VRはこれからどうなる……? MyDearest新作発表も!!

 2019年9月12日から9月15日まで、千葉の幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2019(12日、13日はビジネスデイ)。

 一般公開日の1日目となる9月14日(土)、メインステージでは『東京クロノス』の新規プロジェクト発表会が行われた。

 ステージには総合プロデューサーの岸上健人氏と桃野夕役を演じた声優の木戸衣吹さんが登場。さらにイベント前半は、週刊ファミ通編集長の林克彦と、Mogura VR編集長の久保田瞬氏、『楽園追放 -Expelled From Paradise-』ではモーション監督を務め、『東京クロノス』で監督を務めた柏倉晴樹氏をゲストに迎え、過去、現在、未来のVR事情に関するパネルトークもくり広げられた。

総合プロデューサーの岸上健人氏と桃野夕役を演じた声優の木戸衣吹さん。

2019年はVRゲーム元年になり得るか!?

 まずはステージ上のモニターに藍井エイルさんが登場。ビデオメッセージの後、藍井さんが担当した本作のオープニングテーマ「UNLIMITED」が流された。

藍井エイルさん。

 その後、ステージ上へ出演者が登壇。MCを担当するのは、岸上氏と木戸さん。さらに林編集長と久保田氏、柏倉監督が呼びこまれ、さっそくトークコーナーへ。

 なお、同じく登壇予定だったプロデューサーの三木一馬氏は、なんと同じくプロデュースを行っている『ソードアート・オンライン』(以下、『SAO』)のステージに出演中とのことで、遅れてやってくることが明かされ、会場の笑いを誘った。

 さて、最初のトークテーマは“2019年はVRゲーム元年か?”。VR元年と言われた2016年から早3年、VRゲームの現状はどうなっているのか議論が行われた。

 まだまだビジネスとして成り立たせるのは難しいと切り込んだのは林編集長。そもそもハードウェアが十分に普及しておらず、インディーゲームは増えているもののメーカーは手を出しづらい状況にあると指摘する。

 これを打開するためには、価格を抑えたり店頭での販売を行ったりすることで購入のハードルを下げなければいけないと語った。

 久保田氏は、2016年にはVR業界に対して過度な期待がされていたと語る。どのプラットフォームが伸びるのかといった議論がなされていたが、期待ほど大きくは伸びなかった。そのため、『東京クロノス』を筆頭に、現在は主要なVRハードにはなるべく多く対応させ、より多くの人たちに触れてもらえるようにしている傾向が見られるという。

 そのタイミングでOculus Questのように良質な新ハードが出てきているため、新たにVRに入りやすい環境になっているのでは、と考察。母数が増えれば、既存のタイトルもこれからさらに売れていく可能性があると語った。

週刊ファミ通編集長・林克彦(写真左)。Mogura VR編集長・久保田瞬氏(写真右)。

 続けて、VRゲームとは切っても切れない“酔い”の話題に。自身はかなり酔いやすいと語る林編集長も、『東京クロノス』は移動がないこともあり、「まったく酔わなかった」とのこと。しかし、柏倉監督によると、開発当社は酔うことがあったのだという。

柏倉晴樹監督。

 その原因は、後方にいるキャラクターと前方に表示されるテキストを交互に見ることで、目が疲れて気分が悪くなるのだそう。そこで、本作ではキャラクターのスケールを調整し、テキストとキャラクターを両方とも、画面の奥に置いているのだという。これによって視線を遠近に切り換える必要がなくなるため、長時間のプレイが可能になっていると語った。

 と、ここで、遅れていた三木氏が登場! そして流れるようなフォームで土下座。遅刻について謝罪した。

 ここからは、“『東京クロノス』の可能性と課題”をテーマにトークが進行。同作をクリアーするまでプレイしたという林編集長は、「正統派のアドベンチャーゲームで、シナリオやキャラクターもいまの時代に即していている」と高く評価した。その一方で、「もっとVRを使ったギミックがほしかった」ともコメント。360度見渡せるグラフィックを贅沢に使った仕掛けがもっとあれば、よりVRならではの特別感を感じられただろうと語った。

 これに対して柏倉監督は「まったくその通り」と認めたうえで、今後の課題について語る。いわく、本作はVRゲームで物語を伝えることを主目的として開発がスタートしており、その結果としてビジュアルノベルのような読書体験に行きついたという。

 ここからさらに1歩踏み込むために、キャラクターとプレイヤーの心が一体化するようなゲーム性を突き詰めていきたいと、貪欲な開発意欲を見せてくれた。

 さらに話題が“2022年のVRゲームはどうなっている?”に移ると、三木氏が「(『SAO』作中にて)ナーヴギアが発売される年なので、実際に発売されていると思います」と断言。会場からは笑いが起こる。

 これが笑いごとではないかもとしたのが久保田氏だ。3年前は、Oculus Questのような良質なハードが約5万円で発売されるなんて誰も思わなかっただろうと指摘。それくらいハードウェアの進化はすさまじいスピードで起こっていて、これから3年も経てばまた皆を驚かせるようなことが起こるのではないかと期待を寄せた。

 続けて三木氏も「既存の大型IPがVRゲームになることはいまでもあるが、VRゲームから有名IPが誕生してほしい」と願望を語る。さらに、「『東京クロノス』がそのパイオニアになってくれたら」と続けた。

 さらに岸上氏が「3年後にはアクティブユーザーが1000万人を超える市場になっている」と確信めいた口調で語ったところで、ゴングの鐘が鳴り響き、トークパートは終了の時間となった。

三木一馬氏。

 ここまで聞き役に徹していた木戸さんは業界人たちの深いトークにはついていけなかった様子だったが、「時代は進化しているんだなと思いました。楽しみです」と、なんとかまとめてくれた。

“クロノスシリーズ”最新作“PROJECT MEGALiTH(プロジェクト メガリス)”が発表! 2020年に発売予定

 トークパートが終了すると、再びステージ上のモニターに注目が集められ、今度は本作のエンディングテーマ「Mirage」および挿入歌「光芒」を歌うASCAさんが登場。「これから『東京クロノス』の新プロジェクトが発表されるようですよ。お楽しみに!」と期待を煽るコメントを残す。

ASCAさん。

 そしてようやく、新プロジェクトの発表に。

 まずは、『東京クロノス』の映像化が決定。これは、テレビアニメや劇場版ということではなく、挑戦的な座組になると岸上氏から説明があった。さらに柏倉監督が、まだ絵コンテの状態ながら映像を公開してくれた。

 これには会場だけでなくステージ上の三木氏も驚き「コンテまで発表しちゃって、もう後戻りできないぞ?」と心配を口にする。さらに「またクラウドファンディングをするの?」と尋ねたが、岸上氏からは「まだわからない」との回答だった。さらなる詳細は近日公開とのことなので、続報に期待したい。

 続けてコミカライズ化と、紀伊国屋書店西部渋谷店と渋谷マルイにて特設ブースが出展されることが明かされ、発表は以上となった。

 ……もちろんファンとしてもうれしい内容だが、期待させたわりには、いささか物足りないと言わざるを得ない。会場にもそんな雰囲気が漂っていたが、岸上氏は立ち上がり、締めのコメントを話し始める。

 と、そのとき! 突如ステージの照明が落とされ、壮大なBGMが鳴り出したではないか。そして柏倉監督から、“クロノスシリーズ”の最新作“PROJECT MEGALiTH(プロジェクト メガリス)”が発表された。

 『東京クロノス』から数百年後の世界を描いた物語で、発売は2020年内を予定しているとのこと。まさかのサプライズ演出に、会場は大いに沸きあがった。

PROJECT MEGALiTH(仮題)概要

  • プレイ人数:ひとり
  • 発売・販売:MyDearest Inc.
  • 監督・原案:柏倉晴樹
  • キャラクターデザイン:LAM

 これをもって、今度こそ発表は終了。出演者からそれぞれ挨拶をいただき、イベントもお開きとなった。

 新プロジェクトについて、柏倉監督は「『東京クロノス』に続き、VRゲームの歴史に改めて挑戦するゲームになるでしょう」と胸を張った。さらに岸上氏も「僕たちは日本のVRマーケットの代表として世界と戦っていきたいと思います」と力強く宣言してくれた。今後どのように展開されていくのか、引き続き目が離せない。

 今回、林編集長からイベントの様子を撮影しておいてほしいと言われていたため、“PROJECT MEGALiTH”発表の瞬間を押さえることができた。そのサプライズの瞬間を特別に公開!!

【新作発表】『東京クロノス』のMyDearestがTGS2019で新作“PROJECT MEGALiTH(プロジェクト メガリス)”発表の瞬間!【TGS2019】