V-REVOLUTIONを開発するクラウドクリエイティブスタジオ担当者に聞く、京都発のVRゲームプラットフォームが目指す“VRの世界”とは?

京都のデベロッパー、クラウドクリエイティブスタジオが開発・運営するアミューズメント施設向けVRプラットフォーム“V-REVOLUTION”。2017年12月23日に本サービスを開始したことを記念し、同社主要スタッフに開発時のエピソードや今後の展望について伺った。

 2018年1月現在、京都府京都市のアミューズメント施設、THE 3RD PLANET BiVi京都二条店にて常設されている“V-REVOLUTION”。2018年1月20~21日には、イオンモールKYOTOで開催されたKYOTO V-REX2018、同1月25〜26日には台北世界貿易センターにて開催された台北ゲームショウ2018にブース出展するなど、さらなる層へのアピールを積極的に行っている。

V-REVOLUTIONが KYOTO V-REX2018に出展、未公開タイトルもプレイ可能に

クラウドクリエイティブスタジオは、2018年1月20日(土)~21日(日)にイオンモールKYOTOにて開催されるKYOTO V-REX2018にゲーム特化型VRプラットフォーム“V-REVOLUTION”を出展。本イベント会場限定となる未公開タイトルも出展することを明らかにした。

 ファミ通ドットコムでは、 V-REVOLUTIONの本サービスが開始した初日、THE 3RD PLANET BiVi京都二条店に来店していたクラウドクリエイティブスタジオの代表、秦泉寺章夫氏と、V-REVOLUTIONのシステム開発責任者である小田洋平氏に、本サービス開始までの道のりや、前例のないVR専用プラットフォームの展望について伺ってきた。

クラウドクリエイティブスタジオのメンバー。写真左下から、渡部和貴氏(ゲームデザイナー)、山口育美氏(プログラマー)、田中良明氏(プログラマー)、左下から小田洋平氏、佐崎詩菜氏(制作アシスタント)、秦泉寺章夫氏、吉行宏騎氏(プログラマー)。

■インタビュイー

クラウドクリエイティブスタジオ 代表取締役
秦泉寺章夫氏(右・文中は秦泉寺)

同 執行役員
制作部/企画管理部 部長
シニアプログラマ
小田洋平氏(左・文中は小田)

提供側も店舗側も“初めて”尽くしのVR展開

――V-REVOLUTIONのプロジェクトがスタートした経緯からお聞かせください。

秦泉寺 弊社はもともとVRのゲームを作っていたのですが、肝心のプレイしていただく場所がなく、全世界的な市場では埋もれてしまうという懸念がありました。その状況を何かしら自分たちで改善できないかと思いって始めたのがきっかけです。アーケードでというのは、私がもともとSNKプレイモアでアーケード対戦格闘ゲームのディレクターをやっていたこともあって、そういったところでできないかな……という発想からです。

――手掛けていたVRコンテンツはどのようなものだったのですか?

秦泉寺 当初はデモ版のようなもので、実際作りながらどのプラットフォームで展開するか迷いながら作っていました。受注ではなく、「自分たちでできることはないかな」というゼロからですね。

――VRでアーケードとなると、なかなかにハードルが高いかとも思われるのですが……。

秦泉寺 実際、いまでも高いと感じるところはあります。コンソールやスマホアプリでしたら、直接お客さんに提供するだけでいいのですが、アーケード版だとそうはいかないので。VRコンテンツは店舗さん側も扱ったことがない新しいものなので、弊社もそこは試行錯誤しながらやらさせていただいています。「それでも大丈夫です」ということになったら、二人三脚のようなやりかたで、ああしましょう、こうしましょうと言い合えるようになります。

――いちデベロッパーの域を越えた活動ですが、そうした部分でアーケード系メーカーと組むという選択肢はなかったのでしょうか?

秦泉寺 正直言うと、始めはそういった“ツテ”がまったくなかったので、店舗への営業も自分たちで歩いて、全部説明させていただいて……ということを地道にやりました。店舗さんのほうでは、VRに興味はあるけれど占有スペースの確保がネックになるケースが多いですね。V-REVOLUTIONでは、最低2.5メートル四方の空間は確保してほしいというレギュレーションを設けています。これが、ふたりのマルチプレイに対応できるギリギリの広さなので。

オンラインまわりに強い開発力を生かしたプラットフォーム構築

――プロジェクトが具体的に進み始めたのはいつですか?

秦泉寺 1年半から2年ほど前です。まずはVRコンテンツのロムデータをオンライン配信できる仕組みが必要かなというところから始めていきました。もともと弊社がオンラインに強いというところがあります。コンシューマタイトルのオンライン部分や、ソーシャルゲームのサーバーの運営などをベースにやってきたので、そのノウハウをこっち(V-REVOLUTION)に使えないのかなということが、技術的なスタート地点になっています。

――そういったプラットフォームとしてのシステム構築にあたったのが小田さんですね。どのようにプラットフォームを構築していったのでしょうか?

小田 まずは秦泉寺からイメージを聞いて、あとはデベロッパーさん、オペレーターさんが喜びそうな機能とかを考えつつ、それらを実現していったという形ですね。

――秦泉寺さんから話が来たとき、「これは大変なことになったぞ」とは思わなかったのでしょうか?

小田 なかったですね。逆におもしろそうだなと思いました。うちの会社の“新しいことに挑戦していく”という社風にもかなっていて、いいんじゃないかなと。

――“喜びそうな機能”というのは、具体的には?

小田 デベロッパーにとっては、不具合を直したロムをすべてオンライン配信できるのは嬉しいかなと。オペレーター側でしたら、お客さんのプレイ状況をウェブ上でリアルタイムで見られるシステムによって販売戦略を立てられるといいだろうと考えました。導入したゲームはウケているのだろうか、かわりにこっちを入れて観たらどうだろう……といったようにオペレーター側でタイトルを取捨選択できる仕組みも含めてですね。

――店舗の立地条件などによって柔軟に対応できるのは、たしかに魅力ですね。

小田 デベロッパーさんに、“10~20代”、“ファミリー向け”といった配信ゲームのメインターゲット層に関する情報も出していただくことで、店舗さんが、個々のメインの客層に対応したものを選びやすくすることも考えています。

――開発にあたっていちばん難儀したところは?

小田 技術的な難しさはさほどなく、どちらかというとプラットフォームを提供する側としてどうやって運営していこうかという物理的な問題が、現在進行形としてあります。店舗側で起きる問題ですとか、ハードウェア的なトラブルにどう対応していくかについては、現在ご協力いただいている店舗さんの意見を拾いあげながら、よりよいものにしていきたいですね。

――プラットフォーマーとしてすでに実行・実装している、そういった部分への具体的な対応策は?

小田 VRゴーグルをつけていると周囲が見えない状態になるので、一定以範囲を越えて移動しそうなときに「それ以上行っちゃダメですよ」という注意をゲーム側で出すようにしています。オペレーターさんがお客さんに向かってなかなか指摘しづらい“遊びかたのルール”をゲーム側でサポートする……というデベロッパー向けの規約は設けています。

――モーションシックネス(乗り物やVR体験による酔い)に関してはいかがでしょうか。

小田 秦泉寺がめちゃめちゃVR酔いしやすいので、そこが基準になっています(笑)。

秦泉寺 社内開発のコンテンツに関しては、私がプレイして酔ったら、そこでアウトにする感じです。

――“炭鉱のカナリア”的な(笑)。

秦泉寺 自由移動はなるべくさせないゲームデザインにしてください、といったアドバイスはしています

――VR酔いするのに、よく自社で作っていこうと思いましたね(笑)。

秦泉寺 初めて体験して衝撃を受けたVRコンテンツ『極限度胸試し 高所恐怖SHOW』(※バンダイナムコエンターテインメント製作のVR ZONE用コンテンツ)が、自分で動いて移動するシステムでしたので酔わなかったのですが、デベロッパーさんの「こういうのがやりたい」という部分が強くでているものは酔いやすい印象があります。

――なんとなくわかります。システム面や演出面のこだわりが高じて……ということですね。

秦泉寺 判断が難しいところではありますが、弊社としてはお客さんの快適なプレイを強めに意識してですね。こういう表現をしたら酔うけど、皆さん試行錯誤されているんですけれども、やっぱりどちらかというと、お客さん視点のほうを弊社は強めにやっていますので、基本的には動かさないように……。

ここでちょっとティーブレイク

V-REVOLUTIONプレイミニリポート

地元アイドル:HiKARuさん

V-REVOLUTIONのプレイエリアは、2.5メートル四方の幕張りの個室空間。関西地区最大級の敷地面積を誇るTHE 3RD PLANET BiVi京都二条店では2ブースぶんが並んで設置されている。

プレイ前には、オペレーターの誘導に従ってHTC Viveのヘッドマウントディスプレイ、ヘッドフォンを装着し、モーションコントローラを両手に持つ。コントローラのボタン配置についての確認もこのときにできる。

コミカルな妖怪の写真を撮影するVRシューティング『妖怪探偵倶楽部』のプレイの様子。プレイヤーが見ている画面は外側のディスプレイにモニターされ、必要に応じてオペレーターが音声で行動を促す。今回は撮影のため特別に幕を開けているが、実際には周囲の視線を気にすることなく自由なスタイルでプレイできる。絶叫も上げ放題だ。

プレイ後のHiKARuさん。まあ、ちょっと撮影のために盛っていただきましたけれども……。

 というわけでインタビューの後半をどうぞ……