2019年6月1日、2日の2日間、日本最大のインディーゲームイベントBitSummit 7 Spiritsが京都みやこめっせで開催された。イベントの締めくくりとして毎年恒例となっている、出展タイトルの中から部門ごとに表彰を行う“7th Annual BitSummit Award Ceremony”が行われた。
本稿ではその受賞タイトルをお届けする。
100以上の出展タイトルの中から選ばれた作品たちは……!
まずは、メディアパートナーアワード”として、6社のメディアが選定したタイトルが紹介された。結果は以下の通りだ。
メディアパートナーアワード
【ファミ通.com賞】
受賞作品:『RPGタイム! ~ライトの伝説~』
開発:DESKWORKS
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
【電撃PlayStation賞】
受賞作品:『Wattam』
開発:Funomena
【Game*Spark賞】
受賞作品:『Phantom Brigade』
開発:Brace Yourself Games
【ガジェット通信賞】
受賞作品:『OUTRIDER MAKO ~露払いマコの見習い帖~』
開発:asamadogames
【IGN Japan賞】
受賞作品:『ファイアーガール』
開発:Dejima
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
【4Gamer.net賞】
受賞作品:『Star Renegades』
開発:Massive Damage
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
そして、選考委員会による受賞作の発表へ。最初に発表されたのは今年から実施された学生向けゲームジャムの作品の中から選ばれる“BitSummit Game Jam Award”。同賞は、京都の大学6校の学生が、シャッフルされて即席で8つのチームを作り、“渾然一体”をテーマにゲームを制作。その中から受賞作品を選定するというもので、受賞した学生たちは喜びを爆発させていた。
そして、いよいよ各賞の発表が行われた。
革新的反骨心賞
技術、アイデアなど革新的な作品に贈られる賞
受賞作品:『Symbio』
開発:Jesper Bergman, Hangning Zhang, Kaijun Wang, Kristina Stiskaite, Alexander Sinn, Merve Metinkol
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
ビジュアルデザイン最優秀賞
優秀なビジュアルの作品に贈られる賞
受賞作品:『39 Days to Mars』
開発:It’s Anecdotal
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
オーディオ・デザイン最優秀賞
優秀なサウンドの作品に贈られる賞
受賞作品:『NO STRAIGHT ROADS(ノー・ストレート・ロード)』
開発:METRONOMIK
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
ゲーム・デザイン最優秀賞
優秀なゲームデザインの作品に贈られる賞
受賞作品:『The MISSING-J.J.マクフィールドと追憶島-』
開発:White Owls
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
インターナショナルアワード賞
海外からの作品の中で優秀な作品に贈られる賞
受賞作品:『MΦrkredd』
開発:Hyper Games
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
ポピュラーセレクションアワード
来場者の投票数で決められる賞
受賞作品:『オバケイドロ!』
開発:フリースタイル
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
朱色賞(バーミリオンゲート賞)
BitSummit 7 Spiritsの中でもっとも優秀な作品に贈られる賞
受賞作品:『RPGタイム! ~ライトの伝説~』
開発:DESKWORKS
※BitSummit 7 Spirits公式サイト内紹介ページ
というわけで、アワードの最後に発表された大賞にあたる朱色賞(バーミリオンゲート賞)に輝いたのは、『RPGタイム! ~ライトの伝説~』となった。
選定の理由について、BitSummitの発起人でありクリエイティブ・ディレクターのジェームズ・ミルキー氏は「大賞を選定するときは毎年、委員会で熱い討論になるが、今年はとても簡単だった。間違いなく『RPGタイム! ~ライトの伝説~』はビジュアル面、ゲーム性ともに個性的で、多くの人の心を掴む作品だと思います。もちろんJRPGをとても愛している人たちが作っていることも伝わります」と称賛した。
壇上に上がった『RPGタイム! ~ライトの伝説~』を開発したDESKWORKSの藤井トム氏は「それまで一度も人に見てもらわずに作ってきて、昨年初めてBitSummitに出展しました。それからの1年は遊んでもらったときにどうしたらおもしろいと思ってもらえるかを考え続けた1年になりました。その結果、年齢や言語も関係なく楽しんでもらえるようなものになってきたので、そういったところがいただいた賞につながっているんだと思います」と感慨深けだった。
イベントの最後には、ミルキー氏から「いままでずっとこうすべきだったのですが、来年のBitSummitの開催が決定しています」と、つぎのBitSummitが2020年5月9日、10日に開催されることが発表された。これまで次回のBitSummitの開催決定発表は、開催半年くらい前が通例だっただけに、1年後の開催発表は、主催団体である日本インディペンデント・ゲーム協会(JIGA)のBitSummitを継続するという意欲の表れだと受け取れる。それだけ運営面が整備されてきたということも言えるのだろう。いずれにせよ、来年のBitSummitへの出展が、ゲーム開発に対するモチベーションになるクリエイターも多そうだ。