きが遅いが耐久力あり)と、軽量級(動きは早いが、耐久力なし)といったまったくタイプが異なるキャラクターが、同じ武器を持って戦いに挑むといったシチュエーションも発生させられる。

 ちなみに、今回の東京ゲームショウ試遊で使用できたキャラクターは、以下の6人。

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左文字
最高性能の移動速度で敵を翻弄できるボディ。ダッシュ、特殊アクションはできず、耐久値も低いが機動力、移動速度はピカイチ。
ランベルト
移動速度、耐久力のバランスに優れたボディ。どんなフィールドでも能力を発揮しやすい、万能タイプといえる。
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ミラベル
移動速度に優れ、空中ダッシュ時は姿を消すことができるなど、奇襲攻撃やヒット&アウェイ戦法に長けている。
パトリック
通常の移動速度は遅いものの、地上ダッシュでのゲージの減りが少ない。DASHゲージの管理が、勝負の肝になる。
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クラウン
移動速度、耐久値ともに心許ないが、地上ダッシュ時は姿を消せたり、多段ジャンプが繰り出せるなど、トリッキーな動きを信条としている。
レックス
見た目通りの打たれ強さを備えつつ、見た目に違わずまずまずの移動速度を持っている重量級ボディ。

 普段格闘ゲームを遊ぶ場合は、キャラクターごとに技が異なるためキャラ変えをする場合は各キャラごとのコマンドを覚える必要があったのだが、本作では攻撃操作はキャラクターごとの違いはなく、基本的に同一のものとなっている。さらに同じ武器セットを使用しさえすれば基本的に同じ感覚での攻撃を行うことができる。これは非常におもしろい要素で、ある程度自分の好みの武器セットを見つけておけば、通常の格闘ゲームよりも容易にキャラクターチェンジを楽しむことができるというわけだ。

 今回プレイしたフィールドは、銃撃などを遮るウォールが用意されたステージ。このフィールド上をめまぐるしく移動しながら敵と対峙することになる。画面上部中央のタイマーと、その両サイドにあるHPゲージは、いわゆる一般的な格ゲーとほぼ同じ。HPゲージの両サイドにある丸状のゲージが、アルティメットゲージとなる。HPゲージの下には、攻撃を受けることで溜まっていき、一杯になるとダウンする“DOWNゲージ”も設けられている(DOWNゲージは、一定時間で回復していく)。

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 ちなみに製品版ではさまざまな地形に多彩な仕掛けが施されたステージも登場するとのことで、さらに戦略の幅が広がることが期待される。

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 また、キャラクターに隣接しているゲージは、ダッシュやジャンプ使用時に減少するもの。このゲージが尽きると、一定時間ダッシュ・ジャンプが行えなくなる。

 相手のDOWNゲージやダッシュゲージは、ここで攻め込むべきというバロメータにもなるので、とくに注意しておきたい部分になるのだが、対人線ではあえて相手に向かってこさせたところを狙い撃ちする……といった駆け引きも発生することが考えられる。

 積極的に攻撃を仕掛ける、引いて守りつつカウンター狙い、相手の出方に合わせてバランスよく対峙する……など、キャラクターと武器の組み合わせによって、戦術は千差万別。最終的には知力・テクニックに勝るものが勝利を収めることになるという部分も、純粋な格闘ゲームに通じるものがあるだろう。

 ここまで試遊を通じて感じた点を長々と述べてきたが、本作はキャラクターと武器によるカスタマイズ要素の楽しさもあるものの、それよりも魅力的に感じたのは、バトル時の純粋な駆け引きと立ち回りに尽きる。

 製品版には100種類を超える武器が登場するそうなので、単純に計算しても武器数×キャラクター数分のバリエーションが考えられることになる。さらに言えば、まったく同じキャラクターと武器セットであっても、使い手(プレイヤー)によって戦いかたは異なってくるはず。

 そんな、相手の攻撃パターンが予測できない状況下に臨機応変に対応しながら立ち回れるのか。そんな駆け引きが楽しめるのは、『シナプティック・ドライブ』の最大の魅力ではないだろうか。

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 冒頭で、前もって思っていた印象とプレイ後の印象が違っていたと書かせてもらったが、それはいい意味で期待を裏切られたものであった。

 キャラクター×武器の組み合わせによるカスタマイズ、それによって生まれる戦略性といった奥深さを持ちつつも、しかしじつは駆け引きと立ち回りが重要ながらもシンプルなバトルが楽しめるなど、複雑さを味わえるのにシンプルという相反する要素を、本作は内包しているのだ。

 これだけでも十分魅力的に感じられるところだが、キャラクターデザインをタナカケンゴ氏・寺田克也氏・仲井さとし氏など、豪華クリエイター陣が手掛けている点も、本作の魅力をさらに高めてくれている。

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著名クリエイターたちが手掛ける個性豊かなキャラクターたちも本作の魅力のひとつ。上記画像にはいないが、個人的には移動速度、耐久値ともに頼りないものの、トリッキーな動きと見た目でインパクトを与えてくれる道化師、クラウンがお気に入り。

 『シナプティック・ドライブ』は、ニンテンドースイッチとPC(Steam)で全世界に向けての発売が予定されているが、それぞれのプラットフォームの垣根を越えて対戦ができるクロスプラットフォームにも対応しているとのこと。

 発売日などの続報については今回の東京ゲームショウ2019で発表されることはなかったが、こちらは情報が入り次第、ファミ通.comでお伝えする。

SYNAPTIC DRIVE(シナプティック・ドライブ)
開発:サウザンドゲームズ
発売: YUNUO GAMES
対応端末: ニンテンドースイッチ、PC(Steam)
ジャンル:オンライン対戦シューティングバトル
配信日・価格: 未定

(C) YUNUO GAMES All Rights Reserved.
Developed by Kouji Kenjou / Thousand Games

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TGS2019の“YUNUO GAMES”ブースはまるでバトルアリーナのような雰囲気で、ニンテンドースイッチとSteam版の試遊台を複数台用意。ブース外の巨大スクリーンにはバトルの様子がつねに映し出されていたほか、中央には電脳空間を思わせるかのような、さまざまな情報が映し出されるスクエア状のオブジェが配置されていた。

『47 HEROINES』の衣装を身にまとったコスプレイヤーたちがブースを彩る

 “YUNUO GAMES”ブースでは、49名の声優と47名のイラストレーターが描くフルボイス3DシミュレーションRPG『47 HEROINES』の最新コンテンツ情報も同時に展示。

 こちらは、話題のバーチャルシンガー花譜が歌う新作ミュージックビデオの公開や、ゴジラとのコラボイベントの案内などが掲出されていたほか、同作の衣装をまとったコスプレイヤーたちも華やかにブースを彩り、来場者たちを出迎えてくれていた。

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『47 HEROINES』に登場するキャラクターたちのコスプレイヤーの皆さん。左から高岡多恵、若松舎人、江戸若葉、在間恵理、井口夏美、佐嘉未央。
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江戸若葉
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佐嘉未央
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高岡多恵
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井口夏美