“ファミキャリ!会社探訪”第61回はジークレスト!
ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。第61回となる今回はジークレスト!
2003年11月に設立されたジークレストは、多彩なラインアップを誇るサイバーエージェントグループのゲーム事業において、2015年の配信から3周年を迎えた『夢王国と眠れる100人の王子様』(以下、『夢100』)や『茜さすセカイでキミと詠う』といった、女性向けのゲームが大ヒット中だ。今回は、2017年10月に代表取締役社長に就任した大辻純平氏に話を聞いた。
“コンテンツ愛”を原動力に、女性向けゲームナンバーワンを目指す
代表取締役社長
大辻 純平氏
――最初に大辻さんの経歴を教えてください。ゲーム業界を志したきっかけや、現在に至るまでの経緯について、また、現在の業務内容についても簡単にお答えください。
大辻純平氏(以下、大辻) 2007年に新卒でサイバーエージェントに入社しました。ブログサービス“アメブロ”の制作部署に入ったのですが、当時、日本でブログをマネタイズしていた会社はどこにもなく、どのようにマネタイズしていこうかと考えていたときでした。そんな中、“Ameba”というプラットフォームを作り、さらにそこに課金サービスを作ろうという流れがあり、新規事業をいくつか検討するなかで、ゲームを作ってみたらどうかと提案したところ、やってみようということになりました。ユーザーは女性が多かったので、女性向けのゲームを作っていました。その後、プラットフォームを大きくしようということになり、女性だけでなく、男性ファンも意識するようになり、そのタイミングで『ガールフレンド(仮)』などが生まれました。
――男性向けも、女性向けも手掛けた経験があるわけですね。
大辻 そうですね。そうしてAmebaにおける内製ゲームの製作部署を立ち上げたのですが、部署ごと子会社化したのが、現在『オルタナティブガールズ』などを運営しているQualiArtsという会社です。2017年までQualiArtsで取締役をやっていました。そのころジークレストでは『夢100』がヒットしていて、さらに「女性向けゲームマーケットで1番を取りに行こう」としていました。その時、女性向けゲームの市場が広がってきていたのを受け、ジークレストに貢献したいと思い、みずから異動希望を出し、2017年5月にジークレストに異動してきました。
――ジークレストには、外部からどのようなイメージをお持ちでしたか? また、異動して約1年経ち、その印象は変わりましたか?
大辻 やはり『夢100』がヒットしていた印象が強かったですね。私も女性向けタイトルに携わった経験があるので、女性向けゲーム市場の規模感は想像できたのですが、『夢100』はそれを大きく上回っていたので、新しいコンテンツを作る能力が高いのだろうと思っていました。実際に異動してきて、キャラクターやコンテンツへの愛がとにかく強いと感じました。自分たちでキャラクターを生み出し、育てている感覚が強い人が多く、細かいところまで、こだわりが強い。ジークレストの強みは、そうした“コンテンツへの愛”だと考えています。
――現在の男女比はどのくらいですか?
大辻 女性が6割です。女性スタッフはシナリオやイラストの制作メンバー、男性はエンジニアや企画が多いです。狙って配置しているのではないのですが、キャラクターや世界観を女性スタッフが生み出し、男性スタッフがそれをしっかりと形にしていく……というバランスになっています。中途採用のスタッフに加え、新卒採用も行っています。若い力で会社を盛り上げようという、サイバーエージェントグループの文化もありますので、それにフィットしそうな方を採用するようにしています。
――女性向けコンテンツがとくに人気ですが、御社がゲームを開発するにあたり、大切にしていることや心掛けていることは何ですか?
大辻 会社の特徴として、キャラクターや世界観をこだわって作り、守っていくことを大切にしています。お客様から見ると、その部分がしっかりしていないと、いずれどこかで見放されてしまいます。お客様の中にキャラクター像ができ上がっていることもあるので、少しでも設定がブレてしまうと、お客様の熱も冷めてしまいます。生きているキャラクターを提供していることを最重要視しています。お客様が第一であり、そのお客様が望んでいるキャラクターや世界観を表現し、守っていくことが重要だと思っています。