“ありがとうを直接お客様に伝える”のテーマのもと、全国各地でイベントを開催してきた日本一ソフトウェア。本イベントはその締めくくりとなるもので、会場の東京・アーツ千代田3331には日本一ソフトウェアのゲーム、キャラクターが大好きな熱心なファンが集結。展示物や物販、多彩なステージイベントを楽しんだ。この記事では、当日のイベントの様子を順に解説していく。
会場入り口横のコミュニティスペースでは、プリニーのペーパークラフトを作る体験コーナーが。参加者は、当日展示されているイラストレーター陣のサイン色紙が当たるお楽しみ抽選券がもらえた。ちなみに、一見簡単かと思いきや意外と難しく、細かい作業が苦手な筆者は完成までに40分くらいかかってしまった。プリニーあなどりがたし。
作品らしい破天荒な発言も飛び出した『魔界戦記ディスガイア』トークショー
最初のステージは、“魔界戦記ディスガイア プレミアムトークショー”からスタート。『魔界戦記ディスガイア』(以下、『ディスガイア』)の中心人物、ラハール、エトナ、フロンを演じた3人がステージに登壇し、日本一ソフトウェアの広報・パンツ山下さんの司会進行のもと、軽快なトークがくり広げられることに。
思い出話に花が咲く中、『魔界戦記ディスガイア Refine』のPVが初公開。ラハール殿下の悪魔的戦闘講座という題目で、『ディスガイア』の魅力がわかりやすく解説されていった。
続く質問コーナーでは、ファンからの質問“好きな汎用キャラクターは?”に対し、半場さんと笹本さんが「実用性が高い奴」と、身もふたもない回答を提示(笑)。そのほか、「グッズではラハールやフロンの人気が高い」と発言したパンツ山下さんに、半場さんが間髪入れずに「ひとり足りない!」とツッコミを入れて会場の笑いを誘っていた。“印象的なセリフは?”という質問には、フロンの攻撃時の掛け声「かにみそ!」が挙げられ、笹本さんによって生声の「かにみそ!」が連呼されるなど、『ディスガイア』らしいハチャメチャトークが展開。余談だが、これにはフロン推しの筆者も思わずにっこり。
こうした盛り上がりを見せるなか、〆の言葉で出演者たちが「(会場が)魔界のような暑さ。つぎがあれば涼しい場所で(笑)!」と、作品らしいフリーダムで楽しいコメントをし、ショーは幕を閉じた。
暑い会場がヒンヤリ!? 『クローズド・ナイトメア』トーク
続いて、トークイベント“『クローズド・ナイトメア』発売直前トークショー”が展開。
本作は実写映像をふんだんに用いたホラーアドベンチャーゲーム。ゲストたちの簡単なあいさつの後、思わず息を呑んでしまうような恐怖感に満ちたPVが公開された。
そんな本作は、没入感を大事にしたいという想いから、主役を演じた太田さんが、つねにカメラマンと二人羽織の状態で撮影を行ったとのこと(太田さんが背中をのけぞらせ、カメラマンが太田さんの後ろからカメラを太田さんの目線位置で持ったまま撮影する)。こうすることで、完全に主人公(プレイヤー)目線の映像が撮れ、物語に入り込めるようになったと頓花さんは語った。一風変わった撮影方法について、太田さんは「カメラマンさんとどう息を合わせるかが大変でした。セリフが正確でも、カメラの画角と自分の視線がズレていたりしたら撮り直しで(笑)」と笑い、MASAYAさんも「演技をするときは、僕の目の前にずっとカメラがあるので難しかったですね。太田さんの表情を見て反応をしたいときもカメラしか見えないので(笑)」と、それぞれの感想を述べた。
続いて、撮影時に起きたというリアルなホラーエピソードの話に。頓花さんは「これはもう、いくらでもありますよ!」と発言。撮影時に、誰もいないはずの場所から、手招きしている腕が映っていたという恐怖エピソードを披露。「これは広報に使える!」とスタッフに提示したものの、「縁起が悪い」と一蹴されてお蔵入りになったという秘話を暴露した。
太田さんは撮影期間中に2回金縛りに遭ったと話し、金縛りの解きかたをMASAYAさんがレクチャーするなど、タメになる(?)やり取りも。
その後、太田さんとMASAYAさんが、本作は「ホラーだけではなく、演出や謎解きも楽しめる」とコメントし、頓花さんも「極上のホラー体験ができます!」と自信満々に答えた。この猛暑は、本作を遊んでヒヤっとすることで乗り切れる! ……かもしれない。
苦節13年、ついに主役を射止めたアサギの『魔界ウォーズ』トークショー
3つ目のステージは、『魔界ウォーズ』の最新情報が明かされるトークショー。当日まで秘密にされていたゲストの正体は、本作のアカギ役を務める八島さららさん。元気な挨拶で登壇した後、さっそく本作のアップデート情報と最新情報が公開された。
その中でも目玉のアップデート、7月31日に実装される“アリーナ機能”は、開発機によるプレイもお披露目。本作をしっかり遊んでいるという八島さんが手慣れた手つきでプレイし、対戦が楽しめるアリーナの魅力を存分に伝えた。
トークでは、“1RTにつき1ミリのアサギのフィギュアを作る”というエイプリルフール企画が、最終的に13000RTを達成した話に。「13000ミリ=13メートルのフィギュアを作らなければならない」と告げるパンツ山下さんに八島さんが驚きの声を挙げると、会場からも笑いが。「約束だからちゃんと作らなきゃダメですよ」と念押しする八島さんに「魔界単位での13メートルは、現実世界だと13センチくらいになるんじゃないかな~……。その代わり、お値段も魔界単位ではなく現実的な価格に収めますので……」と山下さんが返すなど、軽快なやり取りに会場はほっこり。
最後に、公式ツイッターで行われた、ゲームの待受アイコンを決める投票でアサギがイワシに圧倒的に負けたことについて、八島さんは「打倒イワシ!」を掲げた。そして来場者に対しては「皆さんは本作の応援団員みたいな感じで、勝手に心の友だと思っています。これからもよろしくお願いします」とあたたかいメッセージを送った。
社長みずからが登壇、イベントもいよいよフィナーレ
ラストを飾るトークショーでは、日本一ソフトウェアの社長、新川宗平氏が登場。まずは日本一ソフトウェア初の女装ゲームブランド(※ゲームの発売予定はまだない)のプリニー店長をゲストに呼び、『ボク姫PROJECT』のトークが展開。RTキャンペーンを実施中とのことで、RTが伸びれば伸びるほど、さまざまな企画の実現化に近づく……かも? といった話がくり広げられた。
続いて、アプリ版『夜廻』と、フォワードワークスと共同開発中のアプリ『魔界戦記ディスガイア(仮)』の進捗状況が明かされた。とくに『魔界戦記ディスガイア(仮)』は、会場に足を運んでくれた熱心なファンの方のために、ひと足先に本作のティザーPV第1弾がお披露目された。※PV内容の詳細はこちら(https://www.famitsu.com/news/201807/15160859.html)から↓
気になる続報は8月4日~5日に岐阜県で行われるイベント“ぜんため”で解禁するとのこと。ちなみにこの『魔界戦記ディスガイア(仮)』、なんと社長の新川さん自身が2017年の11月ころから単身赴任の命令を自分に出し、大阪の開発室に詰めて開発を行っているほど力を入れているとのこと。この前代未聞の赴任辞令に、来場者からは笑いが漏れた。
そして、イラストレーター陣のサイン色紙が当たるお楽しみ抽選会が開始。13名の幸運な来場者が、激レアなサイン色紙を手にしたのだ。
最後に新川社長が「これから30周年、35周年と続いていける日本一ソフトウェアにしていきたい。これからも応援よろしくお願いします」とあいさつをし、拍手に包まれる中、イベントは幕を閉じた。
イベント終了後、来場者たちと談話を終え、興奮冷めやらぬ新川社長にインタビューを実施した。
新川宗平(にいかわそうへい)
日本一ソフトウェア代表取締役社長。プリニー帽がトレードマーク。
――本日のイベントはいかがでしたか?
新川 熱かったです、いろいろな意味で(笑)。この25年という長いあいだ、毎年のように移りゆくゲーム業界でなんとか生き残ってこれたのも、ひとえにファンの皆様方のお力添えのおかげだと本当に思っています。今回このイベントに1年間かけてやったのも、ファンの皆様に直接お礼を言いたかったというのもあって始めたものなんですが、かなりの数のお客様と直接触れ合うことができて、とてもよかったと思います。
――今日もファンの方といっしょに写真を撮られたり、話をされていましたよね。
新川 そうですね。私だけでなく、うちの開発者や広報だったりを皆様に身近に感じていただいて、ゲームに関してのご意見も直接どんどん仰っていただき、これからのゲーム作りにも反映していけるといいのかなと。そういう関係をファンの方々と築いていけたらいいなと思っています。
――8月4日と5日の“第2回 ぜんため”なんですが、いまのタイミングでイベント内容など言えることはありますか?
新川 日本一ソフトウェアとして、ステージイベントも用意しております。その中でやるかはわかりませんが、今回発表させていただいた『ディスガイア』アプリのムービーは最低限発表させていただきます。それと、岐阜までわざわざお越しいただくお客様に対して、何か新鮮な情報をお届けできればと考えております。もしファミ通さんも実際に取材に来ていただいて、「発表の情報量が少ないぞ?」というツッコミがあれば、その場で言っていただければ私がちょっとフォローするかもしれません(笑)。
――(笑)。ではつぎに、これから30周年、35周年という将来的な日本一ソフトウェアの展望をお聞かせください。
新川 20周年のタイミングまでは、正直なところ、日本一ソフトウェアと言えば『ディスガイア』の名前しかほぼ挙がりませんでした。ですが、今回の25周年では『夜廻』や『嘘つき姫と盲目王子』、『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』と仰ってくれる方もいらっしゃって、挙げられるタイトルが増えたなと感じています。この5年間の活動がひとつの形になったのかなと思っていますので、ここから先の5年間は、いま挙がったようなタイトルをもっと育てていきたいですね。それとは別に「この作品が代表作だね」と言ってもらえる新規タイトルをどんどんコンシューマーで投入していくことが、我々の業界の中でのポジショニングというか、役割だと思っています。今後もしっかりとコンシューマーに軸足を置いてがんばっていきたいなと考えています。
――ちなみに、少し前に実施した週刊ファミ通の日本一ソフトウェア特集のアンケート結果には「『マール王国の人形姫』の続編やリメイクが遊びたいです。そしてシナリオは新川社長でお願いします!」という熱いコメントもありました。
新川 じつは、『マール王国』シリーズというか、ミュージカルRPGに関しては私自身もすごくやりたいと思っていて。とはいえ「普通にリメイクしてもいまどきどうなんだろう?」という思いもあり、新作のミュージカルRPGも出したいなとも考えています。ただ、いまは何とか『魔界ウォーズ』を世に出せましたので、それを家庭用ゲームに向けて発売することも考えなくてはいけませんし。ミュージカルRPGは最近全然やれていませんが、私のライフワークのひとつだと考えていますので、生涯かけて形にしていきたいとは思っています。