2019年5月18・19日に、東京ビッグサイトTFTホールにて開催された“NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2”の本大会のまとめとインタビューをお届け。

NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2、ついに本大会が開幕!

 “NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2”とは、『スプラトゥーン2』を使用したプロ野球12球団対抗のeスポーツ大会。第4回スプラトゥーン甲子園の出場者で大会参加のエントリーしたチームの中から、3月3日のドラフト会議で12球団の代表チームが決定。そして、3月23日、24日のキャンプ、4月14日のオープン戦を経て、来たる5月18日、19日に東京ビッグサイトTFTホールにて本大会が開催された。

巨大なイラストが会場でお出迎え。記念撮影をする人が多数いた。
各球団のユニフォームとイラストも展示されている。

 大会会場には、2016年に公開されたニンテンドースイッチ本体のPVの中で、『スプラトゥーン2』のeスポーツ大会のシーンで映し出されたステージに似たステージが用意されていた。この特設ステージで大会初日となる18日は、セ・パ各リーグでの総当たり戦が行われた。

こちらがメイン会場。中央にプレイヤーが座り、それを取り囲むように観客が座って熱視線を送っていた。
こちらがニンテンドースイッチ発表動画の一幕をキャプチャーした画面。規模が違えど、この雰囲気に寄せる演出がいい!

 メイン会場のほかには、パブリックビューイングで試合を見ながら育成枠の選手や試合の合間の球団所属の選手たちがインタビューや試合の解説をしてくれるサブ会場、バッティングやピッチングなどで野球を体験できるeSTRUCK OUTコーナーや、オフィシャルグッズが販売されている物販エリアが用意されていた。本大会に併せて発売開始された公式グッズを身に着けて、全力で応援するファンも多く見られた。公式グッズは、楽天市場やセブンネットショッピングでも発売中なので、惜しくも抽選に外れて会場に来られなかった人は、そちらをチェック! ただし、数量に限りがあるので、グッズが欲しい人はお早めに。

※楽天市場商品ページ
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 各チームのリーダーが顔見せをした後、大会はスタートした。1日で全30試合が行われ、いずれも白熱した試合だったが、とくに最終戦は両リーグとも優勝決定戦となったので、その試合に注目したい。

 パ・リーグ最終戦は、オリックス・バファローズ(Libalent Calamari)VS福岡ソフトバンクホークス(GGBOYZ)。この試合に勝利したほうがリーグ優勝となる大舞台で、ライバル関係にある両チームの対戦となった。試合は、序盤で仲間がふたり倒されて不利になりかけたバファローズだったが、くろすっω・)つ選手の的確なカバーでそれを阻止。中盤はバファローズペースで進むものの、一進一退という言葉の通り、どちらも譲らない展開に。終盤でダイナモン選手、えとな選手が相手陣で塗りを広げ、最期まで拮抗した戦いが続き、最終的にバファローズが勝利を手にした。結果を見るまでどちらが勝ったかわからない展開は、マップ中央でマーブル状になったインクが物語っていた。これでバファローズがリーグ優勝を決めた。

 セ・リーグ最終戦も勝ったチームが優勝という、横浜DeNAベイスターズ(ハイパービーム)VS広島東洋カープ(やのっち監修【メロンの海苔塩風味Mild仕立て】)というカードとなった。序盤はテルミ選手がパーマネント・パブロの機動力を活かして敵陣に切り込んでベイスターズがペースをつかむ。しかし、残り1分ほどのタイミングでカープが相手を3人倒し、一気に塗りを広げていくも、ミルクレープ♪選手のキューバンボムピッチャーで前線を押し戻す。そして、残り10秒でベイスターズが相手を3人倒したところで勝負あり。ベイスターズがリーグ優勝を決めた。

パ・リーグの勝敗表。
セ・リーグの勝敗表。

 これによりリーグ戦での順位が確定。19日に行われるリーグ代表決定トーナメントを勝ち抜いたチームどうしが、e日本シリーズを戦うことになる。

トーナメントを勝つのは、リベンジに燃えるチームの勢いか? リーグを制した実力か?

 大会2日目となる19日に行われたのは、初日のリーグ戦の結果を受けて、代表決定トーナメントの配置が確定。最初に行われるリーグ戦3位と6位、4位と5位の試合は1本先取で行われるが、以降は2本先取となり、2試合目以降のステージは直前の試合で負けたチームが選ぶ“カウンターステージ制”を採用している。

トーナメント表がこちら。初日のリーグ戦が3位以下だったチームは、優勝のためには連勝を重ねるしかない。

 初日の戦いを経て、各チームが反省や修正点を話し合ってきているようで、どの試合も一進一退。最高峰の戦いがくり広げられたが、バトルが始まって3分後には必ず勝敗はついてしまう。負けてしまったチームはステージ上で言葉に詰まる場面も多く、それだけ真剣に戦い、全力で挑んでいたに違いない。選手も観客も感情があふれる会場は、独特の空気感があった。

 どのチームが勝ってもおかしくないリーグ代表決定トーナメントだったが、パ・リーグはリーグ最終戦で優勝を争ったオリックス・バファローズ(Libalent Calamari)と福岡ソフトバンクホークス(GGBOYZ)による決定戦となった。5秒後には展開が変わっていると言っても過言ではないほど、めまぐるしい試合となったが、2試合連続でホークスが勝利を収めてリーグ代表の座を獲得した。試合後、ダイナモン選手が感極まって目頭を熱くしていたのが印象的だった。

 セ・リーグは、4位から這い上がり、下剋上を狙う東京ヤクルトスワローズ(ウルトラリベンジャーズ)と、横浜DeNAベイスターズ(ハイパービーム)の一戦。リーグ優勝したベイスターズだが、リーグ戦で唯一負けた相手がスワローズということで、互いがリベンジを誓うという対戦となった。スワローズは、はんじょう選手のローラーに注目が集まるところだが、それを支えているかよたそ選手のキャンピングシェルターに対して、ベイスターズの面々が必ず挟み込むようにしたり、シールドでカサを防いだりと、仕事をさせなかったことが勝因のひとつだったように思う。2連勝でリーグ代表となったベイスターズがe日本シリーズへと駒を進めた。

王者を倒したのは、次世代を担う天才

 2日間に渡る熱戦の締めくくりとなるe日本シリーズに出場したのは、パ・リーグ代表の福岡ソフトバンクホークス(GGBOYZ)と、セ・リーグ代表の横浜DeNAベイスターズ(ハイパービーム)。3本先取で雌雄が決し、初代チャンピオンが決定する。熱戦となった全試合を振り返るとしよう。

 e日本シリーズ1戦目のステージはチョウザメ造船。序盤はベイスターズが押し込む形となったが、やまみっちー選手がスプラスピナーで複数倒したことを基点に、ホークスが前線を戻す。しばらくはどちらも引かない展開となり、ラスト20秒でお互いに複数人が倒されたが、とっさの判断で、チャージャーのミルクレープ♪選手が敵陣を塗りにいったことが功を奏して1.2%差の僅差でベイスターズが勝利を手にした。

 2試合目のステージは、初戦に敗れたホークスがバッテラストリートを選択。オープン戦時にも選んだホークスが得意なステージだ。試合は初動でいきなりベイスターズが相手全員を倒して、パブロのテルミ選手が敵陣深くまで入り込む展開になったものの、バッテラストリートを得意とするホークスが徐々に盛り返し、中央で一進一退の状況が続く。しかし、ジリジリとベイスターズが塗りを広げていって2連勝! ベイスターズは、特定の誰かが活躍したというわけではなく、全員が仲間をカバーするように連携しながら着実にホークスの選手を倒していたのが印象的だった。

 3戦目のステージは再びホークスが選択。ガンガゼ野外音楽堂での対戦となった。あとがないホークスは、やまみっちー選手が少し前まで使っていたスプラマニューバーベッチューに急きょ持ち替えて対戦スタート。試合は序盤からベイスターズペースで、パブロのテルミ選手が相手陣で大暴れ。しかし、徐々にホークスが盛り返し、相手陣まで入り込んで押さえ込む。そのまま完勝かと思われた残り10秒でホークスの選手が一瞬4人全員倒されて風雲急を告げる展開に。ベイスターズが一気に塗り替えしたものの、0.8%差でホークスが薄氷の勝利を手にした。

 ベイスターズの2勝1敗で迎えた4戦目は、ベイスターズがマンタマリア号を選択。自分のチームのチャージャーとハイパープレッサーが活かしやすいステージを選んだようだ。序盤は初動でホークスが優勢を築く展開。しかし、決定的な差とはならず、互いに倒し倒され中央の広場で前線が形成されていく。残り30秒でやまみっちー選手が敵陣に入り込み、ホークス有利に見えたが、残り15秒でホークスが3人同時に倒されててしまい、ベイスターズの面々が相手陣に一気に流れ込む。そして、3勝1敗でベイスターズが初代チャンピオンに輝いた。

優勝した瞬間、横浜のタオルを掲げるメンバー。

 息を呑む戦いの末、初代チャンピオンの座に輝いたのは横浜DeNAベイスターズ(ハイパービーム)。相手を倒しまくった、けいとぅーん選手やミルクレープ♪選手、相手陣でつねにかく乱を続けるテルミ選手、そんな仲間のカバーとサポートをしつつ要所で的確に相手を倒していたしめぴぃ選手、全員のテクニックと連携力には脱帽するほかない。さらには、残り30秒がとくに重要なナワバリバトルにおいて、このラスト30秒の時間帯に圧倒的に強かったのがベイスターズだったことも優勝の要因のひとつだろう。平成から令和へと元号が変わると同時に、平均年齢15歳のベイスターズがチャンピオンになり、新たな時代の始まりを告げる大会となった“NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2”。個人賞などの各賞は下記の通り。受賞者のインタビューと併せてお届けする。

表彰式の後、選手全員で記念撮影。

“NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2”各賞の受賞者

初代チャンピオン&セ・リーグ優勝
横浜DeNAベイスターズ(ハイパービーム)

――おめでとうございます! 今日の感想はいかがでしたか?

けいとぅーん 楽しかったです。お客さんやファン、いろいろな人がいる最高の舞台で優勝ができて、すごくよかったです。

テルミ 頭の中でどんなに考えても、うれしいという言葉しか思い浮かばないです。

しめぴぃ 練習の成果をみんなに見せられてよかったです。

ミルクレープ♪ 最初から最後まで活躍できたので、本当によかったです。

――スプラトゥーン甲子園のオンライン予選でCool&Cool(ライオンズ所属)に負けてから、今日までにどう成長したと思いますか?

けいとぅーん なぜ負けたかを後々考えたんですけど、緊張していたんです。大勢の前で戦うことがそれまでなくて、みんながガッチガチに緊張していたので、NPB大会では緊張慣れするようにしていました。

テルミ 前と変わったところは、落ち着いたところだと思います。これまではピンチが付くと焦ってひとりで突っ込んでしまっていたので、それがなくなって勝てるようになったと思います。

しめぴぃ 緊張していたんですけど、慣れたことで緊張面は抑えられたと思います。

ミルクレープ♪ オンライン予選やオープン戦は緊張して普段どおりのプレイができなかったんですけど、今回は緊張はせずにいつも通りのプレイができてよかったです。

――日本プロ野球機構(NPB)とコラボした大会でしたが、野球に興味が出たりしましたか?

けいとぅーん DeNAさんに横浜スタジアムに招待してもらって、スクリーンに映し出されたり自己紹介をする機会がありました。そのときにオープン戦を観戦したんですけど、「野球ってこんなにおもしろんだ!」と思って、プライベートでも行きたいと思いました。

テルミ 野球に興味が湧きました。今度この4人で野球観戦に行きたいと思います。

しめぴぃ 最初は興味なかったんですけど、見に行ったことでどんどん興味が湧きました。

ミルクレープ♪ 自分も最初は興味がなかったんですけど、この大会を通して野球が好きになりました。

――e日本シリーズの相手だった福岡ソフトバンクホークス(GGBOYZ)を目標にしているという話もありましたが、緊張はありましたか?

けいとぅーん 練習でも勝ち越していたので、とくに緊張はしませんでした。

――日本一になれた要因はどこにあると思いますか?

けいとぅーん 緊張に慣れたことだと思います。ミルクレープ♪も「緊張しない。楽しー!」って感じで、楽しんでプレイできて、よかったと思います。

――今度は追われる立場になると思います。

テルミ 誰がかかってきても、勝つのは僕ですよ!

――パブロは今後も使いますか?

テルミ もちろん! パブロはずっと使い続けます。

――つぎの目標は?

けいとぅーん (スプラトゥーン)甲子園で優勝して、E3で行われている世界大会で優勝することです。

テルミ ひたすらガチマッチでもっと高みを目指します。

しめぴぃ フェス1傑かガチマッチの月間1位を取りたいです。

ミルクレープ♪ もっとうまくなって有名になりたいです。

最優秀選手賞
テルミ選手(横浜DeNAベイスターズ(ハイパービーム))

――MVPに選ばれた感想はいかがですか?

テルミ ミルクレープ♪が選ばれると思っていたので、本当にうれしいです。

パ・リーグ優勝
オリックス・バファローズ(Libalent Calamari)

――リーグ優勝おめでとうございます。まずは感想をお聞かせください。

くろすっω・)つ こういう形で観客のみなさんの歓声を直に浴びてという状況はなかなかないので、盛り上がって楽しかったですね。その中でリーグ優勝できてうれしいです。

2438学園 楽しくできたのがいちばんです。チームとしての課題も見えたので、機会があればまたチームでやれたらなと思います。

あとばる 今回は、NPB(プロ野球)との取り組みということで、スポーツのような盛り上がりを『スプラトゥーン2』というゲームを通して伝えられたのがよかったです。

ぴょん 2日間楽しくプレイできました。リーグ優勝できて本当にうれしかったです。

――トーナメントの組み合わせの影響で、いきなりホークスと対戦になりましたが、少し対戦で体を温めてからのほうがよかったというようなことはありますか?

2438学園 立ち上がり自体は悪くなかったと思います。昨日のホークスに勝ったときのテンションや流れを切らさずに持って来たんですど、実力の差があったんだと思います。

――日本一の座は逃す形になってしまいましたが、今後Libalent Calamariとしてやりたいことはありますか?

くろすっω・)つ また大会があれば、この4人で集まって練習して、リベンジする機会があるかはわかりませんが、ホークス(GGBOYZ)やベイスターズ(ハイパービーム)に一矢報いたいと思います。

2438学園 練習段階ではベイスターズ(ハイパービーム)には自信がありましたが、その前にホークスに負けてしまい、そのあたりのチームに対する対策がまだまだ取れると感じたので、また練習に励んでこういった舞台に立てればと思います。

あとばる (スプラトゥーン)甲子園のときのGGBOYZは「これで負けるならしょうがない」という悔しさだったんですけど、今回は「まだやれることがあったな」という悔しさで、チームとしての成長を感じられたので、またこのメンバーで力を付けていきたいですね。

ぴょん いまの段階では大会に出るといった予定はないので、大会が決まったら、またみんなで練習してがんばっていきたいと思います。

敢闘賞
Norishio選手(広島東洋カープ(やのっち監修【メロンの海苔塩風味Mild仕立て】))
やまみっちー選手(福岡ソフトバンクホークス(GGBOYZ))

――敢闘賞おめでとうございます。率直な感想をお願いします。

Norishio 僕が取れると思っていなかったのでうれしいです。この賞を取れたのは、信頼してくれたメンバーのおかげだと思います。

やまみっちー もらえる自信はなかったので、びっくりというのが正直な気持ちですが、うれしいです。

――Norishio選手は感極まった感じでしたね。

Norishio 選ばれると思っていなくて急だったので。泣きそうになっちゃいました(笑)。

――やまみっちー選手は落ち着いていましたね。

やまみっちー チームメンバー全員がいいプレイをしていたので、自分がもらっていいのかという複雑な気持ちで、びっくりという気持ちが先行していました。でも、もらえたのはとてもうれしいです。

――ご自身が選ぶ、いちばんよかった試合はどれになりますか?

Norishio 大会初日のジャイアンツ戦です。スメーシーワールドでL3リールガンを持って中央を押さえられたのがよかったと思います。

やまみっちー ライオンズ戦の最後に、左の金網から打開のきっかけを作れたところです。

――Norishio選手は敢闘賞に選ばれた理由にいろいろなブキを使っていたことが挙げられていました。カーボンローラー、パブロ・ヒュー、L3リールガン以外に予定していたブキはありますか?

Norishio 予定はしていなかったですが、練習段階ではプロモデラーPGやシャープマーカーネオは練習していました。

――やまみっちー選手はe日本シリーズの3試合目から、昔愛用していたスプラマニューバーベッチューに急きょ持ち替えましたが、E3での世界大会ではどちらを持つ予定ですか?

やまみっちー E3はガチルールになると思っています。ガチルールだとナワバリバトルとは違った練習が必要になるので、これから何のブキを使うかも含めて練習していきたいと思います。

――つぎの目標を教えてください。

Norishio まだ何も決まってないですが、今度また大きいイベントがあったら優勝したいです。

やまみっちー まずは6月にあるE3の世界大会で優勝することですね。