『星のカービィ スターアライズ』好きな能力、好きなキャラクターととことん向き合える! プレイインプレッション

3月16日発売予定のNintendo Switchソフト、『星のカービィ スターアライズ』のプレイインプレッションをお届け!

 任天堂より、2018年3月16日に発売を迎えたNintendo Switchソフト『星のカービィ スターアライズ』。『星のカービィ』シリーズ最新作となる本作は、おなじみの数々の“コピー能力”を駆使しながら、頼もしい味方“フレンズヘルパー”とともに冒険するアクションゲームだ。今回は、ライター・奥村キスコによる同作のプレイインプレッションをお届け!

バリエーション豊かなコピー能力を、思う存分味わえる!

 少しの沈黙の後に現れたのは、氷華の三魔官 フラン・キッス。彼女は、カービィたちが暮らすポップスターはおろか、銀河の星々の平和を脅かす闇の組織の幹部。要するに、ステージの終点で立ちはだかるボスキャラクターだ。

 相手が攻撃してくるのだから、応戦するしかない! だけど、この時点で連れていた仲間は、ポピーブラザーズJr.とボンカース、パラソルワドルディの3体。自分もボンカースの能力をコピーしていたため、攻撃手段は爆弾とハンマーとパラソルという状況。氷属性の攻撃を得意とするフラン・キッスの弱点をあぶる炎属性のコピー能力でも保持していれば、この戦いはさらに有利に運ぶはずだったのだけど。いまはつべこべ言わず、撃つべし、撃つべし!

 と、フラン・キッスが武器を持ち替えて、画面全体をジグザグに貫く水のレーザーを発射してきた! これは避けられないと思った瞬間、それを察知した仲間が、パラソルを大きく開いてレーザーを防いでくれたじゃないですか! もし自分がパラソル持ちだったら、攻撃に専念するあまり、仲間を守るこんな行動ができるなんて、気づきもしなかっただろうなあと。場の状況に応じた技をくり出すフレンズヘルパー、ホントウに頼りになる! そして、遊ぶたびに新しい発見がある!

新キャラ、フラン・キッス。三魔官は彼女のほかに、フラン・ルージュ(炎)、ザン・パルルティザーヌ(雷)がいます。

 『星のカービィ スターアライズ』は、敵の能力を自分に取り込み七変化して戦う、カービィ最大の魅力を思う存分楽しませてくれるアクションゲームです。食いしんぼうのカービィは、口を大きく開けて敵を吸い込むことで、多彩な能力をコピーしてきました。その吸い込みは本作でももちろん健在だけど、より遠くにいる敵を、ちょっとだけ狙いをつけつつお手軽に仲間にできる、“フレンズハート”を新たに駆使できるようになっています。敵といってもゲームに出てくる敵全部じゃなくて、こちらがフレンズハートを頭上に掲げたときに、ちっちゃなハートを浮かべて合図をくれる敵が、対象となるわけですが。

 カービィの仲間となった敵は“フレンズヘルパー”と呼ばれ、3人まで連れて歩けます。こうして4人連れだって冒険するのがストーリーモードの基本ですが、Joy-Conが4つあれば、ステージの途中だろうが最大4人でマルチプレイが楽しめるのです。こういうところで、Nintendo Switchの特色が活かされていてうれしいですね。

昨日の敵は今日の友。なお、マルチプレイでは、それぞれのコピー能力を熟知して気配りできる人がモテます(個人感)。

 コピー能力は今回も多彩。本当にいろいろなバリエーションがあるなあ、と思っていたら、シリーズ最多の28種類とのこと。過去作品にも出てきていた能力は、「ああ、コレコレ」と、説明要らずのお馴染み感があります。私、“ストーン”でハル研究所(の社屋。with富士山)に変身するところとか、すごく好きなんですよね。敵をなぎ倒しながら坂を滑り落ちていくハル研! エスパーの念力で空中を浮遊するハル研!(笑)

 新しい能力では、リーチが長くて使い勝手のいい“スティック”がイチオシです。孫悟空の如意棒みたいな武器、と言ったらわかりやすいでしょうか。頭上を浮遊する敵を下からツンツンしたり、棒高跳びみたいにビョーンと段差を移動できるところも気に入っています。

“スティック”は、ボス戦前に入手しておきたいコピー能力No.1。写真で紹介している動きのほかに、頭上でぐるぐると旋回させて攻撃することもできます。

 あとは、絵具を飛ばして攻撃する“アーティスト”も好き。やおら取り出した巨石をガリガリ削って作った像を、敵をぶん殴る鈍器として使ったり、キャンバスにサラサラと描いた冷蔵庫からケーキやら何やら食べ物を出して体力を回復するところとか。「アーティストたる者、アバンギャルドであれ」と言われているようで、グッときます。

“アーティスト”は、筆を振って絵具で攻撃。ボタンひとつで、いつでも技表を確認できるのがステキ。

 『星のカービィ スターアライズ』で、何がいちばん画期的かというと、やっぱり、ふたつのコピー能力を組み合わせられることだと思います。つまり、“ソード”や“ハンマー”などの攻撃に、炎、水、氷、風、電気といった属性を組み合わせることで属性つきの攻撃ができ、さらに技のバリエーションが広がるのです。冒頭のフラン・キッス戦のように、敵の苦手属性を突いて有利に戦うのは基本ですが、冒険中にもっとも重要になってくるのが、特定の能力を使って仕掛けを起動し、進路を開くこと。たとえば、火のついた鎖が道を遮っているときは、“ソード”に水属性を付加した“スプラソード”で鎮火しながら鎖を斬れば、先へ進めるという調子です。ガイド機能をオンにしていれば、どのコピー能力を組み合わせたらいいのかヒントをくれる親切設計ですが、“カッター”に氷や風属性を付加しても仕掛けは解けるので、その時点で持ち合わせている能力、もしくは、そのステージで入手できる能力で工夫して正解を探る、ということができて楽しいのです。

武器を掲げてアピールすると、ヘルパーが能力を分けてくれます。いろいろ工夫して障害物を乗り越えて。

 皆さんもきっと、どんなコピー能力があって、どんな組み合わせができるのか。それぞれどんな技が出せるのかと、あれこれ取り換えて楽しむことでしょう。そして、技のアクションやエフェクトがホントウに多彩で、コネタ満載なことにも驚くはず。

 コンピューターが操るフレンズヘルパーが優秀なので、なんとなく歩いていてもまわりの敵を倒していってくれたりするのですが、そこにこそ攻略のヒントが! 一度ストーリーモードをひと通り遊んでみると、「つぎはこのステージをこのコピー能力で挑んでみよう」などと、もっと効率のいいやりかたで挑みたくなるのも本作のいいところだと思います。

 そして、いろいろなコピー能力を気軽に試すことを許してくれる、比較的ゆるめの難易度。4人で協力したら、強い、強い。うっかり谷底に落ちたり、壁に挟まれたり、乱戦時に自分の居場所を見失わない限りは、まずミスをすることはない、と思います。カービィは、ステージ内に散らばった“ポイントスター”を100集めると1機増えるのですが、ミスの数よりポイントスター集めのほうがはかどっていたため、私のプレイを端で見ていた人に、「何それ、カービィの残機増やすゲーム?」と言われるほどだったのだから。このあたりは、シリーズをずっと遊び続けてきたファンにも、ゲーム初心者にもやさしい『カービィ』ならでは。歯応えが欲しい人は、難易度を上げ下げして自分の腕試しをするゲームモードが、ストーリーモードクリアー後に遊べるようになりますから。

愛されカービィ、でも、私のお気に入りは……

 あれこれ書いてきましたが、個人的にいちばん楽しかったのは、コックカワサキを主人公レベルの扱いでかわいがれたこと。本当はこの話だけしたかったくらいです。

 『カービィ』で好きなキャラを挙げなさいと言われたら、真っ先にコックカワサキと言いますし、京浜東北線で川崎駅のアナウンスを聞くたびに胸の中で「コック……」とつぶやき、愛らしい体に張り付いた笑顔と、あの、虚無な……もとい、つぶらな瞳を思い出してしまうほどです。どうですか、ちょっとキモチワルイ話でしょう! そんな私の前に、突如ボスとして登場したコックカワサキ。もう、「ギャー!」ですよ「ギャー!」。

 コックカワサキは、“コック”というコピー能力を持っており、大きな鍋で敵をグツグツ煮込んで攻撃&体力回復の食べ物を生み出す、派手でユニークなフレンズです。もちろんすぐにコピー能力はいただいたけれど、カービィだと1回煮込み鍋(正式名称は、“ナベブッパフレンズ”と言います)を使うと、コピー能力が消えてなくなっちゃうんですよね。それだけ強力な技だからいたしかたなし。だから、おもにフレンズヘルパーとして連れ歩きます。海のステージで浮き輪をつけて波に揺られる姿とか、カービィから口移しで体力回復のおすそわけをもらう姿とかがかわいくてたまんんんんない。好きすぎて、現状の4人のコピー能力がベストなバランスだとわかっていても、コック帽を見かけるとついスカウトしてしまう……。コックカワサキ3人体制で冒険したときは、何かアクションを起こしてほしくても掛け合わせる能力がないから、全員頭の上に「?」を浮かべて困惑されたりして。自分が望んだこととはいえ、情けないやら、かわいいやら。

こちら、ナベブッパフレンズ。画面内にいる敵も味方も鍋でごった煮! イカ型の敵を鍋に入れたときに、タコヤキが出てきたのには笑っちゃったなあ。

 随所で挿入されるムービーは、そのときのフレンズヘルパーとコピー能力が反映されるんですね。だから、ずっとコックカワサキを連れていきたくて……。コックカワサキ縛りで苦労した局面もけっこうありました。

 と、コックカワサキへの偏愛を吐露してしまいましたが、今回紹介した以外にもコックカワサキのかわいさを堪能できる要素がたっぷり。ここで私が何が言いたかったかというと、“コックカワサキの部分に、あなたの好きなキャラクターを当てはめてお考えください”ということです。こんなにコックカワサキと向き合えるタイトルが登場して、私はとてもうれしいです。



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