新たな『二ノ国』の物語が開幕する!

 2019年2月9日、都内にて、劇場用アニメーション映画『二ノ国』製作発表会が行われた。主演の山崎賢人さん(崎は正しくは「立ちさき」)や、製作総指揮/原案・脚本を手がける日野晃博氏らスタッフ陣が登場した発表会の模様をリポートしよう。

映画『二ノ国』は完全オリジナルストーリー! 声優オーディション開催なども発表された製作発表会をリポート_01
左:日野晃博氏(レベルファイブ 代表取締役社長 CEO)、中:百瀬義行氏(アニメーション監督)、右:小岩井宏悦氏(ワーナー・ブラザース ジャパン/エグゼクティブプロデューサー)。

 『二ノ国』は、言わずと知れたレベルファイブの人気RPGシリーズだ。映画化にあたっては、ゲームの主要スタッフが集結。製作総指揮/原案・脚本を日野晃博氏、監督を百瀬義行氏、音楽を久石譲が手がける。

 発表会でまず挨拶に立ったのは日野氏。日野氏によると、『二ノ国』はつねに映画化を念頭に置いてきたIPだったとのこと。ゲームの映画化については、『妖怪ウオッチ』などで多くの成功を収めてきた日野氏だが、この『二ノ国』については、ゲームの販促などといった商業的な観点を抜きにして、作品として純粋にすばらしいものを作れそうな手応えを感じていると強調し、その喜びを語った。

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日本人が主人公の『二ノ国』に

 映画の内容について尋ねられた日野氏は、まだ多くは明かせないとしつつ、「大好きな人が、別の誰かの恋人で、この恋が叶わないという状況。そこで、別の世界に飛ばされた先で、その人とそっくりな人に出会う。そのとき、どうしますか?」(日野氏)といった、恋愛もののドキドキな要素も兼ね備えつつ、『二ノ国』らしいファンタジーが堪能できる、スペクタクルなエンターテインメントになっていると説明した。

 また、重要なポイントとして、映画『二ノ国』は、日本人が主人公となることが明かされた。『二ノ国』は海外でも日本以上に受け入れられているコンテンツだが、「この作品を世界でヒットさせることができると、日本のイメージも変わるんじゃないかな、と」(日野氏)といった思いもあるのだそうだ。

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 監督の百瀬義行氏は、いままでゲームの『二ノ国』の製作に携わってきた経験から、『二ノ国』の魅力を「ハイファンタジーとかローファンタジーとか、そういう枠に囚われない独特なおもしろさがあるところなんです」と説明し、おもしろい作品作りへの意欲を語った。

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 音楽についてコメントを求められた日野氏は、ゲームと同様に映画でも音楽を担当する久石譲氏への絶対的な信頼を語りつつ、音楽のみにとどまらない久石氏からのアドバイスが作品をよりよくしていると説明した。その例として挙げられたのが、脚本に関するエピソード。

 日野氏がファンタジー世界での展開を中心に書き上げた脚本は、ワーナー・ブラザースの監修も通ったものだった。しかし、ゲーム作品の製作を通じて『二ノ国』の魅力をよく理解していた久石氏から、「一ノ国(現代)とファンタジー世界の二ノ国を行き来する楽しさがなければ、『二ノ国』とは言えないんじゃないの? と」(日野氏)と指摘を受けたのだそうだ。そこで日野氏は、脚本をすべて書き直すことを決意。結果としてよりよいものができあがったのだとか。

「脚本を読んで鳥肌が立ちました」(山崎)

 そしてステージには、主人公のユウ役を演じる山崎賢人さんが登場した。プロデューサーの小岩井氏は、山崎さんを主演に抜擢した理由として、「この役を演じられるのは、演技の幅が相当に広い人でないとダメだと思った」(小岩井氏)と説明。インテリで、車いすで生活していて、ナイーブな青年であるユウが、さまざまなことに直面して悩み、乗り越えていく物語を、「若手ナンバーワンの演技力」(小岩井氏)を持つ山崎さんなら演じきれるだろう、と考えたという。

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 オファーを受けた山崎さんは、「まさか声のお仕事をいただけるとは思っていませんでした」(山崎)と率直な驚きを語りつつ、声優の仕事に強い尊敬の念を抱いていたことを明かし、「本当に光栄ですし、全力でがんばらなければいけないと考えています」(山崎)と意気込みを語った。

 また脚本については、「読んだときに、鳥肌が立ちました」(山崎)とのこと。これから挑むアフレコについて、「『二ノ国』という作品を作り上げていくことにワクワクしています」と気持ちを表現した。

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「本当に二ノ国に行ったような気持ちになって演じたいです」(山崎)
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日野氏は山崎さんの大ファンだそうで、山崎さんの出演する作品は何度も観ているとのこと。「とにかく収録が楽しみです」(日野氏)

 なお、山崎さん以外の主要キャスティングについては、オーディションなどを通じて、ほぼ固まっているとのこと。しかしここで、LINE LIVEとのコラボ企画として、『二ノ国』声優オーディションを開催することが発表された。エントリーは2019年2月22日よりエントリーを受け付ける予定で、男女1名ずつには、台詞つきの役が用意されているという。ここでは詳細は明かされなかったが、後日発表がある模様だ。

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映画『二ノ国』は新たな映像作品として楽しんでほしい

 最後に日野氏は、「ゲームが原作で、アニメや映画が作られることはたくさんあって、基本的には物語性などはつながっているパターンが多いのですが、今回は、映画がまったく違うものになっています。こういったクロスメディアものの、新しいアプローチになるのではないかと思っています」(日野氏)とコメント。

 改めて本作が、ゲームの『二ノ国』と同じコンセプトのもとに作られる物語でありながらも、ゲームとは別の作品になることを説明し、「何が原作だとか考えず、『二ノ国』という新しい映像作品として受け取っていただければと思います」と、『二ノ国』ファンのみならず、誰でも楽しめる作品になることをアピールして発表会を締めくくった。

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映画「二ノ国」
製作総指揮/原案・脚本:日野晃博
監督:百瀬義行
音楽:久石譲
主演:山崎賢人

原作:レベルファイブ
アニメーション制作:オー・エル・エム
製作:映画「二ノ国」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画

2019年夏、全国ロードショー

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