任天堂より、2019年7月10日配信予定のスマートフォン用アプリ『ドクターマリオ ワールド』。

 同作は、任天堂が1990年にファミリーコンピュータとゲームボーイで発売したパズルゲーム『ドクターマリオ』をベースした、新しいアクションパズルゲームとなっている。配信プラットフォームは、AppStore、Google Play。価格はダウンロード無料(一部有料コンテンツあり)。

 そんな同作を配信前にプレイさせていただいたので、レビューをお届けする。

これまでのドクターマリオとの違いは?

 上述の通り、本作は『ドクターマリオ』を“ベースにした”新しいアクションパズルゲームとなっている。カプセルを操作して、ウイルスを消していくという基本的な内容は同じだが、異なる点も多数存在する。まずはその点から解説していこう。

 1点目は、カプセルが上から下ではなく、下から上に落ちていくということ。ただし、これはゲーム性には大きく影響せず、見た目の変化という感じで、最初は少し戸惑うかもしれないが、すぐに慣れるので心配は無用だ。

 2点目は、タテかヨコ1列に同じ色のカプセルを、ウイルスも含めて3つ以上並べると消えるようになった。『ドクターマリオ』では、4つ以上並べる必要があったため、より簡単にカプセルやウイルスを消すことが可能。

 3点目は、半分になったカプセルを落下方向の逆(『ドクターマリオ ワールド』の場合は下)以外の3方向に動かせるようになった。これは『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』に収録されたり、ダウンロードタイトルとしてWiiやWii Uで配信された『細菌撲滅』をプレイしたことのある人にはおなじみの要素だろう。そのまま真下に落下してしまう、これまでの『ドクターマリオ』とは違い、自由に動かせることで、半分になったカプセルをうまく操作できれば、より効率的にウイルスを消していける。

 4点目は、カプセルを移動させる際に、ほかのカプセルやウイルスなどを貫通して移動させることができるようになった。これがかなり便利で、これまではタテにした状態で入れたい場所まで移動させてから、ヨコに回転させて入れていたようなすきまでも、本作では、カプセルをタップし続けたまま、置きたい場所までスライドするだけでオーケー。ただし、当然ながらひとつ分のすきましかない場所に、通常のカプセル(ふたつが繋がった状態)を入れることはできないので、注意が必要。

通常のカプセルだと右にある赤色のウイルスの横に並べるように移動できるが……。
左の青のウイルスの横には、スペースが足りず移動できない。もし、この青が半分のカプセルだとしたら移動可能。

 5点目は、一部のステージを除き、ステージ中に使用できるカプセルの数が有限に。これがもっとも大きな変更点と言えるだろう。『ドクターマリオ』では、カプセルの数に制限はなく、最上段までカプセルやウイルスを積み上げてしまうとゲームオーバーとなっていた。しかし、本作ではその条件に加えて、限られたカプセル数でウイルスを全滅する必要がある。

カプセルの数が0になってしまってもゲームオーバー。

実際にプレイしてみた

 ここまで、『ドクターマリオ』との違いを紹介してきたが、ここからは実際にプレイしてみた感想をお届け。

 まず、本作のメインモードはステージクリアー型となっており、各ステージに挑戦するには、ハートをひとつ消費する。ハートは最大5個までストック可能で、時間経過で回復するほか、ステージの初回クリアー時に入手できる。また、今回プレイさせていただいた環境では試すことができなかったのだが、フレンドとハートを送り合う機能も存在するようだ。さらに、ゲーム内アイテムのダイヤモンドを消費することで、60分間ハートを無制限に使えるモードも用意されているので、一気に遊びたいときは活用するといいだろう。

登場するステージ数は、サービス開始時点で5ワールド200ステージ以上。さらに、今後アップデートによる、ワールドの追加も予定されている。

 実際にステージをプレイしてみると、やはり同じ色のカプセルやウイルスが3つで消えるようになったり、カプセル(半分になったものも含めて)の移動の選択肢が増えたことで、かなりウイルスは消しやすくなったように感じた。しかし、ステージ中に使用できるカプセルの数が限られているため、ムダをなくして、効率よくウイルスを消していく必要がある。

ウイルスやカプセルを7回消すと登場する“レインボーカプセル”は、どの色のウイルスでも消すことが可能。

 ステージの挑戦前やステージプレイ中には、コインやダイヤモンドを消費してアイテムを使用可能。アイテムには、使えるカプセルの数を増やしたり、好きな場所を1箇所壊せるものなど、どれも攻略を手助けしてくれるものばかりなので、何度挑戦してもクリアーできないときは、使ってみるのもあり。

ステージのクリアーに失敗しても、1プレイ中に1回だけ、ダイヤモンドを消費して、その状態から再開できる機能も。
ステージに何度も挑戦していると、キノピオがボーナスアイテムをプレゼントしてくれるお助け要素も存在。

 各ステージには多彩な仕掛けが用意されている。ヨコ1列のカプセルやウイルスを消してくれる“こうら”、周囲を爆発に巻き込む“爆弾”などなど。また、隠されたコインをすべて見つけることがクリアー条件になっているステージも存在し、ウイルスを全滅させるときとは違った戦略を考えるのが楽しい。

隠されたコインを見つけるステージ。ブロックに隣接した状態でカプセルやウイルスを消すと、ブロックの中のコインをゲットできる。

 そして、ステージを攻略するうえで重要となるのがキャラクターだ。キャラクターは、“ドクター”と“サポート”の2種類存在する。ドクターはメインとなるキャラクターで、カプセルやウイルスを消すことで溜まるゲージを消費して使用する“スキル”のほか、VSモード(※VSモードの詳細は後述)の能力が異なる。対して、サポートはその名の通り、ドクターをさまざまな効果で支援してくれるキャラクター。どちらも“スカウト”で入手できるので、積極的に活用していくのがオススメだ。

ドクターマリオのスキルは、一番下の横1段を消すことができる。

 ドクターは、ゲームをある程度まで進めると、ドクターマリオ、ドクタークッパ、ドクターピーチの3キャラクターの中から1キャラクターを選択して獲得できる。ただし、あとから変更はできないので慎重に選ぼう(スカウトから選んでいないキャラクターが登場することはある)。

やり応えバツグンのチャレンジ&スペシャルステージ

 チャレンジステージは、ほかのステージとはルールが異なり、カプセルの数が無制限になる代わりに、制限時間が存在する。カプセルの数を気にせず、つぎつぎとカプセルを投入できるのは、ほかのステージとは違った楽しさがある。クリアーすることで報酬を獲得できるので、ぜひ挑戦してみよう。

 1ワールド中のステージをすべて★★★の評価でクリアーすると、スペシャルステージに挑戦できる。スペシャルステージは、説明に“アイテムを駆使して、クリアをめざそう”と書かれている通り、かなりの高難度コースでやり応えバツグン。ちなみに筆者は、ワールド1でほとんど詰まることなく、すべてのステージで★★★を獲得できたので、あえてアイテムなしで挑んでみたのだが、クリアーするまでに30分以上掛かってしまった。以下にクリアー時の動画を掲載しているので、興味がある人はチェックしてみてほしい。

白熱のVSモード

 本作には、VS(対戦)モードが搭載されている。フレンド以外にも、全国のプレイヤーとも対戦可能。カプセルの数は無制限となっており、ウイルスを消すことでアタックゲージが溜まっていき、満タンになると攻撃として相手にウイルスを送りつけることができる。そして、相手に最下段までカプセルやウイルスを積み上げさせることができれば勝利となる。

 各ドクターには、攻撃力(攻撃力が高いほど多くのウイルスを相手に送ることができるが、アタックゲージが溜まり辛い)や防御力(相手に攻撃されたときに防御できる確率)が異なる。また、2体までさまざまな効果を持つサポートキャラクターを設定できるので、どのドクターやサポートを選ぶのかも重要となる。

VSモードはリーグ制となっており、勝敗に応じて変動していく。上位のリーグにいるほど、豪華な報酬がもらえるようになっている。

 『ドクターマリオ』をベースにしつつ、新たな要素を多数取り入れた本作。ジャンルがアクションパズルとなったことにより、アクション性が増しているが、パズルゲームとしてのおもしろさも損なわれていない。たとえば、カプセルの数に制限があるものの、自分で操作しない限りはつぎのカプセルが落下していくというようなことはないので、じっくり考えることができるという点。時間が無制限なので、カプセルを落下させる前に何度も何度も脳内シミュレーションをして、そのイメージ通りの完璧な動きができたときは、計画が実現したパズルゲームとしての達成感と、うまく操作ができたアクションゲームとしての爽快感の両方を一気に味わうことができる。また、1プレイが短時間なため、ちょっとした空き時間でも十分に楽しめるのも、うれしいポイントだと感じた。

 本作は無料でダウンロードできるので、『ドクターマリオ』を遊んだことがある人も、そうでない人も、興味を持ったなら、まずはプレイしてみてほしい。