ソニー・インタラクティブエンタテインメントより発売中のプレイステーション VR用ソフト『イモータル・レガシー 不滅の禍』。本作は、VRで手に汗握るアクションが体験できるのが特徴のVRホラーシューティングアドベンチャーゲームだ。
本記事では、アクションアドベンチャーは大好きだが、ホラーは苦手な編集者によるプレイレビューをお届けする。
※本記事内には、CERO:Z(18才以上のみ対象)に該当する表現は含まれません。
PS VRで体験できるアクション×サスペンスホラー
まず、ゲーム内容について簡単に説明すると、2本のPlayStation Moveモーションコントローラーを使用して実際に自分が銃やナイフで敵を攻撃したり、パズルを解いたりする動作を直感的に操作できるゲーム。アクション、パズル、サスペンスホラーといった要素がバランスよく盛り込まれており、さまざまな要素が一度に楽しめるようになっている。
母が暗殺された理由を探るため謎の島へ
特殊部隊の軍人である主人公・タイヤは、自身の母が暗殺された理由を解明するため、母の古い友人だという女性・クシャナとともに謎の島へと降り立つ。そうそうに彼女とはぐれてしまうが、龍を探しに来たという自称ネットで有名人のクッキーパイに出会ったり、何かを探しに来た傭兵部隊も登場する。
本作では、主人公の両腕をそれぞれ操作できる。武器の種類は10種類以上あり、種類によっては異なる武器を両手に装備して戦闘することもできるのだ。状況によって適した武器を使い分けることが攻略において重要なポイントとなる。
地形やモノをうまく使えば敵を一網打尽に
グレネードなどの爆発物や、地形を活かして攻撃すると敵を一掃できる。橋を支えるロープを切って、敵ごと奈落の底へ落とす、なんてことが可能だ。
地下トンネルの探索がリアルで楽しい
物語が進むと、舞台は島の地下にある暗い地下トンネルへ。雰囲気たっぷりで、暗い場所では道中で見つけたライトで道をかざしながら進む。個人的に、一番没入感が感じられて楽しかったのはこの探索だ。ライトを自分で動かしながら進み、気になったところを照らすという流れが、本当に探索しているようで興奮! そして、同じくらい、何か出てくるのではないかという恐怖もすごかった。
狭い道では、急に何かが飛び掛かって来やしないかと終始びくびくしながら薄目で進んだ。開けた場所も赤いランプが点灯していたり、おぞましい雰囲気が漂っていたり……。このあたりはもう、10分プレイごとに5分休憩というサイクルでどうにか精神を落ち着けつつ……という感じに。
VRで恐怖も倍増
敵には、“ズールー”と呼ばれるものや、黒い羽虫?のようなもので形成されたものなど、さまざまな種類が登場する。本作ではVRでのプレイにより、いままで体験してきたホラーゲームとはくらべものにならない恐怖を体感できた。なかでも、目前まで敵が迫ってきたときの感覚は忘れられないし、プレイ後には夢にも出てきた。
こちらを見つけるとすぐさま襲い掛かってくる敵に、リロードを忘れて夢中で銃を撃つ場面(弾は出ないが)が何度も発生。そしてライトを動かすのも忘れて敵が見えなくなり、さらに恐怖が襲うという恐怖の循環……。私がおっちょこちょいなだけで、さすがに開発側でそこまで計算していないだろうが(たぶん)、個人的にはホラーの要素が要素の中でひときわ目立っていたように感じる。
簡単なパズルから生死を分ける仕掛けまで
レポートや手紙、音声記録など、さまざまなアイテムの収集要素も楽しめる。物語の進行に直接関係はないものの、この島に隠された謎を解く重要なアイテムばかりなので、興味がある人は集めてみるのもいいだろう。
ロックのかかった扉を開くためにパスワードが必要だったり、記号の描かれたアイテムを石像の穴にはめ込んだり。中には、タイミングよく進まないと即死するような仕掛けもあり、ゲームで死への恐怖をこれほど感じられるものかと感嘆。
謎解きはとても好きで期待していたが、ほかの要素と組み合わさり、なおかつVRの直感的なプレイで完成度は高かったように思う。難易度もさほど高くないので、落ち着いていれば時間をかけずに解けるはず。
直感的な操作でさまざまな要素が盛り込まれた一本
アクション、シューティング、パズル、サバイバルホラーと、要素が盛りだくさんで、期待しつつ、どうまとめられているかという不安もあったが、プレイしてみると心配は杞憂だった。どの要素もきちんと入っており、互いに邪魔していない。物語前半はアクションやシューティングがメインで、後半は一気にホラー要素が強まるといった感じだ。恐怖で先へ進まない(進めない)私は後半で時間がかかったが、さくさく進めるテンポのいいゲームだろう。
いろいろな要素が組み合わさった本作。島を探索したい、恐怖を感じたい人でも、単純に気になった人でも、ぜひ遊んでみてほしい。