Trion Worlds, Incが開発し、DMM GAMESが2018年4月19日に発売したプレイステーション4用ソフト『TROVE』。箱庭系・クラフト系のゲームで馴染みのあるボクセルアートのゲームだが、本作のジャンルはMMORPGとなっている。いったいどういったゲームなのか、MMORPG大好きライターである筆者が実際にプレイ。さまざまな視点から本作の魅力をお届けしていく。
『TROVE』ってどんなゲーム?
すべてがキューブで形成された不思議な世界を冒険する、基本プレイ無料のMMORPG。大きく分けると“クラフト”、“冒険”、“育成”という3つの要素があり、プレイヤーはさまざまな方法で『TROVE』の世界を楽しめる。キューブを使って自分だけの建物を作るのもヨシ、16種類のクラスから好きなものに転職してモンスターを倒しまくるもヨシ、ひとりでまたはほかのプレイヤーとともに広大なフィールド・ダンジョンを冒険するのもヨシと、自分が思い描いた遊びを体感できるのだ。
『TROVE』プレイリポート【クラス編】 多彩なクラスとシンプルな操作性
まず最初に驚いたのが、クラス(職業)の豊富さ。本作では現在16種のクラスが用意されており、解放すれば、以降は自由にクラスチェンジが可能。ゲーム開始直後は、スタータークラスのナイト、ガンスリンガー、 キャンディーバーバリアン、ブーメレンジャー、トゥームレイザーの中からクラスを選択する。ほかのゲームで脳筋プレイばかりしている筆者だが、今回は気分を変えて遠距離攻撃が得意なガンスリンガーをチョイス。ちなみに、クラスはゲームを進めていくともらえるアイテムで解放していける。「いますぐにほかのクラスも解放したい!」という場合は、アイテム課金で即解放する手もある。
各クラスには5つの能力があり、レベルを上げることで解放され、発動できるようになる。ガンスリンガーの場合は、Lucky Shot(パッシブスキル)、Charged Shot (スキル)、Blast Jump(スキル)、Run and Gun(スキル) 、Overcharged(スキル) という能力が使えるようだ。
どのジョブもひとつのパッシブスキルと、4つの通常スキルで構成されている。補足しておくと、パッシブスキルとは特定の条件下で自動発動するスキル。通常スキルは、プレイヤーの任意で発動タイミングを選べる。スキルを発動すると、クールタイムという再発動までの準備時間が発生するので、それらを考慮しながら立ち回る必要があるぞ。
ほかのMMORPGを遊んでいるプレイヤーは、おそらく「スキルの種類が少ない」と思っているかもしれない。たしかにほかのゲームと比べると、やや少ないかもしれない。しかし、それゆえに複雑な操作がなく、割り当てられたボタンを押すだけで本格的な戦闘を楽しめる。アクションゲームやMMORPG初心者のプレイヤーでもとっつきやすいゲームシステムが、『TROVE』の特徴であり魅力でもある。
基本攻撃はR2ボタンで行い、スキルはL2、R1、L1、○ボタンに割り当てられている。オプションで割り当てを変更することもできるので、自分好みにカスタマイズしよう。また、空中で×ボタンを長押しすると翼が出現し、滑空することができる。高いところで使えば、優雅な空中散歩を楽しめる。
『TROVE』プレイリポート【冒険編】 遊び出したら止まらない装備品集めがアツい!
『TROVE』には、永久凍土や恐竜が闊歩する密林、近未来的な都市など、さまざまな特色のワールドが存在する。敵を狩らずに、ひとりでワールドの景色や建造物、オブジェクトを眺めながら散策するのもありかもしれない。
とはいえ、本作はMMORPG。やっぱりほかのプレイヤーといっしょに遊んでみたい! しかし、筆者は、コミュニケーションがやや苦手なタイプ……。知らないプレイヤーに声をかけて、パーティーを組むのはちょっとハードルが高い……そんなワガママなプレイヤーでも安心してほしい。本作には、筆者のようなプレイヤーにも安心のシステムが用意されている。
その名も“ラリーブレード”。これは、同じワールド内にいるほかのプレイヤーのもとにワープできる、非常に便利な装置。これを使えば、ほかのプレイヤーが戦っている戦闘に参加できるのだ。パーティー自体を組むわけではないので、コミュニケーションが苦手な人でも安心。ワープしたらいっしょに敵と戦い、その人についていく形でワールド中を冒険すればいいのだ。
「パーティープレイじゃないじゃん!」というツッコミもあるかもしれないが、本作ではパーティーを組んでいないプレイヤーが徒党を組んで、敵を倒してまわることも珍しくない。もちろん、チャットで話しかけてパーティーを組むこともできるので、その遊びかたはプレイヤー次第だ。
そこで気になってくるのが、パーティー外での戦利品の扱いについてだ。MMORPGでは、倒した本人またはパーティーメンバーでないと経験値や戦利品は得られないことが多い。本作は、その場に入ればパーティーを組んでいなくても経験値がもらえるし、戦利品は個別にドロップされるので、自分のペースで戦利品を回収できる。
本作では、ワールドやダンジョンの敵を倒すと、経験値に加え、武器や防具といった装備品をドロップすることがある。この装備品を集めるのがとにかく楽しい!
装備品は、ワールドに点在するダンジョンをクリアーして集めるのが基本なのだが、ダンジョンの構造が比較的シンプルなため、迷うこともなく、攻略に時間がそれほどかからない。挑戦するプレイヤー数や、クラスのレベルにもよるが、最短で1分前後でクリアーできることもある。そのため、ダンジョン巡りをするだけでインベントリがパンパンになるくらいの装備品が手に入るのだ。しかも装備品には、レアリティがあり、付与される能力はランダム。いわゆるハックアンドスラッシュのような楽しみがある。
「虹色武器が出た!」、「レアリティは低いけど性能がイイ!」、「レアリティが高いのに能力が微妙……」そんな一喜一憂があり、装備品との一期一会をつねに楽しめるので、ついついダンジョンを巡って装備品を集めてしまう。強力な装備を手に入れると、パワーアップしたクラスの力を実感できるのもおもしろいところだ。そして不要な装備品は、分解すれば別の装備品の強化素材になり、かつ装備品をコレクションすることができる。いくら集めても無駄にならない点もありがいたい。
『TROVE』プレイリポート【建築&クラフト編】 オンリーワンのものを作る!
ワールドにあるコーナーストーンで□ボタンを押すと、自分だけのマイホームが出現する。最初は黄色と緑色のキューブで構成されたデフォルトの家が出現。ここに手を加えたり、壊したりして新しい自宅を作り直すこともできるぞ。限られた敷地内でどういったものを建築するかは、プレイヤーの創造性に委ねられている。ちなみに、建築が苦手という人は、デフォルトの家に2階を足すなど、増築という形でマイホームを広げていくのもありだ。壁にアイテムを飾って内装を華やかにするのもいいだろう。
「もっと広い場所で建築したい!」というプレイヤーは、クラブワールドがオススメ! ここはクラブと呼ばれるチームに所属しているプレイヤーであれば、誰でも利用できるワールド。自分の好きな場所にブロックを置けるので、コーナーストーンではできないような、巨大な建物やオブジェクトを生み出すことができる。
また、クラフトベンチを用いることで、ブロックや装飾品、はたまたワールドへ移動するためのポータルなどを作ることもできる。素材は各ワールドで集められるので、冒険の合間に集めておこう。作ったアイテムは、コーナーストーンやクラブワールドに自由に配置可能だ。
『TROVE』プレイリポート【ミニゲーム編】 さまざまな遊びが用意されている!
ほかのプレイヤーといろいろなもので腕を競い合う“チャレンジ”というコンテンツもおもしろかった。これは、一定時間ごとにイベント的に発生するもので、クリアーすることでトレードでは入手できないアイテムをゲットできる。筆者が確認できたのは、エリア内に出現するコインを集める“コインチャレンジ”と、特定のワールドに出現した侵略者と戦う“ランページチャレンジ”のふたつ。ほかにも、滑空しながら空中に出現する輪を潜り抜ける“レーシングチャレンジ”などもあるようだ。冒険の合間の息抜きにもなるうえに、レアな報酬もゲットできるので、積極的に参加しておきたい。
戦いに疲れたら釣りをしながら、まったりとした時間を過ごすのもいいだろう。水のあるところで□ボタンを押し、ルアーを投げ入れ、魚が食いつくのを待とう。少しすると浮きが沈むので、そのタイミングで□ボタンを押すと、魚を釣り上げることができる。釣った魚は解体することで、キャラクターの成長に役立つポイントに変換される。
『TROVE』プレイリポート【番外編】 『TROVE -きらきらトレジャーパック-』でスタートダッシュ!
2018年5月24日に発売されたパッケージ『TROVE -きらきらトレジャーパック-』には、およそ3500円分がお得になった特別なパックである“きらきらトレジャーパック”のプロダクトコードが封入されている。
プロダクトコードを入力すると、クラスキット、スターターカオスパック、750クレジット(ゲーム内通貨)が獲得できる。クラスキットは、キャラクターの見た目を変更できるスキンや、特別なマウント、ペットなどが入っている。とくにペットのトロヴィアントラッカーハウンドは、尻尾を振りながらつねにプレイヤーを追いかけてくる愛らしい存在。しかも連れて歩くことで、キャラクターの最大HPや攻撃力が強化されるのもうれしいところだ。また、マウントの“レディアントヴァンガード”ジェリンは、ゲーム開始直後にもらえるマウントよりも移動速度が速いので、ワールドやダンジョンをよりスムーズに移動できる。
すべてのプレイヤーが自分だけの冒険を楽しめるゲーム、それが『TROVE』
『TROVE』を遊んでみて感じたのが、本作はMMORPGではあるが、スタンドアローンゲームのように他人に左右されずに自分のペースで遊べる一面がふんだんにあるという点だ。コツコツと“クラスレベルを上げる”、“装備品を集める”、“建築に勤しむ”といった遊びができ、コミュニケーションが苦手な人でも楽しめる。そういった点では、オンラインゲームやアクションゲームに慣れていないプレイヤーでも気軽に入っていける内容だと思う。ゲームに慣れたら友達を増やしたり、クラブに所属すれば、遊びの幅がさらに広がるはずだ。
また、ハックアンドスラッシュのような装備収集要素や16種のクラス育成、コーナーストーンやクラブワールドでの自由度の高い建築など、ガッツリと遊び込める要素も多数用意されているので、MMORPGやボクセルアートが好きなプレイヤーにもオススメだ。