2018年7月13日に発売を控える、Nintendo Switch用完全新作RPG『オクトパストラベラー』。スクウェア・エニックスとアクワイアが手掛ける本作について、ファミ通.comでは、主人公ひとりひとりをレビューするカウントダウン企画を連載中。
今回は、盗賊テリオンをピックアップ。クリフランド地方に流れ着いた彼の出自は、誰も知らない。神出鬼没のテリオンの噂は、貴族や富豪たちを震え上がらせた。ある日、彼はとある屋敷に忍び込む……。
家でごろごろしている父親は、盗賊です
Text by ジャイアント黒田(ライター)
うちには小さな泥棒さんがいる。5歳になる息子だ。彼のターゲットは、おもに父親である筆者のおかずやおやつ。彼の好物であるウインナーや唐揚げ、ショートケーキのイチゴがなくなっているときは、大体息子が犯人だ。筆者の前でも堂々と盗み食いをする、大胆不敵な大泥棒(=嫁)には何も言えないが、息子には「とっちゃダメだよ」と、人の道を説いている。
……だが、すまん息子よ。じつは父ちゃん、盗賊なんだ。しかも、オルステラ大陸のクリフランド地方を騒がせる、ちょっとした有名人なんだぜ。
父ちゃんは、狙った獲物は絶対に逃さない。たとえば、敵から盗めるアイテム。ふつうに“盗む”を実行すると、盗める確率は極めて低い。運を天に任せてチャレンジしてもいいが、父ちゃんに言わせると、盗賊として三流の仕事だ。敵からアイテムを盗むときは、まず弱点を突いて相手を“ブレイク”させる。これだけでも、盗める確率はグッと上がる。だが、ここで焦るのは禁物。つぎは“コマンドブースト”の出番だ。ブーストを増やすたびに、盗める確率はぐんぐん上昇していき、最大までブーストすると、ほぼ確実にアイテムをゲットできるって寸法さ。
ただ、フィールドコマンドの“盗む”で、町人たちからアイテムをいただくのは、凄腕の父ちゃんでも手を焼く。無防備な町人(=“盗む”の成功確率が高い相手)を狙うぶんには問題ないんだが、町人の中には警戒心の強い人間(=“盗む”の成功確率が低い相手)もいる。しかも、そんなやっかいな町人に限って、ぜひとも手に入れたい逸品を持っていることが多い。
“盗む”が失敗すると、町との関係性が悪化するので避けたいところだが、目の前のお宝を逃すのは盗賊の名折れ。だから父ちゃんは、学者サイラスや薬師アーフェンといった仲間に頼ることにした。サイラスの“探る”、アーフェンの“聞き出す”は、町人からさまざまな情報を聞き出す、非常に有益なフィールドコマンド。得られる情報の中には、その町での“盗む”の成功確率がアップするというネタも。こいつを聞き出せれば、はっきり言って父ちゃんの勝ち! とくに強力な装備品を手に入れたときの感動はひとしおだ。
このように、本作ではただ“盗む”だけではなく、いかにスマートに盗めるか、試行錯誤できるのがおもしろい。楽しい盗賊ライフを、もう少し大きくなった息子と話すのが待ち遠しい。本作は長年語り継がれる名作になるだろう。先輩トラベラーとして息子やその友人を導きたい。
テリオンのフィールドコマンド“盗む”
テリオンは、町人が持つアイテムを“盗む”ことができる。店では売られていない貴重なアイテムを入手できるほか、誰かが必要としているものを盗み出して渡し、その見返りを得るといった、盗賊らしい旅も楽しめる。
テリオンの固有アクション“開錠”
オルステラ大陸の各地には、宝箱が置かれている。宝箱にはいくつか種類があり、その中には“鍵付きの宝箱”も存在。テリオンの“開錠”は、この鍵付きの宝箱を開けられる固有アクションだ。
明日(2018年7月12日)は、狩人ハンイットを紹介!
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