2017年10月21日(土)、22日(日)に東京ビッグサイトTFTホールにて開催された、アーケード対戦・格闘ゲームの全国大会“闘神祭2017”。2日間に渡り、数多くのタイトルでそれぞれのNo.1プレイヤーを決めるトーナメントが行われ、腕に覚えのある対戦ゲームプレイヤーたちが本当の最強の座を争って、激戦の火花を散らした。本記事では、決勝大会開催日当日に行われた“1Day Match Carnival”の結果と注目タイトルの模様を振り返っていく。

 “1Day Match Carnival”とは、大会当日に現地に集結したプレイヤーや、各地の予選を勝ち抜いてきたプレイヤーたちによる、小規模で行われる1日限りのトーナメント大会。本大会のメイン種目とも言える“Champions Cup”に対して参加人数や規模の面では劣るものの、選出されるタイトルの数は非常に多く、また稼動開始から長く時間が経過しているものも多いため、各ゲームをやり込み続けてきた職人プレイヤーの手による奥深い攻防の数々が期待される。

1日目の開催種目は充実の7タイトル

 1日目となる10月21日(土)に行われた“1Day Match Carnival”のタイトルは以下の通り。

・『ウルトラストリートファイターIV
・『ニトロプラス ブラスターズ-ヒロインズ インフィニット デュエル-
・『アルカナハート3 LOVEMAX SIXSTARS!!!!!!
・『CHAOS CODE -New Sign of Catastrophe-
・『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド
・『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト
・『湾岸ミッドナイト マキシマムチューン 5DX PLUS
(なお、『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』および『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』はアークシステムワークスによる公式大会“ARC REVOLUTION CUP 2017”の種目として扱われる)

『ウルトラストリートファイターIV』

 『ウルトラストリートファイターIV』(以下、『ウルIV』)は、格闘ゲームの金字塔である『ストリートファイター』シリーズ4作目のナンバリングタイトルである『ストリートファイターIV』の最新バージョン。現在、最新作である『ストリートファイターV』(以下、『ストV』)が発売され、世界中のプレイヤーが各地の大会で名勝負をくり広げているが、アーケードにおいては本作こそが『ストリートファイター』シリーズのメインストリームだ。

 最新作の発売によりプレイヤー人口こそ減ったものの、未だに本作独自のゲーム性を好む猛者はアーケードで強い相手を求め闘い続けている。戦術の研究も、実戦でのかけ引きも円熟の域に達している本作。公の場での大きな大会は久々でもあるので、熟練プレイヤーたちによるやり込みの境地に期待が集まる。実況、解説、ゲストにはアール氏、よしお氏、カプコンの綾野氏と、お馴染みと言ってもいいメンバーが再集結し、大会の観戦を盛り上げてくれていた。

円熟の域に達したかけ引きやテクニックが熱い勝負を生んだ“1Day Match Carnival”1日目をリポート【闘神祭2017】_01
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 ICカードを読み込ませてプレイすると、各地域の上位者であることを示すランクが表示される『ウルIV』。出場する選手たちも、各地域の頂点に君臨するプレイヤーばかり。既に多くのトッププレイヤーたちが主戦場を最新作『ストV』へと移行させてしまった環境の中、未だに本作をプレイし続ける、こだわりあるプレイヤーが集まっただけあって、ディージェイといったクセのある職人向けと言えるタイプのキャラクターが多く参戦するトーナメントとなった。

 最新作『ストV』と違って、スタン値が可視化されていなかったり、多彩な防御テクニックが存在したり、強力なウルトラコンボが使えたり、削りダメージによるKOがあったりと、根幹は同じ『ストリートファイター』であっても、勝利につながる細やかな要素は別物。かつて見慣れた、そして懐かしくもある『ストIV』ならではのかけ引きが随所で見られた。

 激戦の中、ベスト4に残ったのはダス選手(C・ヴァイパー)、おれな選手(エレナ)、Y。選手(キャミィ)、aiai選手(ジュリ)。群雄割拠のトーナメントを勝ち抜いてきたのは、『ウルIV』の歴史の中で印象深い活躍を見せてきたキャラクターたちだった。

 準決勝を制し、優勝に王手をかけたのは、おれな選手と昨年の優勝チームのひとりだったaiai選手。決勝戦ではともに強烈なガード崩しを狙う一進一退の殴り合いがくり広げられる。勝負は最終ラウンドまでもつれ込み、おれな選手のエレナが画面端に追い込んで体力をリードするが、しかしaiai選手のジュリがウルトラコンボの風水エンジンを発動。試合がひっくり返る可能性が見えたと思った瞬間、エレナの投げが決まり、ジュリの体力を奪い取った。

大会結果
優勝 おれな選手(エレナ)
準優勝 aiai選手(ジュリ)

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▲優勝したおれな選手(右)。

『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』

 『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』(以下、『P4U2』)は、株式会社アトラスによる大人気RPG『ペルソナ4』を題材に開発された2D対戦格闘ゲームの最新作。該当作で仲間として冒険したお馴染みのキャラクターに加え、前作にあたる『ペルソナ3』から成長した姿の主要キャラクターが続々と参戦。

 さらにキャラクターは同じでも通常とは発動できる特殊システムが異なる“シャドウ”タイプが追加され、個性豊かなキャラクターたちの多彩な組み合わせによる対戦が楽しめる。また、家庭版とアーケード版のバージョンに違いがあるため、大会ではいかにアーケードの舞台で腕を磨いてきたか、その真価が試されることにも注目だ。なお、本作はアークシステムワークスの新作である『ブレイブルー クロスタッグバトル』への参戦が発表されている。

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 攻撃手段として有効な固有の特殊システムを持つキャラクターが多く、格闘ゲームタイトルの中でもひときわプレイアブルキャラクターの個性が強い本作は、いかに自分の持ちキャラを使いこなし、強みとなる部分を押し付けて相手を押し潰すかが勝利へのカギだ。とくに“シャドウ”タイプは固有システム"シャドウ暴走"を発動すると連携の幅が一気に広がるため、一度のコンボで相手の体力の6~7割を奪えるほどの爆発力を持つ。ノーマルタイプで堅実に闘うか、シャドウタイプで暴力的な勝利をもぎ取るか、といったキャラクターチョイスも見所のひとつ。

 決勝戦まで勝ち上がったのは、ともに“シャドウ”タイプを選択したプレイヤー、ヒロ選手(シャドウ雪子)とレニ選手(シャドウ天田)。扇子を使った飛び道具を始めとした遠距離戦主体の攻撃を多く持つ雪子に対して、天田はコロマルという犬を本体と同時行動させることができるため1対2の連携で闘えるのが強み。第1ラウンドでは遠距離キャラクターである雪子が天田のふところに跳び込み、SPゲージを惜しみなく吐き出したラッシュを仕掛けてコロマルを自由に動かさせない対策を見せる。ダメージには直結しなかったものの、試合のペースを握りタイムアップでラウンドを先取。しかし次のラウンドはコロマルの攻撃を上手く雪子にヒットさせたレニ選手の天田が流れを掴み、“シャドウ暴走”を使った高威力のコンボを決めてラウンドを取り返し、その勢いのまま最終戦も天田の強さを生かして勝利した。

大会結果
優勝 レニ選手(シャドウ天田)
準優勝 ヒロ選手(シャドウ雪子)

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▲優勝したレニ選手。

『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』

 『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』(以下、『UNI』)は、同人ゲームサークル“フランスパン”が開発した、オリジナル2D対戦格闘ゲームのシリーズ最新作。“正統派近代小説感覚2D対戦アクション(ピュア・ラノベナイズ 2Dヴァーサス アクション)”とジャンルを銘打つ、2000年代以降に中高生の間で流行したライトノベル的な世界観を取り入れた美麗なドットグラフィックと、地上戦を中心とした硬派な攻防に独特のゲージシステムによって長くプレイヤーから親しまれているタイトル。

 先日発売された家庭版からの追加キャラクターも、アーケード版に参戦を果たし、波乱の展開となることが予想される。なお、本作もアークシステムワークスの新作である『ブレイブルー クロスタッグバトル』への参戦が発表されている。

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 相手との間合いを測りながら攻め込むチャンスを探る、ヒリヒリした立ち回りと、一度相手に触れた瞬間に始まる怒涛の攻め。試合における静と動の緩急の激しさが生む緊張感が魅力の本作。試合を有利に進めた側のみが発動する権利を得られる特殊システムなど、画面に映るキャラクターの動きの裏側でさまざまなかけ引きが行われているのだ。上位トーナメントで、新規追加キャラクターであるエンキドゥとワーグナーが激突する場面もあり、本作がまだまだ波乱に満ちた現役タイトルであることを感じさせた。

 決勝戦では、それまで圧倒的な強さで対戦相手をねじ伏せてきたせなる選手(エルトナム)と、新キャラクターを使いこなすひじかた選手(ワーグナー)が激突。互いにキャラクターの長所を見せるような、ほぼ一方的な試合展開で1ラウンドずつ取り合った最終ラウンド。まさに一瞬の判断ミスが命取りになるような緊迫したゲームで勝利をもぎ取ったのは、ひじかた選手のワーグナーだった。

大会結果
優勝 ひじかた選手(ワーグナー)
準優勝 せなる選手(エルトナム)

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▲優勝したひじかた選手(左)と準優勝したせなる選手(右)。

『ニトロプラス ブラスターズ-ヒロインズ インフィニット デュエル-』

 『ニトロプラス ブラスターズ-ヒロインズ インフィニット デュエル-』(以下、『ニトブラ』)は、人気PCゲームブランド“ニトロプラス”が製作したゲームからヒロインたちが夢の共演を果たした対戦格闘ゲーム。操作キャラクターのほかにパートナーキャラクターをふたり選ぶことができ、作品の枠を越えて大勢のヒロインたちが入り乱れる賑やかなタイトルとなっている。コラボレーションとして『アルカナハート』から愛乃はぁとが、『閃乱カグラ』から焔がプレイヤーキャラクターとしてゲスト参戦しているのも特徴。

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 原典となる“ニトロプラス”の尖った作風に負けじと、格闘ゲーム的にも尖った性能のキャラクターが集う『ニトブラ』。昨年の闘神祭では上位4名中3人がすーぱーそに子を使用するというすさまじい大会となったが、今年の上位トーナメントに残ったすーぱーそに子使いは昨年の覇者でもあるてんちょ選手のみで、さまざまなキャラクターの使い手が頂点を争う、オールスターゲームに相応しい彩り豊かな試合展開となった。

 キャラクターが本来持つ攻撃性能の高さと、それを生かすプレイヤーの精度が噛み合った激しい闘いが続くが、しかし今年も決勝の舞台へ上がったのはすーぱーそに子だった。近年の大会を総なめにするほどの実力者であるてんちょ選手(すーぱーそに子)に相対するのは、ちょっと記念参加にきたと自称するかつて最強を誇ったプレイヤーであるパンピーナ選手(イグニス)。闘神祭の連覇を狙うてんちょ選手と、旧時代の覇王パンピーナ選手、新旧最強プレイヤーが真の闘神を決める戦いとなった。

 決勝戦はパンピーナ選手が接近を狙ってくらいつくものの、てんちょ選手が的確なコンボ選択でチャンスを掴み取り、圧倒的な火力によって試合を蹂躙。大会連覇の数をまたひとつ刻み、みずからが『ニトブラ』の真の闘神であることを証明した。

大会結果
優勝 てんちょ選手(すーぱーそに子)
準優勝 パンピーナ選手(イグニス)

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▲優勝したてんちょ選手(中央左)と、準優勝したパンピーナ選手(中央右)。

『アルカナハート3 LOVEMAX SIXSTARS!!!!!!』

 『アルカナハート3 LOVEMAX SIXSTARS!!!!!!』(以下、『アルカナ』)は、プレイヤーキャラクターがすべて美少女であることが特徴のシリーズ最新作。操作キャラクターのほかに、数十種類のアルカナと呼ばれる精霊の中から1体を選ぶことでバリエーション豊かな戦術を組み立てることができる。また、相手の方向に高速で移動するホーミングなど、空中での行動が多彩で、上下にも広いステージでどう立ち回っていくかも勝負の見どころだ。

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 根幹となるシステムが既に構築されていた1作目の稼働から10年以上を時を経て、熟練のプレイヤーが多く集うタイトル。参加するのは、ホーミングによる軌道変化や、相殺発生時に求められる瞬時の判断力といった本作特有のシステムが絡んだかけ引きに習熟した猛者ばかり。魅力的なキャラクターに惚れ込み、長く使い続けているプレイヤーも多いため、システム・キャラクターともに高いレベルでのバトルが随所でくり広げられるトーナメントとなった。

 決勝に駒を進めたのは、MMJ選手(ヴァイス)と深紅・O選手(クラリーチェ)の二名。接近戦が長けたヴァイス、中~遠距離での攻撃手段を豊富に持つクラリーチェというキャラクター性能の差はあるものの、両者共に攻めが得意なプレイヤーとして、強気な選択肢で相手の体力を奪いに行く。一度ペースを握れば流れを引き寄せる力を持つヴァイスのさまざまな接近を、的確かつ大胆な選択肢で迎撃していった深紅・O選手のクラリーチェが勝者となった。

大会結果
優勝 深紅・O選手(クラリーチェ)
準優勝 MMJ選手(ヴァイス)

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▲優勝した深紅・O選手(中央左)と、準優勝したMMJ選手(中央右)。

『CHAOS CODE -New Sign of Catastrophe-』

 『CHAOS CODE -New Sign of Catastrophe-』(以下、『カオスコード』)は、オーストラリアのゲームメーカー“F K Digital”が開発した海外製の格闘ゲーム。日本では現在、NESiCAxLiveにて最新作を遊ぶことができる。海外製のゲームでありながら、日本のカルチャーを意識したキャラクター造型が話題となった。

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 決勝に進出したのはヤナギ選手とジムメカ選手。互いに設置型の特殊キャラクターであるクティーラとセリアの使い手であり、決勝戦もオプションを利用したテクニカルな連携の応酬が見られた。

 ヤナギ選手のクティーラが接近戦を仕掛け、セリアの動きを抑え込むように1ラウンド目を選手。続く2ラウンド目も後一手で勝利に手が届く場面まで追い詰めるが、ギリギリの一線でジムメカ選手が切り返しに成功し、試合の流れが逆転。最終ラウンドはセリアがオプションを展開して有利な状況を作ると、そのまま畳み掛けてクティーラを圧倒。ジムメカ選手の逆転勝利となった。

大会結果
優勝 ジムメカ(セリア)
準優勝 ヤナギ(クティーラ)

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▲優勝したジムメカ選手(右)と、準優勝したヤナギ選手(左)。

『湾岸ミッドナイト マキシマムチューン 5DX PLUS』

 『湾岸ミッドナイト マキシマムチューン 5DX PLUS』(以下、『湾岸』)は、同名の漫画を題材にしたレースゲームの最新作。車種を選び、大会用に指定されたコースでほかの対戦相手を抜き去りレースの1位を目指すルール。直感的かつオーソドックスなルールのゲームであるだけに、操作するプレイヤーの技量が問われるタイトルだろう。

大会結果
優勝チーム TK'fam'

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タイトルとキャラクターが持つ魅力、そしてプレイヤーの情熱がいくつもの形でぶつかり合った1日目

 2D対戦格闘ゲームの中でもアニメ的な表現が豊かなタイトルが多く採用された1日目の“1Day Match Carnival”。総じて操作や連携の自由度が高く、攻撃的な展開の激しさが特徴のタイトルがそろいぶみとなった。個性的で表情豊かなキャラクターたちが画面を動き回るのは見ていておもしろく、プレイヤーどうしのかけ引きはどこまでも熱く。世界観と勝負の両方で闘神祭という最大級の舞台を盛り上げてくれた。そして色褪せないどころかこれからも長く愛され続けるであろう『ウルIV』もまた、素晴らしいゲームであることを思い出させてくれる。メインストリームからは外れるのかもしれないが、それでも勝負に宿る情熱と興奮と勝利の感動は決して劣ることはない。多彩なタイトルに触れ、世に生み出された対戦格闘ゲームの奥深さを知る素晴らしい機会となっただろう。

 なお、各トーナメントの模様はゲーム配信サイト“Twitch”にて配信が行われた。気になる見逃したタイトルは、アーカイブでチェックしよう。

・1Day Match Carnival部門(ホール500)
・1Day Match Carnival部門(ホワイエ)