2018年12月に開催されたポケモンカード企業対抗戦がグレードアップして帰ってきた! 第2回となる今回は、ポケモンカードゲーム(以下、ポケモンカード)に加えて『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ(以下、『ポケモン Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』)での対戦も行われ、各参加者はどちらの部門で対戦を行うか、自由に選択できた。
これに伴って、エントリーした企業も80社から120社へと1.5倍に増加。第1回にも参加して話題となった日本将棋連盟のプロ棋士チームを始め、数々のゲームメーカーやカード運営会社、IT企業、新聞社など、じつに多種多様な業種の社会人たちが集まった。
中でもひと際注目を集めたのは、今回初参戦となる特許庁! まさかの行政機関介入で、オープニングのチーム紹介からすでに大盛り上がり。そんな大会に、ファミ通チームも“Gzブレイン”代表として参戦してきた。
参加者全員でコインを奪い合う! バトルロイヤル形式で対戦
大会はバトルロイヤル形式になっており、各参加者に配られたコインを賭けて、ゲーム(『ポケモン Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』での対戦)もしくはポケモンカードゲームで勝負をし、勝利した方がコインを獲得。最終的にチーム合計の獲得コインがいちばん多かったチームの勝利となる。
ゲームとカード両方で対戦を行ったチームはボーナスコインを3枚獲得できるという特別ルールもあり、ファミ通チームは筆者がゲーム、残りのメンバーがカードをメインに対戦を行うことに。
ゲームで対戦した人たちの中には、ボーナスコイン目的や、チームメンバーに誘われて挑戦してみたという人が多かったが、感想を聞くと口をそろえて「やってみると思っていた以上に楽しい」と答えていた。
『ポケモン Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』は『ポケモン ウルトラサン・ウルトラムーン』とは異なり、ポケモンの持ち物や特性、基礎ポイントなどのシステムがないため、シンプルな対戦が楽しめる。また、登場するポケモンの数や、覚える技の数も比較的少なめであるため、ポケモンバトル入門にとても適していると言えるだろう。
会議室での対戦では、対戦相手はもちろん、おなじ部屋で対戦を行っている人たちどうしでも、会話が盛り上がっていた。カードとゲームの両方で対戦を行っている参加者の方もいたが、彼らいわく「カードに比べれば思考時間が少なくて済むため、ゲームではより、ポケモン談議に花が咲きやすい」とのこと。
一方、カードは前回以上の参加者が集まっており、いたるところで対戦が行われていた。こんなにもの数の社会人が集まり、会社の名前を掲げ、ポケモンカードを真剣に遊ぶ光景が見られるのは、ポケモン企業対抗戦だけ!!
スリーブやデッキケース、プレイマットなど見た目にこだわれるのもポケモンカードの魅力。自身のデッキに合わせたデザインに統一していたり、好きなポケモンで埋め尽くしていたりと、さまざまなこだわりが見られる。
“ファミ通 VS Vジャンプ” 生放送でメディア対決!
大会の様子はニコニコ生放送、YouTube Live、Periscope、Twitchでライブ配信されており、配信用の席で行われる対戦の実況・解説が行われていた。記者もそこへ呼ばれ、集英社チームとゲームで対戦することに!
生放送でのメディア対決ということで、互いに意地を張ってコインを3枚賭ける大勝負。試合は、筆者が手塩にかけて育てたメルメタルが大活躍する展開に。勝負の決め手はメルメタルの技“からげんき”だった。
『ポケモン Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』の対戦は、相棒のポケモンが使う“相棒わざ”が特徴的で、とくにイーブイの“びりびりエレキ”や“めらめらバーン”は、それぞれ相手をまひ、やけど状態にする強力な追加効果を持っている。
“からげんき”は、自身が状態異常になっているときに威力が倍になるという効果を持った技。アイカワ氏のイーブイが使った“めらめらバーン”によってやけど状態になり、攻撃力が半減した記者のメルメタルだったが、この“からげんき”によってアイカワ氏のイーブイとミュウツーを倒し、勝負を決定づけた。
終盤はコインを10枚以上賭けて戦うハイレート対戦が勃発!
メディア対決に勝利したことでファミ通チームは上位争いに食い込み、瞬間的に1位に輝く場面も! しかし大会終盤、前回準優勝のアニメイトカフェとアグニ・フレアがコインを14枚賭けた超ハイレート対戦を行うなど、各所で最後の大勝負が始まっていた。
ハイレート対戦はおもにカードのブースで行われていた印象だ。対戦時間の短いゲームよりも、カードの方試合が長引くぶん賭けるコインも多くなる傾向があったのかもしれない。
注目の14枚賭け対決は、アニメイトカフェがゾロアークGXをメインにしたデッキ、アグニ・フレアがゼラオラGXをメインとしたデッキでの対戦となった。
先にサイドを取ったのはアグニ・フレア。エネルギーひとつで技が打てるサンダーで速攻を仕掛けつつ、ゼラオラGXにエネルギーを集める作戦を取る。
しかし、返しのターンにアニメイトカフェ側がアローラベトベトンを場に出したことで状況が一転。お互いのたねポケモンの特性を無効化する特性“かがくのちから”によって、ゼラオラGXの特性“じんらいゾーン”が使えなくなってしまう。
これによって動きが窮屈になったアグニ・フレアがじりじりと追い詰められ、そのままアニメイトカフェが押し切る。14枚のコインを獲得し、アニメイトカフェが優勝に大きく近づいた。
社会人による社運を賭けたアツい勝負 涙の結果発表!
対戦が開始してから5時間(休憩1時間込み)、制限時間が終了し、いよいよ総合獲得コインの集計へと移った。表彰式には、なんとゲームフリークの増田順一氏とクリーチャーズの長島敦氏が登場!
さて、気になる順位は……以下の通り!
なんと、14枚賭けの勝負を制したアニメイトカフェをさらに超え、UUUMが58枚獲得で1位に! 優勝のUUUM、準優勝のアニメイトカフェ、そして3位のハピネットには、それぞれ増田氏から賞状が、長島氏から記念品が贈呈された。ちなみに、Gzブレイン(ファミ通チーム)は42枚獲得で9位にランクイン。120社中のトップ10入りはまずまずの健闘だろう……!
表彰式の最後に、長島氏から「前回、つぎの機会には自分も参加すると宣言したものの、今回はあまりの企業数の多さに驚いて、辞退してしまいました。3回目があれば、今度こそ参加させていただきたいと思っています」と、第3回の開催を期待させるコメントもあった。
開発元であるクリーチャーズにポケモンカードで勝てる企業は存在するのか!? ぜひ第3回の開催、そしてクリーチャーズの参戦に期待したい。
練習のためにジムバトル出場のノルマを設定!? UUUMチームにインタビュー
――優勝おめでとうございます! 生放送のコメントでは、最後に25枚賭けの勝負を行ったという噂もありましたが、本当ですか?
UUUM 25枚は賭けていないです(笑)。実際にはメンバーのうちのひとりが、11枚賭けで勝負をして勝ち、最終的に23枚獲得しました。さらにもうひとりのメンバーが9戦全勝していて、トータルで25枚稼いでいます。
――ふたりで50枚近く稼いでいたんですね! ところで、UUUMのポケカ部は練習会にかなり力を入れていると聞いていますが、どれくらいの頻度で行われていたのでしょう?
UUUM この1ヵ月はとくにしっかりと練習を積みました。終業後や土日を使って、週に3回か4回は行っています。とくに最後の2週間は、全員週に1度はジムバトルなどの大会に出るというノルマを設けていまして、その結果報告も義務付けていました。
――本気度がすごすぎる! 前回の大会にも出場されていたと思いますが、前回から作戦の変更はありましたか?
UUUM 今回はバトルロイヤルのみのルールだったので、すこし変えています。具体的には、2枚賭けて勝ったら3枚、また勝てば4枚と、1勝するごとに賭けるコインを1個ずつ増やしていきました。そして、ラスト1時間になったら10枚以上のハイレート対戦も検討しようと決めていて、各自の状況を小まめに報告し合っていました。
――しっかりと作戦の軸は事前に決めてあったのですね。そして社会人の基本“報・連・相”が活かされている。ちなみに、デッキは何を使われたのでしょう?
UUUM 4人のうち3人が、ジラーチを採用したタイプの【レシラム&リザードンGX】デッキを使用しました。そしてもうひとりは、使う人が多いと読んでいたレシラム&リザードンGXデッキにつよい、【ゾロアークGX&ペルシアンGX&ジュゴン】デッキを使いました。
――人気の高いデッキをチームで調整しつつ、それに強いデッキも周到に用意していたわけですね。それでは最後に、第3回が開催されると仮定して、意気込みをお願いします。
UUUM もちろん、第3回も優勝します!
懇親会に石原社長が登場! クリーチャーズ井上氏、ゲームフリーク岩尾氏とのエキシビションマッチも
大会終了後は、虎ノ門ヒルズ森タワーの52階にある“ルーフトップ バー”にて懇親会が行われた。ドレスコードがありそうな高級感溢れる会場に、すっかり社会人らしさが抜けてポケモンファン丸出しになった大人たちが集結。無邪気な笑顔でポケモンについて語り合う。
そんな懇親会で乾杯の音頭を取ったのは、なんとポケモン社長の石原恒和氏! 増田氏、長島氏に引き続き豪華ゲストの登場に会場は大いにざわめいた。
さらに、乾杯の後はスペシャルなエキシビションマッチが行われた。優勝したUUUMの代表者とクリーチャーズの井上氏がポケモンカードで対戦。さらに準優勝のアニメイトカフェ代表者と、『ポケットモンスター ソード・シールド』の開発でお忙しい中、ゲームフリークの岩尾氏が登壇し、『ポケモン Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』で対決。
また、基本的には立食形式のパーティーであるはずだったが、なんと対戦用に机と椅子も大量に用意されていた。そしてすぐに満席になる対戦卓。さっきまでずっと対戦していたのに……みんなポケモンバトルが大好きすぎる。
そんなこんなで、最初から最後までポケモンバトルしかやっていなかった社会人400名超が集まった今回のポケモン企業対抗戦。残念ながら出場できなかった方は、いまからでも社内でポケカ部を作って、第3回の開催に備えましょう! ファミ通チームも次回こそ、優勝目指してがんばります!!