『FFXIV』初のPvP公式大会のオンライン予選が開始! ふたりのキーマンに独占取材「参加だけでなく、身近な代表を応援してほしい」

『ファイナルファンタジーXIV』の初となるPvP(対人戦)公式大会が開催。どのようにしてこの大会が生まれたのかを、ふたりのキーマンに直撃した。

 スクウェア・エニックスのMMO(多人数同時参加型オンライン)RPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)は、“新生”してから今年で5周年を迎える。そんな節目の年に、初の公式PvP(※)大会となる“The FEASTリージョンチャンピオンシップ 2018”の開催を発表。

※Player versus Playerの略。オンライン上でプレイヤーどうしが戦うことを指す。一方、コンピューターが制御するキャラクターと戦うことをPlayer versus EnvironmentあるいはPlayer versus Enemyといい、PvEと略す。

 2018年7月3日よりすでにオンライン予選が始まっている(※)この大会は、日本、北米、欧州という3つのリージョンで、それぞれオンラインで予選、セミファイナルを実施。見事セミファイナルを勝ち抜いたチームは、各リージョンで開催されるファンフェスティバルに招待され、そこで初代リージョンチャンピオンの座をかけた戦いがくり広げられる……という流れになっている。

※予選ラウンドは8月14日まで。期間内でランキングを競うので、いまからでも参戦可能。

 なお、日本リージョンでは、ALIENWAREの協賛が決定し、“ALIENWARE Presents The FEAST リージョンチャンピオンシップ 2018 Japan”として本大会を開催する。本稿では、この初の公式PvP大会が生まれた経緯やその内幕を、『FFXIV』のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏、そしてALIENWAREのマーケティングシニアマネージャーである柳澤真吾氏に直撃。ふたりのキーマンが語るesportsの現状など、取り巻く環境についても大いに語ってもらった。

プロフィール

吉田直樹氏(よしだ なおき)

スクウェア・エニックス 開発担当執行役員 第5ビジネスディビジョン・ディビジョンエグゼクティブ。『ドラゴンクエスト』初のアーケードタイトルである『ドラゴンクエストモンスターバトルロード』シリーズのゲームデザインとディレクションを担当。2010年12月に『ファイナルファンタジーXIV』のプロデューサー兼ディレクターに就任。

柳澤真吾氏(やなぎさわ しんご)

2014年にデル入社。コンシューマー&ビジネス統轄本部にて、コンシューマーダイレクトビジネスのマーケティングマネージャーの後、プレミアムゲーミングパソコンブランドの『ALIENWARE』に代表されるゲーミングパソコンビジネスのブランディングとマーケティングを牽引。

――まずは、The FEASTリージョンチャンピオンシップ 2018の開催にいたるまでの経緯を教えてください。

吉田FFXIV』を新生させるときから、3つの柱、つまり(1)PvEのバトルコンテンツ、クラフターやギャザラーに加え、ハウジングなどの要素を含めた(2)世界に住むというライブコンテンツ、そして(3)PvPで、最終的なエンドコンテンツを作るべきという考えかたがありました。『ファイナルファンタジー』というIP(知的財産)がコンソール育ちということもあり、この3つの柱のうちのPvPは定着しにくいだろうと覚悟のうえで、一定のコストを割いて、いろいろなタイプのPvPコンテンツを作ってきました。プレイヤーのフィードバックを受けてシステムを大きく作り変えたり、新しいルールを足したりと、試行錯誤をくり返した結果、4人対4人のザ・フィーストというコンテンツでは、「見てもおもしろい」と感じられるような試合ができるところまで到達できたと思っています。今回はまだワールドチャンピオンシップとまではいきませんが、それぞれのリージョンのナンバーワンを決めるということで、PvPコンテンツの頂点(≒エンドコンテンツ)として目指せるものになったのかなと。今後もこういった施策をやっていくという意志の表れでもあり、いよいよその準備が整ったというのが、今回のいちばんのポイントです。

――ワールドチャンピオンシップまではいかないとのことですが、最初の大会は風呂敷をそんなに広げないという意味合いなのでしょうか?

吉田世界規模でゲームを見ると、MOBA(※)やFPSを始め、日常的にオンライン大会、オフライン大会が開催されています。『FFXIV』チームはゲームを運営することはベテランでも、公式なPvP大会を運営するという経験が一度もありません。たとえほかのゲームの大会を参考にして大規模な大会を開催したとしても、それが果たして参加されるプレイヤーの方や、試合を観戦する方にとって満足のいくものになるのだろうかという懸念がありました。僕はどちらかというと慎重派なので、しっかり各リージョンでナンバーワンを決めるというところまでをやれてから、そのつぎのステップとしてワールドチャンピオンシップを考えていきたい。今回の大会をスタートにして、我々が大会を運営する経験を積み、年単位の時間をかけて徐々に拡充していければと考えています。遠い目標でも、一歩目を踏み出すことが重要だと考えています。『新生FFXIV』もそうやって育ってきましたしね。

※マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナの略。モバと読む。RTS(リアルタイムストラテジー)から派生したジャンルで、プレイヤーがチームに分かれ、味方と協力しながら相手の本拠地の攻略を目指すというものが多い。RTSにおける“軍勢”をプレイヤーひとりひとりが担うというイメージ。

――つぎに向けての経験値を貯めるというのがポイントなんですね。

吉田はい。今回は、自分たちの戦力を見極めたうえで、まずはリージョンチャンピオンシップまでです。それでも背伸びしていると思っている部分があるので、着実に結果を出したうえでつぎのステップに進んで、長期的に見て大きくしていければなと思っています。

――『FFXIV』にとっては大きな大会になるわけですが、デルさん(ALIENWARE)としてはスポンサードを決定した理由はどういったところにあったのでしょうか?

柳澤まず、最近のゲームの大きな潮流として、“視聴して楽しむ”というコンテンツ型のゲームがすごく流行っています。最近ですと、『Minecraft』のようなサンドボックス系のゲームや、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』などのバトルロワイヤル型コンテンツなどが、動画配信サイトを通じて注目を集めています。我々もユーザーの方に「どんなゲームを遊んでいますか?」というアンケートを取っているのですが、上位に上がってくるのは、いわゆるゲーム実況などでも楽しまれているゲームなんです。また、視聴を通して実際にゲームを始めるという人もいて、見て楽しめるというのが、ゲームに求められている条件のひとつになりつつあると感じています。

――確かに、近年、その傾向が強くなっていると感じられますね。

柳澤その中で今回、『FFXIV』のザ・フィーストというPvPコンテンツで、日本、北米、欧州という3つのリージョンでそれぞれチャンピオンのチームを決めていきます。日本一をかけて戦うというのはシンプルに盛り上がれますし、注目も集まってくる。また、ザ・フィーストというコンテンツは、将来的には世界大会の開催が視野に入ってくるような、大きな可能性を感じています。4人対4人の対人戦の視聴しやすい態勢が整ってきて、さらに先ほど話した“ゲームを視聴して楽しむ”といった流れが業界に来ている。そんなときにお話をいただいて、我々としてもおもしろいと感じ、スポンサードさせていただく形となりました。

――近年の流れとマッチしていたというわけですね。

柳澤ALIENWARE自体は、もともとゲーマーが集まり、ゲーム好きが高じてそのまま会社を立ち上げたようなもので、いまでもその雰囲気は変わりません。そのため、プレイヤーの方が真剣にゲームに取り組むためのサポートをしたり、ゲームのコミュニティーに対して投資をするということに、アマチュア、プロ問わずものすごく寛容かつ積極的です。より多くの方が楽しんでいるコンテンツに対して、さらに楽しめるような支援をして、それを通じて我々の存在を知ってもらっています。そうした観点からも、今回のお話は合うなと思ったわけです。

――デルさんはそういう社風なんですね。

柳澤厳密に言うと、デルとしてではなく、ALIENWAREとしての社風ですね。ALIENWAREは2006年にデルに買収されたのですが、マイアミの旧本社はALIENWAREという名前をそのまま残しているんです。そこにはデルという文字がいっさいなく、デル宛の郵便物すら届かないくらいで(笑)。そういったように、けっこう考えかたが独立している部分があって、ゲーマーの文化はいまだに変わらずに生きています。

吉田非常に大きな支援を決めていただいて、こう言ってはあれですが、ちょっとビックリしました(笑)。ザ・フィーストの観戦用のUI(ユーザーインターフェース)を調整したり、大会の運営を考えたりと、準備に追われて時間のない中でお話をさせていただいていて、時間的にギリギリではあったのですが、すごく早く決断いただけたので、とても助かりました。本当にありがとうございます。

柳澤いえいえ、そこは可能性を感じたので!

――ちなみに、柳澤さん自身も光の戦士(『FFXIV』プレイヤーのこと)とお聞きしましたが。

柳澤そうですね。ただ、プレイヤーだからこそ、『FFXIV』の仕事はすごく慎重になって取り組んでいます。長くプレイしているからこそ、公平性を保てるように、意識して一歩引くようにしていますし、この企画を進めて本当に大丈夫なのかというのを、ほかのタイトルと組むときよりもじっくり考えましたね。

吉田それはすごくわかります。僕も取締役と執行役員を兼ねていながら、部門やタイトルの責任者でもあるので、投資判断をどこでするかということを、つねづね公平にやっていかないといけません。柳澤さんが公平にやっていらっしゃるからこそ、今回の企画が通ったと思うので、すごくありがたいです。

世界で大会を開催することの難しさ、法律の壁

――本大会のレギュレーションなどは、どのように決めていかれたのでしょうか?

吉田基本的には、まず僕がコンセプトを決めて、ざっくりと全体の計画を立てました。それを叩き台にして、開発チーム内のPvP担当者と相談しながら、細かいところを詰めていった感じです。『FFXIV』のPvP担当者は、MOBAや格闘ゲームなど、対戦ゲームに精通している人間なので、各ゲームの大会運営やレギュレーションを細かくリサーチしてくれました。

――その担当の方のフィルターを通して、レギュレーションを決めていったと。

吉田日本、北米、欧州の各リージョンは、ワールド数も違えば、データセンターの規模も違うので、そこはバランスが取れるように、僕が基礎を作ってから、その後でPvP担当者と懸念点を調整していきました。いちばん時間がかかったのは、意外かもしれませんが各国の法律関係の調整でした。『FFXIV』のサービス地域と、大会が行える地域というのが必ずしもイコールにはならない場所も出てきてしまうので、そこは本当に苦労しました……。あとは、ファイナルまで進んだプレイヤーの方たちは、それだけでも栄誉のあることなので、ファンフェスティバル会場にどうしてもご招待したかったんです。そのあたりの整備にも時間がかかりましたね。ここで丸2ヵ月は費やしたと思います。

柳澤法律関係は、欧米のほうが緩いのかと思っていました。

吉田いえ、とくにヨーロッパは国の数が多いので……。

柳澤細かいところを詰めていく段階になって、意外なところで法律が壁になったりするんですよね。

吉田そうなんです。スクウェア・エニックスが契約している弁護士がその国にいないから、法律がリサーチできないということもありました。この国は大丈夫だけど、この国だと明確に法律に引っかかるとかもすごく多かったですね。

――具体的な例を教えていただけますか?

吉田ファイナルまで進出すると、実際に移動(滞在場所によっては国単位になる)をしていただくことになるので、その調整が大変でした。年齢制限区分が国によってもぜんぜん違うので、そこも苦労しましたね。たとえば、『FFXIV』は日本では15歳以上であればプレイ可能ですが、北米だとラスベガスでファイナルを実施するので、未成年のプレイヤーをひとりでラスベガスに来させるわけにはいかない。親御さんの同伴と同意がなければ出場できないようにすることも考えましたが、それで同伴できなかった場合はどうしようとか、いろいろと考えさせられました。大会を開催することに慣れていらっしゃるメーカーやコミュニティーだと、専属のマネージャーを雇って、その方に出場者のアテンドまですべて任せるそうなのですが、我々はまだそこまではできません。そのため、各リージョンでルールをひとつひとつ整えていきました。

――準備をする段階でも、相当な経験が待っていたと。

吉田実際に準備を進めてみて、これは大変だなと(苦笑)。

――そのあたりは、実際に運営してみないとわからないですよね。

吉田そうですね。あとは、各リージョンで細かいルールが違えど、ファイナリストの“格”は揃えてあげたいという思いがありました。その釣り合いを取りながら、日本では景表法(景品表示法)という法律がある中で、どうやってプレイヤーを称えてあげるのか、参加モチベーションをどう生み出すのかということに関してはかなり悩みながらも詰めていきました。フリートライアル(※)のプレイヤーも出場できるようにすることで、景表法の制限がかからないようにできないかも検討したのですが、月額課金をされたうえでこの大会を目指している方も多くいらっしゃいます。とくに欧米からは「早く大会をやってくれ」と言われていて、それに応える大会でもあったので、少なくとも今回はフリートライアルでの参加はなしにしたいというのが僕の中にありました。ただ、今大会の反応を見て、次回以降は門戸を開くかもしれません。

※『FFXIV』はレベル35までを無料でプレイでき、PvPコンテンツにはレベル30から参加できるようになる。つまり、フリートライアル中でもPvPコンテンツが楽しめるというわけだ。フリートライアルの詳細については、公式サイトを参照。

――世界規模の大会を開催するにあたって、『FFXIV』におけるPvPコンテンツの立ち位置を改めてお聞かせください。また、今後の計画についてもお話しいただける範囲で。

吉田コンテンツの比率として大小はありますが、『FFXIV』を支えるひとつの柱であることは変わりません。日本の『ファイナルファンタジー』好きの方たちからすると、PvEに全コストを投入してほしいという声があるというのは重々承知しています。ですが、PvPに比重を置いている方もたくさんいらっしゃいます。“絶”シリーズ(※)という超高難度コンテンツに全員が挑戦するかというと、そうではないわけで、そこはイーブンに見ていただきたいなと。いままでは、PvEの高難度コンテンツのワールドファーストチームに対してインタビューしていただいたり、フォーラムやTwitter上で最速クリアーを公認してきましたが、いよいよPvPでもそういったことがオフィシャルでできるようになります。今後については、もちろんザ・フィーストのアップデートを続けていきますし、現在は、パッチ4.15で実装して好評だった2勢力がぶつかり合う大規模PvPコンテンツ“ライバルウィングズ”に続く“ライバルウィングズ2”の開発を進めながら、ザ・フィーストの運営に力を割いているという状態です。そういった形で、『FFXIV』の世界にログインしたら、遊び場がたくさんあって、その遊び場をスイッチしながら遊ぶという運営方針は続けていきたいです。『FFXIV』にはたくさんの遊戯施設があって、その中のひとつにPvPという大きな公園があると思ってもらえるとうれしいですね。

※パッチ4.1で初めて実装されたPvEの超高難度コンテンツシリーズで、未曽有の緊迫したバトルが展開する。パッチ4.1では“絶バハムート討滅戦”、パッチ4.3では“絶アルテマウェポン破壊作戦”が追加された。挑戦するだけでなく、トッププレイヤーが奮闘する様子を視聴して楽しむという流れも生まれた。

――絶シリーズというコンテンツが追加されて、『FFXIV』のプレイを視聴するという文化が急速に進んだ印象があります。今回のザ・フィーストの大会も注目を集めそうですが、視聴の場のようなものは用意されたりするのでしょうか?

吉田今後の『ARTV(※)』に関しては、大会終了までALIENWAREさんにスポンサードいただき、ゲームキャスターの岸大河さんとともに、高性能なPCでザ・フィーストをプレイしていきながら、オンライン予選を随時追いかけていきます。各データセンターの代表チームが決まった時点で、すべて完全中継のオフライン大会を、実況も交えて大々的に開催しようと思いますので、参加する方だけでなく、見て楽しむという人も、ぜひ応援していただきたいなと。

※正式名称は『アドレナリンラッシュTV』。『FFXIV』の公式PvP応援番組。プロジェクトマネージャーの森口氏のほか、ゲームキャスターとして活躍する岸大河氏が実況、解説を行いながら、PvPのイロハが学べる番組となっている。

日本のesportsがはらむ問題。プレイヤーやコミュニティーが楽しめる大会にしたい

――近年、esportsという言葉をよく耳にするようになりました。こうしたシーンについて、おふたりはどのように感じていらっしゃいますか?

柳澤PvPコンテンツというと、業界的にはesportsという言葉一色な感じはあるのかなと。ただ、esportsと題して取り扱われているタイトルが、すべてのゲーマーの方の意見を反映しているわけではないと思っています。とくにいまの日本においては、esportsという単語があればものすごく盛り上がっているように見えますが、すべてのプレイヤーが求めているものではないものもあったりします。もちろん、裾野を広げるという意義はありますが、それ以外のPvPタイトルも、もっと広がっていったほうが、より多くのゲーマーの方に対してタッチできるんじゃないかなと。

――esportsという言葉自体、さまざまな解釈がありますし、定義も曖昧ですよね。

柳澤ですから、いまのesports一極というのは、もうちょっと引いてみたほうがいいのかなと思ったりもします。我々もつねに考えて、いろいろなユーザーの方に対して支援できればと思っているので、いまはすごく難しい時期だなと。もちろん、esportsという言葉に対して否定的ではないですし、盛り上がってくれることによって門戸が広がると思いますので、応援したいという気持ちは強いです。ただ、気になる部分があるというのも事実です。

――果たしてその視線の向こう側にプレイヤーやコミュニティーがいるのか、ということですよね。

柳澤そういうところはあります。実際にコミュニティーが自発的に大きくなっていない中で、外からの投資で盛り上がりが演出されることもありますが、その場合、投資がなくなると同時に終了してしまうという話も伺います。ユーザーの方も、その流れに慣れていると、コミュニティーなんてなくてもいいやと思ってしまう。高額な賞金についても、ゲームは楽しむものなのに、お金を稼ぐことばかりフォーカスされているのも変だなと。もちろんesportsは大切ですけど、我々としてはほかのコンテンツもカバーしていきたいですし、そういったところで活動しているゲーマーに対しても、お手伝いをしていきたいです。

吉田僕もまったく同意見です。だからこそ、今回の大会はesportsという言葉を一切使わず、単純に『FFXIV』のザ・フィーストというコンテンツのリージョンチャンピオンシップ、とシンプルに銘打っています。サッカーや野球のことを、わざわざスポーツと呼びませんよね? サッカーはサッカーであって、野球は野球であり競技です。プロゲーマーの環境整備を目指すなら、景表法というものをデジタルコンテンツに関しては書き換えるくらいのことをしていただきたいのですが、かといってその動きがあるわけでもない。すごく“形”が先行されているというのが気にはなってはいます。

――確かに、esportsという言葉が先行している印象はすごく強いですね。

吉田今回、ALIENWAREさんを始めとして、いろいろなメーカーさんのご協力のもと、大会を開催します。デバイスであれば、日本国内だとRazerさんに大きな協力をいただいています。そうした支援の輪が集まり、結果として競技性が高くなり、認知度が上がったときに、自然とesportsと呼ばれるのが理想だと思っています。まずあるべきなのは、ゲームがおもしろいかどうか、それに熱狂するプレイヤーがいるか、それを見て楽しむ視聴者がいるかというところであって、それが結果としてesportsと呼ばれるようになるのが自然な流れなのかなと。だからこそ、大会の運営に慣れていない我々が、各メーカーさんのご協力をいただきつつ、プレイヤーの方々と一緒に運営側も成長させていただく……この経験をつぎにつなげ、一歩ずつ着実に進んでいきたいという思いが強いです。

――焦って進まない、と。

吉田続けることが何よりも大事かなと。その流れをきちんと作っていくことが、まずやらないといけないことだと思っています。最初から大きく展開するというのも、もちろん間違ってはいないかもしれませんが、たとえば東京六大学対抗戦みたいに、見ている人たちにとって応援しやすさを意識することも重要なのではないかと。やはり、“○○代表”のように、何か冠があるチームのほうが応援しやすくなりますし、そういうところから一歩ずつ、形を作っていくべきだと思うんです。真剣に熱意を持って取り組んでいるコミュニティーを支援して、一緒に成長していく。その先に成功とかお金というものがついてくるのだと思います。

――では最後に、まだ参加しようか迷っている方、見てみようと思っている方に対してメッセージをお願いします。

柳澤今回、我々としても『FFXIV』という大きいゲームの中で、こういう形で日本一を決めたり、プレイヤーが表彰されたり、応援される場面を作るというのは、ものすごくおもしろい試みだと思っています。もしかしたら自分のフリーカンパニーだったり、ハウジングエリアで隣に住んでいる人が勝ち進むかもしれません。そういった身近な対象を応援できる機会は、すごくおもしろいのではないでしょうか。ましてや、その気になれば、自分も出る機会があるのがさらにおもしろい。ザ・フィースト自体はやったことはないけど、フロントラインやライバルウィングズといった大規模なPvP自体は遊んだことがあるという方も多いとは思うので、ぜひこれを機にチャレンジしていただきたいなと思います。プレイは苦手……という人は、自分と同じワールドやデータセンターなど、身近な応援の対象を見つけて視聴するという楽しみかたをしてもらいたいなと。参加する側だけではなく、見る側の人にもぜひ注目してもらいたいなと思います。

吉田各データセンターにPvPコミュニティーというものが存在していて、データセンターをまたいで、ワールドを移動しながらPvPを楽しんでくださっている方々もいます。もちろんそういった方たちだけでなく、せっかくのオフィシャル大会ですから、勝ち進める、進めないは抜きにして、PvEの固定パーティのような形で、ぜひ1勝でも多く、レーティングひとつでも高く、というところを目指して、競技に参加していただけるとすごくうれしいです。参加することに意義があると思いますので、ぜひ気軽に参加していただければなと。また、先ほども話しましたが、オンライン予選開始以降は『ARTV』のほうでランキングの状況だったり、セミファイナルに向けての指南だったりと、いろいろなことを展開していこうと思っています。参加を見送った方は『ARTV』を見ていただいて、まずそこからPvPのルールを知ってもらって、ザ・フィーストへの入り口にしていただければ。両チームのプレイヤーがどんなアクションを使っているかなども、観戦しやすいようにUIを細部まで調整していますので、番組を見ながら、自分と同じワールドやデータセンターのチームを見つけて応援していただきたいと思います。見るもよし、参加するもよしなので、とにかくこの大会を楽しんでいただきたいですね。