ボスラッシュばりに押し寄せるナンパ師軍団に絡まれ続ける、地獄の(逆)恋愛シム『The Game: The Game』【IndieCade】

次から次へと押し寄せるナンパ師軍団から切り抜けろ! 異色のアドベンチャーゲームを紹介。

 ロサンゼルスで開催中のインディーゲームイベント“IndieCade”出展作から、Angela Washko氏によるアドベンチャーゲーム『The Game: The Game』を紹介する。

 本作の主人公は友達に会おうとしてバーに立ち寄ったところ、意図せずモテまくってしまう……というもの。乙女ゲーかと思いきや、テーマは真逆だ。「俺がこいつを落とす!」と迫ってくる6人の“ピックアップ・アーティスト”、要は日本で言うところのナンパ師の軍団から逃れる話なんである。

ようやくひとり振り払ったかと思ったら「しかしまわりこまれてしまった!」状態。つれーよ。

 アーティストでありカーネギーメロン大学の助教授でもあるWashko氏による実態調査が反映されている本作。海外の“ナンパ塾”やその手の書籍で教えられているテクニックがふんだんに盛り込まれているそうで、ナンパ師たちは逆ギレ・泣き落としまで含めたあの手この手で攻めてくる上に、「興味ねぇっつってんだろ」ぐらいの返答を選んでもこっちの話を聞いちゃいない。

 しかもグループで競い合っているシチュエーションのため、ハードめなアクションゲームのボスラッシュモードとばかりに、ひとり倒しても次から次へと出てくるのだ! こりゃあ、なかなか地獄ですよ。

「『ロード・オブ・ザ・リング』のキミ好きだったな!」「ハァ?」「エルフみたいなスウェーデン風の顔だよねってことさ」というアレなやり取り。「僕ら『トワイライト』のふたりみたいだよね!」というセリフもあり、とりあえず人気ありそうな作品を持ち出すのが得意技の様子。つれぇ。

「シャイで孤独な僕が自分を変えようと思って話しかけたのにヒドい!」と逆ギレするオヤジ。

 というわけでキッツイ状況を体験する啓蒙的な作品なのだが、あまりのハードな展開の中に出てくる素っ頓狂な口説き文句に、申し訳ないと思いつつも何度か爆笑してしまった事を告白しておこう。

 かと言って出来が悪いわけではない。本作、あまり話が通じずゾンビのように立ち直って迫ってくるナンパ師軍団の描写や、次から次へと繰り出される彼らの多彩すぎる作戦、エッジの効いたビジュアル、そして実験的な作風で知られるインディーバンドXiu Xiuによるダークでディープなサウンド(秀逸!)と、特濃に仕上がりすぎていて、啓蒙というよりほとんどホラーの領域に達しているのだ。

 とはいえ、(仮にここまで全部入りなことはそうないにしても)実際こんな目に遭ったらこれぐらいのホラー体験ということなんだろうなぁ、というのも理解できた次第。「ノー」が伝わる紳士でありたいものです。

「こんなんやったやらないに入らないって(意訳)」と謎のセーフ扱いを主張。