2018年3月18日、ソニーの体験型科学館、ソニー・エクスプローラサイエンスにて、小学3年生から中学3年生を対象としたユーザー参加型のイベント“プレイステーション分解ワークショップ ~モノのしくみをしろう~”が行われた。本稿では、そのイベントの模様をレポートする。

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“分解博士”3人が内容を解説

 同イベントはタイトルどおり、プレイステーション本体を分解して、その仕組みを知るワークショップだ。イベントの司会進行を務めたのは、ソニー・エクスプローラサイエンスの館長である速見充男氏。また、“分解博士”としてソニーの3人のゲストが紹介された。

 登壇したのは、スマートフォンのエンジニアである中川雅郎氏、プレイステーション4のエンジニアである高田利貞氏、新商品の開発などに関わる新倉英生氏。

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司会役としてイベントをとりしきった、ソニー・エクスプローラサイエンスの館長である速見充男氏。
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“分解博士”として解説を担当した3人。左から中川氏、高田氏、新倉氏。
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高田氏はプレイステーションの歴史や変遷を解説し、新倉氏は使用する道具や作業の手順などをレクチャーした。
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「この部品はどこにある?」というクイズが出題される。答えは、分解過程で見つけることに。

PS2をとことんバラバラにする!

 イベントの本編となる、プレイステーション2本体の分解コーナーでは、参加した子どもたちは保護者といっしょに、サポートスタッフの手ほどきを受けながらハード本体をつぎつぎと分解する。
 最終的には基盤、そしてコントローラーのネジも外し、それ以上細かくできない! と言うところまで解体作業がなされた。作業中には、新倉氏が各グループを巡って機械の仕組みを実験するシーンなどもあり、参加者が真剣に見いっていた。

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分解コーナーは子供たちが主役。つぎつぎとPS2を解体していく。
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新倉氏が各テーブルを巡って、動作の仕組みを解説。

 ひととおり作業が終わったところで、分解コーナーはひと段落。ここではオープニングで行われたクイズの答え合わせとともに、実際にそのパーツがどのように動くのかが、各グループのスタッフにより示された。

 ちなみにクイズの答えは、「放熱ファン」、「コントローラーの振動モーター」、「コントローラーのスイッチボタン」となる。

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 続いて、ステージではゲストによる金属に関してのレクチャーが行われた。ここでは電子機器に使用される金属の種類、各金属の特徴などを説明。使われなくなった電子機器に眠る金属が“都市鉱山”と呼ばれていることなども紹介された。

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 なお、参加者には記念として、“分解博士ジュニア認定証”がプレゼントされた。いい思い出となるだろうし、これをきっかけにゲームクリエイターを目指す人もいるかも……?
 レポートの締めくくりとして、エンディングでのゲスト陣および、司会を務めた速見氏のコメントを最後に紹介する。いずれも子供たちの可能性を見据えた、温かい言葉だった。

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中川氏
 最初はぎこちなくても、分解とともに気持ちも分解して、いい充実感に浸っているのではと思います。見ていて自分もとてもうれしかったです。

高田氏
 こうして一般の人と接する機会はあまりなく、皆さんとお会いできて楽しかったです。

新倉氏
 今日の分解は1~2時間ですけど、そのハードを作るのは2年くらいですかね(笑)。分解するのもたいへんで、けっこう楽しかったと思います。でも今日の分解の楽しみより、たぶん作り上げた楽しみ、喜びのほうが大きいと思うので、ぜひ皆さんにも体験してほしいですね。

速見氏
 分解を通して、もの作りの楽しさも感じられたんじゃないかと思います。好奇心を持って自分なりに調べてみる、それをくり返すことが勉強につながります。今日は“分解博士ジュニア認定証”をお渡ししましたが、ぜひ“ジュニア”が取れるように、いろいろなジャンルを勉強してください。なんの博士でもいいですから、いろんな博士になってくださいね。

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指示に従って、分解部品をゾーンごとに仕分けする子どもたち。片付けも、参加者がみずから行う。
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参加者には“分解博士ジュニア認定証”が贈られた。
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フォトセッションのセリフは、「はい、チーズ」ではなく、「はい、ソニー」。