Mac用ソフトウェアやインディーアドベンチャーゲーム『Firewatch』のパブリッシングなどで知られるPanicが、携帯ゲーム機“Playdate”を発表した。

 Playdateは今年後半に予約を開始し、2020年初頭より149ドル(米ドルの場合)で発売予定。技適取得や日本語対応を含むローカライズも行われる予定で、日本支社のパニック・ジャパンを通じて海外と同時期・同価格帯での展開を目指している。

12週にわたって毎週ゲームが届くユニークな携帯ゲーム機“Playdate”が発表。『塊魂』高橋慶太氏や、あのツボ男ゲーのベネット・フォディ氏らが新作を提供予定_02
十字キー+2ボタンに加えて、右サイドに回転式のハンドルがついているのがポイント。

ベーシックなスペックとユニークな“ハンドル”

 Playdateのゲーム画面は2.7インチのLCDスクリーンで、解像度は400ドット×240ドット。2色モノクロでバックライトはなく、操作系は十字キー+ABボタン(とポーズボタン)のみという、往年のゲームボーイを思わせる内容。

 一方で回転式の“ハンドル”が用意されており、ゲームによってユニークな使用法が期待される。なおこのハンドルは、ユニークなシンセサイザーを手掛けてきたTeenage Engineeringとのコラボによって生まれたものだという(同社の小型シンセサイザーOP-1に同様のオプションが用意されている)。

 そのほかコンパクトな本体には、Wi-FiやBluetooth機能、そしてUSB-Cポート、ヘッドフォンジャックなども存在。ここまで聞いただけならキュートでレトロスタイルなだけのゲーム機と感じるかもしれない。本題はここからだ。

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バックライトがないものの高反射なディスプレイを採用しており、夜でも読書灯などの近くであれば十分プレイできるという。

12本のゲームが1本ずつ毎週配信

 Playdateのもっともユニークな部分は、“シーズン”制のゲームの配信だ。12週間のあいだ毎週新たなゲームが提供され、それがどんなゲームかは配信されてはじめてわかるという仕組み。

 そして、これらのゲームは本体料金に含まれている。つまりPlaydateは未知のユニークなゲームとのめぐりあいも含めた体験型のエンターテインメントとして設計されているのだ。

 12本のゲームのうち1本は、『塊魂』や『のびのびBOY』などで知られる高橋慶太氏の新作『Crankin’s Time Travel Adventure』となる。このゲームでは、主人公のCrankinをデートに間に合わせるべく、前述の回転式ハンドルによって時間を操作し、障害を避ける道を探るというギミックが入っているそう。

 対応ゲームにはそのほか、超不安定な操作でどこまで走れるか挑む『QWOP』や“ツボ男”ゲーム『Getting Over It with Bennett Foddy』など奇妙なゲームを世に送り出してきたベネット・フォディ氏をはじめ、ショーン・インマン氏(『Retro Game Crunch』、『The Last Rocket』など)やザック・ゲージ氏(『Ridiculous Fishing』、『Really Bad Chess』など)といった曲者なインディーゲーム開発者による新作が登場する予定だ。

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英ゲーム誌EDGEの333号で特集される。

さらなる拡張の可能性も?

 なお公式ゲームの“シーズン2”やストア販売機能が追加されるかどうかについては、今後の反響や売り上げ次第になってくる模様。

 Panicに確認したところ、自作ゲームを作ってPlaydate本体に移して遊ぶことも可能としており、専用のSDK(ソフトウェア開発キット)とMacベースのエミュレーターなどが提供される予定。開発言語はLuaとC(※いわゆるピュアC)が利用できるだけでなく、さらにより幅広い人がゲームを作れるような方法も模索中だとか。