『The Last Brave』は、日本を代表するゲームデザイナー・カナイセイジ氏がゲームデザインを手掛ける“勇士創像バトルロイヤルカードゲーム”。ランダムに1枚ずつ配られるそれぞれ特性を持った“職種”、“属性”、“武器”の3種類のカードから構成されるキャラクターを使い、戦いを繰り広げる。
いわゆる“正体隠匿系”のカードゲームで、最初は隠されている特性がダメージによって徐々に明らかとなり、それに応じてキャラクターの特殊能力が解放、パワーアップしていく。
“ゲームマーケット 2019 春”で開催されたトークショーには、カナイセイジ氏とスロウカーブ ゲームデザイナー 宮川知幸氏が登壇。拡張カードセット“武士セット”と、人気アニメ『盾の勇者の成り上がり』と『The Last Brave』とのコラボレーションについて、制作者自らが解説を行った。
攻撃を軽減も反射もされない“侍”がイベント限定販売
“ゲームマーケット 2019 春”当日に、イベント限定販売が開始された“武士セット”(100円[税込])。“侍”、“刀”、“雷”という最近のゲームでは外せないラインアップになっており、入りきれなかった“雷”属性が満を持して実装された。
“侍”は猛威を振るった軽減キャラのメタカードで、パッシブスキルによって攻撃を軽減も反射もされない。それでいて能力は防御と、攻撃も防御も強いジョブだとカナイ氏は紹介した。
『盾の勇者の成り上がり』コラボのオリジナル要素は?
同イベントでは『The Last Brave』とのコラボカードゲーム『盾の勇者の成り上がり × The Last Brave』が先行販売された。
基本的なルールは『The Last Brave』と変わらないが、“職種”、“属性”、“武器”にあたるカードが“勇者”、“魔法”、“支援”に変更。支援カードは原作でも重要となる村人との出会いなどを意識しているという。
また、盾の勇者は攻撃能力が一切なく、『The Last Brave』では攻撃力が-1に設定されている。そんな彼のかわりに戦ってくれるのが、ヒロインのラフタリアだ。
盾の勇者とセットになるラフタリア
ラフタリアには“信頼度”という特殊なパラメータが設定されており、これを消費することで子ども(表面)から大人(裏面)に成長することができ、大人になると攻撃力が上昇する。
この信頼度は盾の勇者が“信頼度+1”の行動を選択して上がるほか、盾の勇者が攻撃されるとヒット数に応じて上昇。盾の勇者が攻撃されて信頼度が上がるのは、自分を守ってくれている盾の勇者への信頼が厚くなるという原作をイメージしたものだとか。なお、信頼度の数値管理は付属のサイコロで行うとのこと。
スロウカーブの宮川氏は、『盾の勇者の成り上がり』をカードゲーム化するうえで、どうしても盾の勇者の攻撃できない設定を表現したかったそうだ。ラフタリアについても入れないわけにはいかないという認識だったが、盾の勇者と戦う展開になるのはおかしいため、盾の勇者のサポート役のカードとして実装することになったと裏話を明かした。
アニメ版では盾の勇者と槍の勇者の仲は今のところ悪いが、カードゲームでもその設定を生かして相性が悪く設定されているという。また、ラフタリアのカードは盾の勇者でしか使用できないため、ラフタリアを場に出すと盾の勇者のプレイヤーにヘイトが集まり、「まずは盾を倒そう」と結託され狙われるという原作と似たような展開が生まれるそうだ。
最後にカナイ氏から「最近は普通のボードゲームだけでなくコンテンツと結びついたものが増えてきて、ボードゲームの世界もだんだん広がっている印象があります。ボードゲームが好きな人は、これを機会に反対側のコンテンツにも興味を持っていただき、『盾の勇者の成り上がり』が好きな人は、ボードゲームに触ってみておもしろいと感じてもらえるとうれしいです。このような機会をくださったスロウカーブさんとディライトワークスさんに本当に感謝しています」とあいさつがあり、トークショーは終了となった。