ソニー・インタラクティブエンタテインメントより、2019年5月30日発売予定のプレイステーション VR専用ソフト『ライアン・マークス リベンジミッション』。同作は、エリート特殊部隊員の主人公ライアン・マークスとなって、まるで大作アクション映画の中に入り込んだかのようなスリルと興奮を体験できる、VRシューティングアクションゲームだ。

 この度、発売に先駆けてプレイできたので、本作の魅力について紹介する。

動きにリアリティがあり過ぎる!

 本作の魅力のひとつは、何と言ってもリアルな撃ち合いだろう。ただ単に“VRだからリアル”なのではない。たとえば、記者がいちばん驚いたのは敵の動き。基本的に障害物に隠れて敵を撃ち、少しずつ倒しながら前に進んでいくシステムになっているのだが、敵もしっかり障害物を利用してくるのだ。

 それも、ただ隠れたり、撃ったりをくり返すだけではない。記者はVRシューティングゲームこそ初体験だったが、FPSやTPSゲーム自体はそれなりにプレイしている。敵が壁に隠れたのを見て、すぐさまその壁の横に狙いをつけた。それも、しっかりとヘッドショットを狙える位置だ。

 「出てきた瞬間に仕留めてやる……」と待ち構えていると、なんと敵がローリングしながら出てきたではないか! 完全にこちらの狙いを読まれていたのだ。虚を突かれたことで慌てて照準が定まらない記者にズカズカと撃ちまくってくる敵。そんな、まるで本物の人間を相手にしているかのような動きが前提としてあり、それをVRで体験するからこそリアリティを感じるのだ。

パッと見、手前の敵が無理やり突っ込んできているようにみえるが、画面奥の建物2階でフォローアップを行っている仲間がいる。

スムーズすぎるリロードに、にやけが止まらない

 操作性について特筆すべきは、銃のリロード動作。PCゲームやコンシューマーゲームではボタンひとつで行えるリロードだが、VRではそうもいかない。ただ、実際の銃の構造に準拠したリロード動作は、VRならではのおもしろさを引き出す反面、忠実に再現し過ぎると難易度が高くなってしまう問題もある。

 そんな中、2本のプレイステーション Moveを両手に持って操作できる本作(※)では、片方の手を胸にあるマガジンポーチに近づけることでマガジンを掴み、もう片方の手で持った銃のグリップ付近にマガジンを近づけることでリロードを行える。最初のうちこそ、目の前の敵に撃たれながら「えーと、胸のポーチからマガジンを出して……」なんてやっていた記者だが、30分もすれば敵から視線を外すことなくノールックでリロードを行えるようになった。

※本作はデュアルショック4(標準のコントローラ)でもプレイ可能

 マガジンを近づける位置はいい意味で適当でよく、何となく銃のグリップ部分に持っていけば後は自動でリロードしてくれる。シューティングゲームでは無限のように行われるであろう何気ない一連の動作だが、思わずにやけてしまうほど楽しいのだ。そういう意味で、本作は実際の動作に沿って体を動かすVRならではのおもしろさは残しつつ、ゲームとして面倒な部分は省かれており、VRシューティングゲームとしてひとつの完成形であると感じた。

銃を持っているままの手でもマガジンはつかめるので、ハンドガン2丁持ちでもスムーズにリロードできる。

映画館よりも映画を体験できる場所

 本作を語るうえで欠かせないのが、その圧倒的な臨場感だ。本作は主人公のライアンが取り調べを受けている場面から始まり、その供述をもとに過去を回想する形でゲームが進行していく。言ってしまえば、“よくあるパターン”だ。しかし、その中心に自分がいるというだけで、まったく別の景色が見られる。まさしく視点が違うのだから当然なのだが。

 こちらの目を見て質問を投げかけてくる取調官の姿は、とても“画面の向こう”なんて認識できる存在ではない。「何か心当たりはないか」と写真を見せてくれば、ついつい写真を手に取って、あるはずがない心当たりを真剣に考えてしまう。

こちらは後に登場するライアンの家族たち。上の画像の取調官もそうだが、これでもかと言わんばかりにこちらの目を見てしゃべってくれる。個人的に、妹のミシェルはこの画像で見る2倍、いや3倍かわいいとだけ言っておきたい。

 こうした臨場感を味わえるのは、もちろんムービーシーンだけではない。プレイ中も、窓を破ってビルからビルへ飛び移ったり、飛び移った先でビルの壁面をつたって移動したりと、ハリウッド映画ばりのアクションを体験できる。

 派手なアクションシーンだけでなく、扉を開ける、ハシゴを上るといった何気ない動作も、自身の手を動かして操作することで、完全にライアンとシンクロした気分を味わえる。

 ストーリーの展開上、基本的に潜入ミッションが多くなるのだが、敵の気配を感じたらすぐさま腰のホルスターに手を伸ばして拳銃を構えたり、敵がいそうな方向を警戒しながら進んだりしていると、プレイヤー自身の思考にライアンの身体のほうが付いてくるような感覚になってくる。ここまでくると、意識はライアンと同化しており、文字通り“世界に入り込む”体験ができる。

ロックされた扉を解除したり、監視カメラの機能を停止させて先に進んだりと、スパイアクションも豊富。

 再度言うが、本作の没入感は本当に圧倒的だ。記者はVRシューティングゲームに不慣れなこともあり、難易度を低く設定していたため敵にやられてゲームオーバーになることはなかったのだが、一度だけ別の要因でゲームオーバーになった。

 それは、敵の幹部を捕まえて情報を吐かせるシーンで、殺してはいけない敵を殺してしまったのだ。敵が逃げようとしたため、逃げられないように足を撃ち抜いたのだが、それでもまだ逃げるので執拗に足を狙う。妹のミシェルが「殺してはダメ!」と言っているが、そんなことは分かっている。

 「相手の動きを止めるだけだ」と足を撃ち続けていると、突然ゲームオーバーになった。「殺してないのに……」と素で困惑する記者が、“ダメージを蓄積させ過ぎて敵のHP的なものが0になった”という至極ゲーム的な理由に気付くまでには、10秒以上を要した。

 「そんな馬鹿な」と思うかもしれないが、それほどまでにライアンになりきっていたのだ。自分でも驚くほど夢中になっていた。

美術館への潜入時、道中の展示をひとつひとつ見て回れるのだが、これが意外と楽しい(笑)。ステージの背景を存分に見て楽しむのもVRゲームの醍醐味だ。

 そんな本作、ライターとしては「どなたにもおすすめです」と言いたいところだが、気軽に遊べるゲームを求めている人には強くはおすすめできない。代わりに、ゲーム以外のことはすべて忘れてのめり込みたい人や、本格的なVRアクションを求めている、アクション映画好きには絶対におすすめしたい。きっと誰もが1度は願うだろう“映画の世界に入りたい”という夢がかなえられるはずだ。