『モンスターハンター:ワールド』クリエイターインタビュー完全版(PART.01)――まだまだ進化し続ける『MH:W』

週刊ファミ通2018年4月19日号(2018年4月5日発売)では、2018年1月26日に発売された、カプコンのハンティングアクションゲーム最新作『モンスターハンター:ワールド』の開発陣インタビューを掲載した。その完全版をお届け。

 週刊ファミ通2018年4月19日号(2018年4月5日発売)では、2018年1月26日に発売された、カプコンのハンティングアクションゲーム最新作『モンスターハンター:ワールド』(以下、『MH:W』)の記事を掲載した。本稿では、記事内で実施したスペシャルインタビューPART.01の完全版をお届けしよう。インタビューに応じていただけたのは、こちらのお三方。

モンスターハンター:ワールド』プロデューサー……辻本良三氏(文中は辻本)
モンスターハンター:ワールド』エグゼクティブ・ディレクター/アートディレクター……藤岡要氏(文中は藤岡)
モンスターハンター:ワールド』ディレクター……徳田優也氏(文中は徳田)

インタビュー実施日……2018年3月19日

 続きの記事:『モンスターハンター:ワールド』クリエイターインタビュー完全版(PART.02)――細部まで緻密に作り込まれた『MH:W』の世界

左から、辻本氏、徳田氏、藤岡氏。

シリーズ作品として、その先を見据え、歩み続けるために

――『MH:W』の開発の経緯についてお聞きします。最近では携帯ゲーム機中心の展開でしたが、再び据え置き機用として開発することに社内で反対意見などは出ましたか?

辻本 (反対意見も)なくはなかった……ですね。長らく据え置き機で出していませんし、ワールドワイドで出すのも初ですから、心配する声というのは確かにありました。単純なシリーズ最新作というわけではなく、『モンハン』シリーズ全体の将来も考える必要がある大プロジェクトゆえに、社内でもさまざまな意見が交わされましたね。しかし、“最新技術を使って『モンハン』を作る”というのは、いずれシリーズとしてやるべき、そして進むべき道であったと思うんですよ。試作も2回ほど延長したのですが、次第に「これはおもしろそうだ」と言ってくれる人間も出てきて、弾みがついて。最終的には、皆で協力して一丸で……という体制になったんじゃないかなと。

今後、10年後にもシリーズが続いていたら、「あのとき思い切って『MH:W』プロジェクトを進めてよかったな」という話になるのではと思っています。

――そんな『MH:W』の、無料大型タイトルアップデート第1弾が、先日実施されました。これについてお話をお聞かせください。

辻本 現在、ユーザーの皆さんはもう驚かれた後だと思うのですが、いろいろな意見や要望を汲んだうえでのちょっとしたサプライズがありました。

徳田 “歴戦のイビルジョー”のイベントクエスト配信ですね。こちらは配信予告にも入れていない、完全なサプライズ配信です。イビルジョー自体は、バゼルギウスとほぼ同格で、確かに非常に強いモンスターではあるのですが、古龍種と比べると、一段格下になります。ですから、アップデート配信後は、手応えはありつつも、わりとふつうに狩れてしまうユーザーさんが多いんじゃないかなという思いがありました。また、現状ですと龍脈石などカスタム強化に使用するアイテムが欲しいという要望が非常に多かったんです。

――欲しいです!(食い気味に)

徳田 (笑)。そういった要望も鑑みた結果、歴戦のイビルジョー出現クエストを、カスタム強化用素材が手に入りやすい報酬テーブルに設定し、期間限定で配信させていただきました。このクエストは、2018年4月6日(金)から開催の“アステラ祭【開花の宴】”でも配信されますので、やり逃してしまったという方は、ぜひ挑戦してみてください。

辻本 本当、急遽決まった企画なんですよ。サプライズというか、イベントリストに入っていないのは、単に間に合わなかったという部分もありまして……。

――いろいろな種類の武器を使っていると、カスタム強化の素材が全然足りなくなってしまうので、これはうれしいですね。

辻本 ハンマーメインの僕もようやく武器をひとつ、カスタム強化できたくらいなので、武器を複数使う方は足りなくなるでしょうね。やっぱり回復のカスタム強化をする人が多いのかな?

徳田 プレイスタイルによりけりですね。攻撃、会心、回復……スキル構成によってかなりバラけた結果が出ていまして、すごくいい傾向かなと。

藤岡 絶対に力尽きない装備を組んでいる人も多いですね。

徳田 回復カスタムの武器と“フルチャージ”を組み合わせて、攻防一体の装備にしている人もいますね。“ガード性能”などを発動させて防御面を固めて、まるで要塞のように立ち回っている人もいたりとか。

藤岡 いわゆる“ゾンビキャラ”ですね。ネルギガンテのように再生しまくりという(笑)。その辺は、まさにプレイスタイルによって差が出てきておもしろいところかなと。

――強化の種類には迷ってしまいますね。そもそも、このカスタム強化はどのようなコンセプトで導入されたのでしょうか?

徳田 『モンスターハンター4G』の“極限強化”などと同じく、一定の段階まで作り切った装備であっても、自分のプレイスタイルに応じて改良を施せるようにすることで、その装備への愛着や違った魅力を引き出していけるようなシステムを入れたかったんです。ユーザーさんからも楽しんでいるとの声をいただけて、非常にうれしいですね。

――なるほど。アップデートでは、大規模な武器性能調整も行われました。そういった調整はデリケートな部分かと思われますが、やはり決断には悩まれましたか?

徳田 そうですね。以前にも斬裂弾に関する調整を行いましたが、結論から言えば、相当に悩みました。まず、ボウガンが海外の……それも初心者の方が多く使われるであろうという想定がありまして。そういった、まだゲームに不慣れな人でも、それを使うことで先に進められる攻撃手段……要は救済措置的な位置付けに斬裂弾を置いておいたんです。しかし、エンドコンテンツの攻略でもそれが最適解であり、それ以外は不要であるといったような使われかたになってしまって。当然、それはこちらの調整不足で弁解の余地もないのですが。そして、“どのような調整なら、さまざまな問題点を解決できるか”を考え、テストをくり返しながらかなり慎重に調整をさせていただきました。

――なるほど。それぞれの攻撃に使いどころを残しつつ調整するのは難しいでしょうね。

徳田 難しいですね。アップデートでの調整は、こちら側でブレーキをかけ過ぎてしまい、あまり使われていない要素があったので、それを使いやすく調整し、各武器の魅力がより広がるようなものにしたいという考えがありました。いまであれば、新しい武器に手を出そうとする人も多くいらっしゃると思うので、いいタイミングだったのではと。

――ちなみに、アップデート実施後は、どの武器が人気が出ると思いますか?

徳田 人気が出るかはともかくとして、ガンランスはかなり使いやすくなりますし、使っていて楽しくなると思います。個人的にはイチオシですね。

辻本 ハンマーも、かなりモンスターを気絶させやすくなっています。これまでよりもっと頭を狙っていきたくなるというか。

藤岡 操虫棍なども、最近人気が出てきている武器なんですが、今回の調整でもっと人気が出る可能性がありますね。これを機に、いろいろな武器を使っていただけるとうれしいです。

――自分はガンランスの使用回数だけが少ない状態ですが、今後はメインに使っていきたいと思います(笑)。

徳田 ぜひ使ってください!