スコットランドのインディースタジオNo Codeによるアドベンチャーゲーム『Observation』を紹介。海外でPS4/PC版が配信され、日本語ローカライズも予定されている。

「ヒューストン、聞こえますか? こちらオブザベーション搭乗のエマ・フィッシャー。応答願います。ジョシュ、エイルサ、誰か!」

 地球上空410キロ、国際宇宙ステーション“オブザベーション”の静まり返ったモジュール内に、ゆっくりと太陽光が差しこむ。その声に応える者は誰もいない。

 声の主がひと通り交信を試みた後、今度は「ぶーん」というかすかな低い音とともに、ゆっくりとあなたは起きだす。

「管理者アクセスを頂戴。ドクター・エマ・フィッシャー、140−412」

 再び聞こえた声が間違いなくフィッシャー博士のものであることを確認したあなたは、規定(プロトコル)通りに彼女に管理者アクセス権を発行する。

「サム、そこにいる?」「ここにいます」

 正式名Systems Administration & Maintenance、通称サム(SAM)。あなたは宇宙ステーション“オブザベーション”のシステムをコントロールするAIなのだ。

 スコットランドのインディースタジオNo Codeによるアドベンチャーゲーム『Observation』を紹介しよう。本作は海外でプレイステーション4/PCの英語版が本日より配信開始。追って、架け橋ゲームズによる日本語ローカライズ版の配信も予定されている。

 冒頭で紹介した流れの通り、プレイヤーは宇宙ステーションのAIとして、事態収拾のために奮闘する乗組員エマをサポートしていく。

謎解きはシンプルに、映像は雰囲気たっぷりに

 もちろんAIなので実体はなく、しかも当初はアクシデントの影響でほとんどのシステムがサムから切り離されてしまっており、ほとんど直接コントロールが効かない状態。そこで各モジュールに設置された固定カメラなどの映像を通じた遠隔アクセスでエマを助けていくことになる。

固定カメラを通じてモジュール内の端末にアクセス可能。

 実際どういうことをやるのか、一連の流れを説明していこう。例えば、序盤に多い“ロックされたモジュール間のドアを開けたい”といったケース。

 まずは固定カメラを切り替えながらモジュール内を探すと、アクセス可能なラップトップや関連する資料があるので、そこから情報を収集するのが第一歩。そして今度はロック機構の端末を探し、入手した解錠キーをセットすればオーケー、といった感じ。

 そんなに複雑な謎解きはなく、せいぜい壁の張り紙に気がつくかとか、ラップトップの電源も復活させなければいけないケースがあるぐらい。

ステーション内マップから各モジュール内のカメラシステムに入ることができる。

 プレイが進むと船外活動もできる自律飛行可能な球体型のカメラに入れるようになったり、ドアのロック機構以外にもさまざまなシステムが出てくるようになるが、“カメラを通じて情報収集し、遠隔アクセスで謎解きをする”という基本はほぼ変わらない。

 そんな中で非常に素晴らしいのがアート面だ。ダイナミックレンジ不足で微妙に白飛びしているのを再現したカメラ映像は妙な生々しさがあって、しばしば実写に見えてくるほど。そして各システムのユーザーインターフェースの出来もよく、ちょっと昔のSF映画を思わせる“燃えるUI”で気分を高めてくれる。

白飛びとか滲みの感じがヤバい。
ステーション内システムのユーザーインターフェースが、1970~80年代のSF映画っぽくてかっこいい。
エアロックのインターフェース。内部ハッチを閉め、ハッチ内の空気を抜いてから外部ハッチを開ける(外に出る場合)という手順をちゃんと踏まないといけないのがいい感じ。
核融合実験炉のUI。各システムがミニゲームになっていることも多いのだが、謎解き同様にミニゲームもそれほど難しくない。

 さて、本作は映画『ゼロ・グラビティ』のような、アクシデントからの地球帰還をテーマにした作品ではない。エマはシステム復旧と他の搭乗員捜索の過程で、次々と不可解な出来事に翻弄されていくことになる。

 察しのいい人なら過去に公開された映像や冒頭に書いたようなオープニングシーンを見ればなんとなく察しがついているかもしれないが、本作はとあるSF映画に多大な影響を受けたSFスリラー作品だ。

 ここから先、その作品への言及抜きには語れないので、一切のネタバレが駄目という人はここらで記事をそっと閉じて本作をプレイするかしないか検討して欲しい。