自身の感性を信じ、おもしろいと思ったゲームをローカライズする。 個性の光るタイトルを続々展開するレイニーフロッグ合同会社とは?

ローカライズにおけるすべての作業をひとりで行うのはイギリス人男性!? インディーゲーム業界で名前をよく聞くようになった、レイニーフロッグ合同会社の事業内容を取材した。

 インディーゲームの複合イベント“TOKYOSANDBOX”でのプレイアブル出展を始め、ここ最近、インディーゲーム業界で、レイニーフロッグという会社の名前をよく聞くようになった。日本を拠点に、海外タイトルのパブリッシングを行っていること。代表社員であるイギリス人男性がおもにひとりで事業を展開していることなど、調べれば調べるほど、気になる情報がつぎつぎに明らかになる同社を取材。その事業内容をうかがった。

●バイアス・アンソニー氏 ( レイニーフロッグ代表社員)
 英国ロンドン生まれ。現地のゲームメーカーで、日本のゲームのローカライズを担当したことから、日本の文化に興味を惹かれて来日する。以後、マーベラスを始め、複数のメーカーで制作やローカライズに従事。それらの経験を活かし、2013年にレイニーフロッグを設立した。(文中はトニー)

取り扱いタイトルにもこだわりが光る!

―まずは、日本で起業されたきっかけを教えてください。

トニー もともと、日本のゲームを海外向けにローカライズする仕事に携わっていたのですが、そのころ海外のメーカーからも、日本でのパブリッシングに協力してほしいと頼まれまして。私自身は、おもしろいゲームだと思ったのですが、日本のパブリッシャーからはなかなか賛同を得られず……。それならば起業して、自分がおもしろいと思ったゲームを自分自身で売り出していこうと考え、レイニーフロッグを立ち上げました。

―取り扱う作品は、どのような基準で選ばれているのでしょう?

トニー 私がプレイしておもしろいと感じたものを基準にしています。惑星探索を行う『forma.8』は、そのユニークなゲーム性から、また橋を建造する『ブリッジコンストラクター』は、コンセプトのおもしろさから配信を決めました。売上を伸ばしたいなら、日本人受けするタイトルだけを揃えるべきですが、利益だけにとらわれず、本当に自分が楽しめる商品を展開していきたいと考えています。そうした姿勢が、会社の信用にも結びつくのではないでしょうか。

『ブリッジコンストラクター』(プレイステーション4/配信中/1000円[税込]※ダウンロード専売)

―日本向けにローカライズする際、ゲームの内容にも手を加えることはありますか?

トニー もともと、全年齢で楽しめるタイトルを多く取り扱っているので、内容に手を加えることはほとんどありません。タイトルは、もとのままだとどんなゲームかわからないので、邦題に変更することが多いですね。例を挙げるなら、『Monkey Stories』は『迷宮の塔トレジャーダンジョン』、『Sparkle 2 Evo』は『進化のひみつ』といった感じです。それと、PVの制作にも力を入れています。海外で制作されたPVは漠然としたイメージのものが多くて、ゲームの具体的な内容が伝わらないんですよ。ユーザーの皆さんに、どんなゲームか理解してもらうためにも、PVにはできるだけたくさんの情報を詰め込むようにしています。

―最後に、今後の展望について聞かせてください。

トニー レイニーフロッグは現時点でダウンロード販売のソフトしか扱っていないので、年内にパッケージ版のタイトルもリリースできるようにがんばりたいです。そして、将来的な目標ですが、自社オリジナルのゲームを作製し、日本からワールドワイドで展開したいと考えています。こちらにも期待していただきたいです。

『進化のひみつ』(Nintendo Switch/配信中/500円[税込]※ダウンロード専売)

配信されたばかりの『GEKIDO』にも注目

 つぎつぎに現れるアンデッドの群れを倒しながら先へと進む、古きよきアーケードゲームテイストの横スクロールアクション。パンチとキックの簡単操作で、多数の敵をなぎ払う爽快感がたまらない。ストーリーモードのほか、マップ上に隠された“遺物”を探すレリックハンティングモード、協力プレイが楽しめる2Pモードも収録。

●GEKIDO
Nintendo Switch/配信中
1500円[税込] ※ダウンロード専売

海外の名作レトロゲームもリリースされる!? すでに複数のタイトルが発売待ちで待機中

 PVの制作など、案件ごとにサポートスタッフはいるものの、基本的にはローカライズにおけるすべての作業を、ひとりでこなしているというトニー氏。そこからは、“自分自身でプレイし、本当におもしろいと思ったタイトルだけを取り扱う”というこだわりと、ゆくゆくは“レイニーフロッグのゲームなら絶対におもしろいはず”と周知されるゲームメーカーを目指している、トニー氏の強い信念をうかがうことができた。

 ちなみに同社では、2017年の年末の時点で、取り扱いタイトルが50本に到達。これら以外にも、発売タイミングを見定めている作品を複数ストックしているという。もちろん、これらの未発表タイトルも、レイニーフロッグの理念に沿った“幅広い年齢層がいっしょにプレイできるゲーム”とのことなので、Nintendo Switchおよびプレイステーション4両プラットフォーム向けに、今後続々とリリースされる展開に期待したい。

 また、トニー氏は今回のインタビューで、最新のゲームだけでなく、古きよきレトロゲームの再発掘にも力を入れたいと語ってくれた。パズルゲームのほか、『原始人うぉーりあーず』や『GEKIDO』といったベルトスクロールアクションもお気に入りとのことなので、同ジャンルが好きな人にとっては、これらの展開も大いに気になるところだろう。こうした感性を持つトニー氏が、年内には準備を進めたいと話したオリジナルタイトルの展開と併せて、2018年後半もレイニーフロッグの動向から目が離せない。  



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