“ファミキャリ!会社探訪”第59回は面白法人カヤック
ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。第59回となる今回は面白法人カヤック!
1998年に合資会社カヤックとして設立され、2005年に組織変更し、株式会社カヤックとなった同社。本社のある鎌倉に関連した事業を始め、じつに多彩な事業を手掛け、ゲーム事業ではソーシャルゲーム事業やゲームコミュニティ事業(Lobi)などのほか、2017年にはWell Playedを関連会社に加え、eスポーツ事業にも参画している。今回は、ソーシャルゲーム『ぼくらの甲子園!ポケット』でプロデューサーを務める徳田裕介氏に話を聞いた。
“アイデアがいっぱいの人は深刻化しない”
企画部・人事部
徳田 裕介氏
――最初に徳田さんの経歴を教えてください。カヤックさんには新卒で入社されたとのことですが?
徳田裕介氏(以下、徳田) 就職活動時、じつはゲーム業界はいっさい考えていませんでした。カヤックにはユニークな企画を生み出すクライアントワーク事業部があるのですが、そのクライアントワーク事業部で手掛けた案件のWEBサイトがかっこよくて、「これを作りたい」と思ったのがカヤックを受けたきっかけです。WEBのエンジニアとして受けてみたものの、結局企画部で採用され、ゲーム事業部に所属という、まったく希望が叶わない配属でした(笑)。
――ということは、カヤックさんがゲームを作っている会社というイメージがなかったと?
徳田 はい。ともかくおもしろい企画を作るWEB会社という印象が強かったので、ゲーム会社という印象はなかったです。いまではロングランのタイトルを手掛けている会社に成長したと思っているので、これからは「カヤックはゲームメーカーです」ということをもっともっと知ってもらいたいですね。
――ゲーム開発の部署に配属になったのは予想外だったと思いますが、どんな心境でしたか?
徳田 実際に仕事をやってみると、おもしろいと感じました。広告の場合はクライアントがいますが、ゲームの場合はユーザー様がいます。ゲーム開発の現場では、ユーザー様の声をダイレクトに聞くことができるので、そこがおもしろいところです。いまは、ゲーム開発でさらにいろいろなことにチャレンジしたいと思っています。
――御社での教育や研修で、特徴的なことはありますか?
徳田 役員との面談と、評価制度でしょうか。面談は、社長をはじめとする役員と半年に1回のペースで実施されます。全社員が1対1で3人の代表、もしくは役員と面談するのですが、人によっては「こんなことをやりたい」といったアイデアをその場で直接提案しています。また、“360度フルオープンフィードバック”という評価制度では、半年に一度、いっしょに働いている社員からフィードバックをもらいます。カヤックはフラットな組織で、あまり上下関係がないので、年齢、年次、役職など関係なく評価されます。評価内容は全社員に公開されているため、たまに辛辣な意見を目にすることもあります(笑)。一見、きびしそうな制度に見えるかもしれませんが、この評価制度のおかげでフラットな人間関係ができていますし、それぞれの成長につながるとも思います。もちろん、きびしい評価だけでなく、日ごろの感謝や、称える言葉もたくさん見かけます。
――初めて“360度フルオープンフィードバック評価”を体験したときはいかがでしたか?
徳田 それはもうたいへんでした(笑)。会社に入って数ヵ月でベテラン社員に対して評価するというのは、緊張もしました。他人を評価するためには、人のことをふだんから注意して見ていないといけません。僕が評価をしたように、僕も役員から同期までいろんな人に評価してもらいましたが、評価された側としても気持ちよかったです。オープンな社風なので、みんな隠さずにいろいろなことを書いてくれました。僕のスタンスとしては、基本的にすべての意見を受け止めるようにしていますが、そもそもカヤックのスタッフは、他人の意見に対して否定から入る人は少ないですね。そういう人が多いことも、フラットな社風につながっているのだと思います。
――会社の雰囲気はどのような感じですか? また、所属しているスタッフには、どのような特徴がありますか?
徳田 カヤックでは、“アイデアがいっぱいの人は深刻化しない”という言葉を大事にしていて、「ブレストをする」文化があります。カヤックがこれまで出してきたサービスや制度はすべてブレストから生まれたのですが、何かを生み出すときだけでなく、問題が起きたときにもブレストをします。みんなでアイデアを出し合って、みんなで問題を解決していく。ですから、現場では、何か問題が起きても深刻化して悲観的になるのではなく、それを解決することでチャンスに変えていこうという前向きな雰囲気がありますね。