クオリティーにこだわり、福岡の地で“永く愛されるゲームをつくる会社”ガンバリオンを訪問!【ファミキャリ!会社訪問(66)】_08

“ファミキャリ!会社探訪”第66回はガンバリオン

 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。今回はガンバリオンを訪問した。
 福岡を代表するゲーム会社のひとつ、ガンバリオンは、1999年の設立。代表作は、『JUMP ULTIMATE STARS』、『パンドラの塔 君のもとへ帰るまで』(発売元:任天堂)など、“永く愛されるゲームをつくる会社へ”という信念のもと、家庭用ゲーム機を中心に、近年ではモバイルゲームも数多く開発。自社パブリッシングタイトルとしては『ゴロンディア』、『修羅道』が好評配信中。また、2004年にレベルファイブ、サイバーコネクトツーとともに、九州・福岡のゲーム開発関連会社などによる任意団体“GFF”(GAME FACTORY'S FRIENDSHIP)を発足。九州・福岡をゲーム産業、デジタルコンテンツ産業の世界的開発拠点とすることを目的に活動を進め、現在では12社が加盟するに至っている。そこで今回は、ガンバリオンでディレクターを務める馬場誠氏に話を聞いた。

馬場 誠(ばば まこと)

ガンバリオン ディレクター

“ちょうどいい都会”の福岡は、ものづくりに最適な街

――最初に馬場さんの経歴から教えてください。ゲーム業界を志したきっかけや、現在に至るまでの経緯についてお答えください。

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馬場ガンバリオンには中途で入社して10年になります。入社する前は、福岡で映像のCG制作やゲーム関連の仕事をしていました。転職活動の際、ゲーム業界以外も検討していたのですが、どうしてもアクションゲームが作りたいという思いが強く、縁あってガンバリオンに入社することになりました。入社後はモーションデザイナーとして、『パンドラの塔 君のもとへ帰るまで』など複数のプロジェクトに携わり、現在はディレクター職として、ゲームプロジェクトの統括を行っています。

――入社前からガンバリオンの存在は知っていたかと思いますが、ガンバリオンを選んだ理由は何ですか?
馬場ゲーム性をしっかりと考えたうえでアクションが生きるゲームを作っている会社だと思い、ガンバリオンを選びました。また、福岡には“GFF”というゲーム開発関連会社の団体があって、入社前はその外側から見ていたのですが、会社の垣根を越えて福岡を盛り上げようとがんばっているところが魅力的で、自分もその一員になれたらと思っていました。

――実際に入社して、いかがでしたか?
馬場当時、会社のホームページにあるブログで四コママンガが連載されていたのですが、それを見て、アットホームな会社だなと思っていました。残念ながら四コママンガの連載は終了してしまって、いまは見ることができないのですが。入社後の印象のそのままで、社内はアットホームで居心地のいい空間ですね。社長が女性なので、オフィス環境に気を配っているのも大きいと思います。どこのゲーム会社もそうだと思いますが、ゲーム開発というのは特殊な部分があります。ガンバリオンではゲーム開発という仕事の特殊性の良し悪しを考えながら、業務の効率化や見直しに早くから取り組んでいました。そのうえで、スタッフにのびのびと仕事に取り組んでもらうためにも、休暇をきちんと取れるようにしたり、仕事とプライベートや家庭が両立できるようなやりかたを模索して推進していますね。

――入社して約10年、だいぶ変化したと?
馬場そうですね。変わったと思います。時代の流れもありますが、業界も会社もいろいろな意味で成長してきていると思います。

――ちなみに馬場さんは福岡の出身なのですか?
馬場はい、福岡です。映像系の仕事をやっていたときは、約半年ほど東京に住んでいたこともあります。

――最近、福岡にはゲーム会社が増えてきた印象があります。御社はUターンやIターンも積極的に募集中とのことですが、福岡という場所は、ゲームクリエイターにとってどのような環境でしょうか。
馬場“ちょうどいい都会”かな、と思います。いろいろなものが狭いエリアに凝縮したコンパクトな街ですが窮屈ではない、東京から離れているけど情報は充実している。コンパクトさと地方であることの両方のいい部分が感じられる街。ストレスなく、自分が得たい情報やモノが入手できるのは、ものづくりをしている人間からすると、とてもいい環境なのではないかなと思います。

――福岡には“GFF”があり、ゲーム会社間の交流が活発な印象がありますが、実際はいかがでしょうか?
馬場“CEDEC+KYUSYU”もすっかり恒例化していますし、それ以外でもセミナーや勉強会を合同で開催することがあります。そういった場で開発環境の情報交換をすることが、お互いに成長するきっかけにもなります。同じ業界でがんばっている会社が隣にあれば、刺激になりますね。

――東京よりコンパクトな街ですから、より親密感も高いでしょうね。
馬場そうですね。ガンバリオンの会社周辺にも徒歩圏内に何社かゲーム会社はあります。本当に近い距離に多くのゲーム会社がありますからね。

――“CEDEC+KYUSHU”が開催されたり、ゲーム会社も増えていますが、それらを肌で感じることはありますか?
馬場“CEDEC+KYUSHU”の参加企業などを見たときや、ポリフォニー・デジタルさんが福岡に機能の一部を移転させたり、フロム・ソフトウェアさんが福岡スタジオを開設させたりと、そういった名前を見ると福岡が活気づいていると肌で感じます。

――ちなみに、ガンバリオンさんには、九州や福岡出身の方が多いのですか?
馬場地元出身者にこだわって採用しているわけではないですよ。じつは、スタッフの半分以上は県外出身者です。また、ご家族、たとえば奥様が九州出身なので福岡を選ばれる人も多いようですね。住み心地がいいので、学校を卒業後、初めて福岡に越してきて、すっかり定住しているスタッフはたくさんいます。