ディフェンスが勝利の鍵を握っていた!? 7回目の全国大会

 2018年3月11日、バンダイナムコ本社にて同社のデータカードダス『ガンダムトライエイジ バーサスイグニッション』シリーズの全国大会、”精鋭小隊選抜計画07”が行なわれた。ここではその模様をお届けする。

 本イベントは『ガンダムトライエイジ』の稼働開始から7年目、2年前から開かれるようになった夏のスコアアタック大会を含めると9回目となる全国規模の大会。今回も中学生以下のGコマンダー(プレイヤー)が参加するヤング・ミドルエイジ部門と、年齢無制限のオールエイジ部門のエリア決勝を勝ち上がってきた8名×2が会場に集まり、全国最強の座を賭けて戦った。

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午前中に行なわれた1stラウンドでは、各部門のプレイヤーが4名のグループにわかれて総当たり戦で激突。A、Bグループの上位2名が決勝に進出した。

 モビルスーツ、パイロットカードを組み合わせた小隊に援軍として参加する“イグニッションカード”が追加された『バーサスイグニッション』シリーズの集大成的な大会となった今大会で活躍が目立ったのは、ディフェンスバーストを持つパイロットカードと、相手の攻撃を無効化して反撃、もしくは先攻を取って攻撃できるアビリティを持つモビルスーツカード。とくに多くのGコマンダーが採用していたのが、ディフェンスバーストを持ちつつ、攻撃時にはクリティカル攻撃が出せるアレルヤ&マリーのパイロットカードに、アビリティ“フルドライブ”が発動すると先攻が取れ、防御に回っても強力な反撃アビリティ、“武闘”を持つトライバーニングガンダム。この組み合わせの部隊をいかに活躍or封じるかが、勝負のポイントになっているようだった。

 ただ、アレルヤ&マリー+トライバーニングガンダムのような強力なアタッカーが一撃で相手を撃破することは意外に少なめ。アビリティで先制が取れるガンダムAGE-1などで返り討ちにしたり、守りに優れた部隊(ディフェンスバースト持ちのパイロット+HPの多いガンダム・グシオンリベイクフルシティのような組み合わせ) で耐えて、つぎのラウンドに勝負を持ちこすなど、全国レベルの戦いならではの“トップメタ対策”が光る試合のほうが強く印象に残った。

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今大会で一番人気だったと思われる、トライバーニングガンダム。アビリティのおかげで先攻、後攻のどちらに回っても大ダメージを狙えるのが強みか。
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イグニッションカードで使用率が高かったのはSD騎士ガンダム。相手の必殺技を封じることができるこのカードの存在の影響で、必殺技を出す、出さないかの駆け引きが生まれているようだった。

 練られたデッキ構築、そしてそのデッキを活かすプレイングで決勝まで勝ち進んだのは、マサキ選手、リョウカ選手(ヤング・ミドルエイジ部門)と、ユウイチ選手、ヤマト選手(オールエイジ部門)の4名。
 ヤング・ミドルエイジ部門は、午前中の1stステージでも対決しており、この日2回目となる顔合わせ。この勝負は小学6年生ながら全国大会優勝経験もある“ベテラン”プレイヤーである、マサキ選手のデッキ構築力が試合を分ける結果に。リョウカ選手に1stラウンドで勝利しているにも関わらず、決勝の舞台で準決勝まで使っていたモビルスーツ&パイロットを総入れ替え。これがマサキ選手の1stラウンド、準決勝で使っていたデッキを見越して対策を立てていたリョウカ選手のデッキと完璧に噛み合い、1ラウンド目ですべての部隊を撃破するというスピード勝負で決着。マサキ選手が昨年夏の第2回スコアタック大会、小学1年生以来(!)となる、全国大会での優勝を成し遂げた。

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先制を取れるストライクフリーダムガンダムの”ファンネル”や、V2アサルトバスターガンダムの反撃時に”トライブレイズ”が発動するなど、狙っていたアビリティが1ラウンド目からみごとに決まり、マサキ選手が勝利。

 オールエイジ部門の決勝、ユウイチ選手vsヤマト選手はファーストコンタクトでユウイチ選手のガンダムAGE-1がアビリティの発動でヤマト選手の00ライザーを撃破する派手な展開で幕を開けたが、その後は双方が相手の攻撃をアビリティで無効、もしくはダメージを大幅に軽減してギリギリ耐えるという攻防が続く形に。とくに2ラウンド目は一般的な試合なら撃破確実だと思われるクリティカル攻撃のダメージを3ケタに抑えるなど、両選手が組み上げたデッキの手堅さを象徴するかのようなシーンが何度も見られ、スコアは1ラウンド目の1-0から動かずとも、見応えのある攻防が展開された。お互い瀕死の部隊を抱えながら突入した第3ラウンド目は、ユウイチ選手側の部隊のアビリティが立て続けに発動。ガンダムAGE-1の“迅雷”で攻守を入れ替えての先制攻撃で2-0とし、最後は両者一撃で即死圏内のアトラスガンダムvsトライバーニングガンダムの対決も制し、ユウイチ選手がオールエイジ部門の頂点に輝いた。

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ユウイチ選手の試合は、ゼクス+使用率の低いビルドモビルスーツ(準決勝はGセルフ高トルクパック、決勝はアトラスガンダム)の活躍が要所で活躍していたのが印象的。

 ヤング・ミドルエイジ、オールエイジの両部門すべての試合が終了すると、プレゼンテーターとして声優の内匠靖明さんが登場。優勝&準優勝者に景品を贈呈すると、『ガンダムトライエイジ』の最新情報を伝えるスペシャルステージに移行した。3月22日に稼動をスタートする『ガンダムトライエイジ バーサスイグニッション』第5弾の新カードお披露目に加えて、新シリーズ『ガンダムトライエイジ OPERATION ACE』の情報も公開された。

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スペシャルステージは“ガンダムトライエイジチャンネル”に出演中の3名、綾見有紀さん(写真左)、内匠靖明さん(写真右)、そして『ガンダムトライエイジ』の開発スタッフ、ナ・カイシデンさんで進行。
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『バーサスイグニッション』第5弾は『機動武闘伝Gガンダム』をフィーチャー。主役機には機能停止時に復活をし、必殺技で反撃する新アビリティ、“奮迅”が設定されている。
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この日初公開となったシャッフル同盟4名のモビルスーツ&パイロットカード。現役プレイヤー的には、ジョルジュ&ガンダムローズのスキルやアビリティが“熱い”ようで、会場ではどよめきが起こっていた。
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『ガンダムトライエイジ OPERATION ACE』では、3部隊の中から“エース”になるユニットを選ぶ新システムを実装。エースに任命された部隊は当然ながらパワーアップ。さらに新カードの中には、エースに任命すると能力が大幅にアップするモビルスーツ&パイロットが存在するという。
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『ガンダムトライエイジ OPERATION ACE』には、今春から放映がスタートするテレビアニメ『ガンダムビルドダイバーズ』のモビルスーツ&パイロットも、第1弾から参戦するとのこと。
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毎年恒例になりつつある夏のスコアアタック大会も『ガンダムトライエイジ OPERATION ACE』で開かれることが決定。詳細は明かされなかったが、今年はこれまでの大会とは何かが変わるようだ。

精鋭小隊選抜計画07 ヤング・ミドルエイジ部門優勝、マサキ選手ミニインタビュー

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――準決勝と決勝で使っていたデッキがまったく違いましたが、その理由は?

マサキ 相手がフレームモビルスーツに“狙撃”のアビリティをつけてくると予想したので、デッキを変えました。デッキは準決勝と決勝も違いますけど、1stラウンドからも変えています。1stラウンドではアビリティを封じられることが多かったので、封じられないデッキにしています。

――決勝はデッキがうまくハマったのが勝てた一番の理由だと思うのですが、準決勝(カウント0-2から最終ラウンドまで持ちこみ逆転勝利)はどうでしたか。

マサキ 準決勝は本当だと負けていたと思います。あれは運です。

――最後にこれだけは言っておきたいってことはありますか?

マサキ う~ん、とくにはない、かな……。

マサキ父 あれは言っておいたほうがいいんじゃない? 東北のカードのこと。

マサキ (うなずいて)今日は震災の日だったので、東北の大会に出たときにもらったカードをお守り代わりに持って試合をしました。

――けっこう遠征に行かれたりはするんですか?

マサキ父 いえ、そんなことはないんですけど。たまたまですね。

精鋭小隊選抜計画07 ヤング・ミドルエイジ部門準優勝、リョウカ選手ミニインタビュー

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――今日は1stラウンドで当たった相手と決勝で再戦するという形でしたが、最初と2回目の対戦で変えたことはありますか?

リョウカ父 1stラウンドはボタンの押しミスでマサキくんに負けちゃったんです、焦っちゃって。それで決勝ではデッキを変えたんだよな?

リョウカ うん。

――でも決勝は相手もデッキを変えてきて、それで読み負けたというか……。

リョウカ父 相手のアビリティがフルで出ちゃったのが痛かったですね。

リョウカ うん。なにもできなかった。

リョウカ父 マサキくんは強いってわかっていたので、1stラウンドのときから対策を考えたデッキをいっしょに作ったんですけどね。

リョウカ (マサキ選手には)負けても、別ブロックの相手には負けたくなかったです。でも1位で通過してたら準決勝の相手が変わって(デッキ相性的に)負けてたかも。

リョウカ父 お兄ちゃんと対戦したり、自分のプレイを動画で撮ったりして練習していました。今後の大会も出られれば、お兄ちゃんともども出場したいですね。

精鋭小隊選抜計画07 オールエイジ部門優勝、ユウイチ選手ミニインタビュー

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――まずは優勝おめでとうございます。

ユウイチ ありがとうございます。去年の第6回はエリア大会で悔いの残る負けかた、急にデッキを変えて負けていたので、今回の優勝はうれしいです。

――今年はあまりデッキを変えずに戦った?

ユウイチ そうですね。準決勝と決勝はビルドモビルスーツだけ変えて、あとのカードは同じです。イグニッションカードも騎士ガンダムで固定しました。

――騎士ガンダムはほとんどの人が採用している使用率の高かったですが、その理由は?

ユウイチ (必殺技を封印できる)騎士ガンダムで守っておかないと、開幕に1キルされるので。あとガンダムF91の“速烈”+”M・E・P・E”の攻撃を1ラウンド目に返しておけば、2ラウンド目にこちらのバナージのスキル効果で必殺技の威力を下げて。その状態になったら“速烈”なしの”M・E・P・E”(必殺技)だけなら耐えられるようになるんですよ。

――今回の大会は相手のクリティカル攻撃や必殺技に耐えて反撃、相手も反撃に耐える……といった展開がこれまでより増えたように思います。

ユウイチ 夏の大会は『バーサスイグニッション』が始まったばっかりで、イグニッションカードが必殺技への追撃一択しかなくて、F91の“速烈”+”M・E・P・E”を出したモン勝ちって感じだったので(笑)。

――今年はトライバーニングガンダム+アレルヤ&マリーを止めないと勝てないって感じだったのでしょうか?

ユウイチ あれを止めるのはかなり大変で、ICカード、パートナーのレベルもマックスまで上げて、支給品やパーツもダメージ軽減系のものを積んでます。

――決勝戦を勝てたポイントは?

ユウイチ 相手にトロワ(相手のアビリティを防ぐスキルを持つ)がいるときにロックオンフェイズを取れたのが一番大きかったですね。アビリティを封じられなかったおかげで“迅雷”と“トライブレイズ”が出たので、かなり運がよかったですね。

精鋭小隊選抜計画07 オールエイジ部門準優勝、ヤマト選手ミニインタビュー

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――ヤマトさんは対戦相手のプレイスタイルが準決勝と決勝でかなり異なっていたのが大変だったと思うのですが。

ヤマト 準決勝の相手(モンターク選手)は開幕からやってくる相手だと分かっていたので、“焼かれる前に焼く”つもりのデッキで戦いました。

――準決勝と決勝のデッキが全部変わっているのは、焼かれないようにするための対策ですよね?

ヤマト そうですね。ぼくは本来長々と最終ラウンドまで戦うのが好きなんですけど、大会だとこっちが動き出す前に全部焼かれて負けちゃうことがあるので、そういうタイプの人との対戦では専用のデッキを用意してます。

――では自分が本来やりたい戦いができるデッキと、短期決戦に対応したデッキを持ってきている?

ヤマト 今回みたいな大会だと相手のエリア決勝のデッキを見て、この人と当たったらこのデッキで行こうっていうのを作ってますね。いまの環境だと飛び道具のアビリティ、“狙撃”や“乱撃”などが強いので、それを防げるようにしています。

――決勝はスコアこそ3-0でしたが、3ラウンド目まで勝負のゆくえが分からない長期戦だったと思いますが、この試合でのポイントは?

ヤマト 決勝は相手の防御力が高くて思うようにダメージを取れなかったのと、こちらが相手の攻めを封じても、終盤に攻撃が上がるゼクスを抑えきれなかったのが大きかったです。試合前に危惧はしてたんですけど……あとは最初に“迅雷”と“トライブレイズ”を両方出されたのも厳しかったですね。そこから計算していくと「あ、これやばいかもな」って感じたので。

――ユウイチさんは「トロワのスキルが出なかったのが大きかった」とおっしゃられてました。

ヤマト アビリティやパイロットスキルが「出なくて負けた」は言いたくないんですよね。それは(発動を)待つようなアビリティを使っている自分が悪いと思っているので。

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