『レインボーシックス シージ』シーズン3アジア太平洋地域プロリーグファイナルが開催、日本からは野良連合とeiNsが出場

2017年10月21日、タクティカルFPS『レインボーシックス シージ』大会“レインボーシックスシージ プロリーグ APAC Finals Day1”が、オーストラリアで開催中。日本からは野良連合、eiNsが出場した。ここでは、Day1の模様を振り返る。

 ユービーアイソフトより発売中の、プレイステーション 4、Xbox One、PC用タクティカルシューター『レインボーシックス シージ』において、アジア太平洋地域プロリーグファイナルが本日10月21日と22日にオーストラリアのシドニーで開催。

 本大会は、日本、韓国、東南アジア、オーストラリア/ニュージーランドの4地域でそれぞれの予選を勝ち抜いた8チームが、11月にブラジルのサンパウロで行なわれる“ワールドファイナル”の出場権をかけて、10月21日から22日の2日間に渡りオーストラリア・シドニーのESLアリーナでオフライン対決を行う。なお、日本からは“eiNs”と‶野良連合”の2チームが参戦。野良連合は緊張と焦りもあり、なかなか本領を発揮できず、第1試合で敗退。eiNsは第1試合を突破し、明日10月22日に準決勝を行う予定だ。

 本稿では、Day1の野良連合の試合を振り返るとおもに、インタビューをお届け。eiNsの試合内容についても、後程リポートとしてお届けする。

野良連合 vs MindFreak(以下、MF)

 第1マップは山荘。第1ラウンドでMFはバー、娯楽を選択。2階の図書室に立てこもる遊撃に野良連合は時間を取られ、残り15秒になっても有効な射線を作れず、第1ラウンドはMFが先取。攻守交替し、第2ラウンドでは同じく野良連合もバー、娯楽を選択するも、ミラのブラックミラーを破壊され、なかなか守り切れず、第2ラウンドもMFが勝ち越す結果に。

 第3ラウンドでMFは地下を選択するも、野良連合がワインセラーに潜む敵を排除。その後も野良連合は綺麗に攻め切り、なんとか1ポイントを取得した。

 第4ラウンドでは、守備側野良連合は1階キッチン、記念室を選択。MFのKngZ選手がサウンドプレイ(足音で敵の位置を判断する)で野良連合をつぎつぎと倒していくも、なんとか守り切り、2-2へと展開する。ゲーム序盤は不安なスタートだったが、なんとか野良連合は持ち直した印象。野良連合は、クロスをきれいに組むチームプレイが強みだが、一方のMFは撃ち合いが強いチームであるとみられる。

 しかし、第5ラウンドで守備側のMFは、またもや地下を選択。地下のポイントは、第3ラウンドで野良連合に綺麗に攻められ勝ちを許してしまったが、迎撃の立ち回りの修正を施し、ガレージ前で野良連合を迎え撃つ。MFは地下を守り切りポイントをゲット。その後、第6ラウンドで攻撃側MFは序盤から果敢にポイントにラッシュをかける特攻を見せる。これには野良連合も対応できず、第6ラウンドでもMFに勝利を許してしまった。

 MFのマッチポイントとなった第7ラウンド。再度バーと娯楽室を選択したMF。図書室からプレッシャーをかけられた野良連合はなかなかポイント内へ侵入できず、時間が刻一刻と過ぎていく。なんとか読書室の制圧には成功したもの、図書室制圧に時間をかけすぎたのか焦りを見せてしまい、MFがポイントゲット。第1マップはMFの勝利となった。

 第2マップは、銀行。第1ラウンドでは攻撃側MF選手をすべて排除するも、ディフューザー解除に間に合わず。第2ラウンドでもMFの守りは崩せず、MFに2ポイント先制を許してしまった野良連合。続く第3ラウンドでは、MF側YINGのショットガンで野良連合は2名のオペレーターを失い、焦りを見せてしまうシーンも。またもや、MFの勝利となる。
 しかし、第4ラウンドでは、ロビー側からプレッシャーをかけディフューザー設置に成功する野良連合。遊撃に出ていたkngZ選手を抑え、なんとか1ラウンドを取得した。

 とはいえ、この時点で防衛側を成功させていない野良連合。第5ラウンドで攻撃側MFがラッシュ攻撃を仕掛けてくるも、敵に対する有効な射線を作れていない野良連合は、撃ち合いに負けつぎつぎと崩れていき、またもやMFに勝利を許してしまった。

 続く第6ラウンドを落としてしまうと、MFの勝利が決定してしまうが、ここで野良連合も意地を見せる。攻め側野良連合は、ガレージ側から展開し、その隙にディフューザー設置に成功。そのまま、Cloud選手が敵を排除し、見事1ラウンドを取り返した。

 そのまま、第7ラウンド、第8ラウンドも野良連合が勝利し、スコアを4-4に取り返しオーバータイムへと突入! 

 第9ラウンドで、MFは地下金庫をポイントに選択。AceZ選手の妖怪ドローンで位置がばれてしまった野良連合は、ニトロセルで倒されてしまい、撃ち合い前に排除されてしまう。そのままMFが敵をすべて排除し勝利へ。
 またしてもマッチポイントに手をかけたMF。しかし第10ラウンドではVodkq選手がダブルキルでファインプレーを見せ、徐々に野良連合側も落ち着いたプレイを取り戻す。野良連合は自分たちの守りの形を崩すことなく、きれいに迎撃してポイントを取り返した。

 5-5となった第11ラウンド。MFはリスポーンキルを取るも、野良連合は見事ディフューザー設置に成功。その後、野良連合NoTimeGG選手が2キルを取り、見事勝利。2マップは野良連合が取得し、第3ラウンドへ突入した。

 徐々に緊張が解け、落ち着きを取り戻した野良連合。3マップはオレゴンで、第1ラウンドでファーストキルを取った守備側の野良連合は、そのままクロスを組む綺麗な陣形で敵を迎え撃ち、先制ポイントを獲得。しかし第2ラウンドは、ディフーザー設置を許してしまい、MFが勝利する。
 続く第3ラウンド。遊撃に出ていたMF側選手に倒されオペレータを1名失うも、NoTimeGG選手がなんとか突破口を切り開こうと前線を上げる。しかし、撃ち合いには勝てず、野良連合は全滅。ここでもMFがポイントをゲットした。
 2-1でポイントアドバンテージを持つMF。守備側野良連合の固い守りを、持ち前の撃ち合いの強さで崩すMFは、第4ラウンドでもポイントをゲットする。

 
 第5ラウンドでは、丁寧なクリアリングゆえに停滞の時間が長い野良連合の動きを見て、さらに攻めに時間を使わせないような守りに徹するMF。野良遠郷はディフーザー設置を成功させるものの、あえなく残りのオペレーターも倒され、ディフューザー解除を許してしまった。

 4-1と、MFがマッチポイントに手をかけた第6ラウンド。開始早々、MF側Ashを倒す先制キルを取る野良連合。しかし、スモークグレネードとYINGの特殊デバイス“カンデラ”のフラッシュに紛れたMF側にディフューザー設置を許してしまうが、なんとか敵を排除しディフューザーの解除を成功。4-2へと持ち越す。

 第7ラウンド、遊撃に出ていたMFのkngZ選手が刺さり、つぎつぎと野良連合を倒していく。オペレーターを4名失い、残るはNoTimeGG選手ひとりに。NoTimeGG選手は辛うじてkngZ選手を迎え撃つことができたが、残り3名に囲まれあえなく敗北。第2マップはMFが取得し、野良連合は残念ながら第1試合敗退となってしまった。

 野良連合の試合を総括すると、野良連合は丁寧なクリアリングがひとつのポイントだが、それゆえに攻めに勢いがなく、一方でMFは速攻することが多かったように見えた。野良連合側がクロスを組む前にMFがすでにポイント付近にいる状況が多く、本番で立ち回り方を修正しなくてはいけないシーンが多々あったように見える。この攻めかたが正反対に違う野良連合とMFは、相性が悪いといった印象で、なおかつ撃ち合いも強いMFが野良連合より一枚上手であったのではないだろうか。
 
 野良連合はこの敗北を経験して、瞬時の対応力と攻めかたのバリエーションを増やし、ぜひシーズン4でも活躍して欲しい。

野良連合 ミニインタビュー

 ここからは、試合後の野良連合のインタビューをお届けする。チームを代表して、ウォッカ/Vodkq選手に回答をいただいた。

――今日のオペレーター構成のポイントを押してください。

ウォッカ/Vodkq選手(以下、ウォッカ) 基本的に、素早く重要ポイントを取れることを念頭に置いた構成にしました。サッチャー、テルミットで素早く強化壁を割り、そこからチーム全体で詰めていく感じです。ラッシュ攻撃をかける場合はオペレーターを変更しますが、基本的には重要ポイントを確実にとれるオペレーター構成にしています。

――今日の対戦相手(MindFreakチーム)の印象はどうでしょうか?

ウォッカ 連携が素晴らしいです。また、Smokeが最新パッチで強化されたこともあり、Smokeの使い方はこれまでで一番上手だと感じました。

――解説では、連携は野良連合のほうが一枚上手で、個人技はMFが勝っていると解説されていました。

ウォッカ MFは、攻めの終盤で“どのポイントをどう攻めるか”という動きが完璧にきまっていて、向こうが自由に動けていたのは、野良連合としてよくなかったです。

――マップの研究具合はどうでしょうか?

ウォッカ 自分たちの得意なマップをピックをしたのですが、日本のチームとはまったく違う攻めかたを相手がしてきたので、戸惑ってしまったところはありました。

――なるほど。では、今日の大会の一番の見どころはどこだったでしょうか。

ウォッカ 銀行マップでの逆転勝利です。

――あのシーンは、会場の歓声もすごかったです!

ウォッカ 敵のラッシュに、H3dy選手が即座に対応して、キルを取ってくれたところも見どころかと思います。

――今日の試合で、MVPは誰でしょう。

ウォッカ 野良連合はH3dy選手、MFチームはLusty選手ではないでしょうか。

――今回、オーストラリアでのオフライン大会でしたが、全体の印象はいかがだったでしょうか?

ウォッカ みんなが近くにいるので、何かあったら目と目で意思疎通できたのはとてもよかったです。

――声出しもとてもよかったと思います。では、オーストラリアで開催されるメリットとデメリットについては、何かありますか?

ウォッカ デメリットですと、やはり国内とは環境が違うことは当たり前ですし、実況・解説の声を消すためのノイズがヘッドホンから流れているのですが、それが国内大会よりは少し大きかったのが残念でした。足音が聞こえずらいので、サウンドプレイがなかなかできません。そうなると、迷いが生まれてしまいますしね。

――普段の練習時間はどのくらい設けているのでしょうか?

ウォッカ 普段は4~5時間練習しています。個人で空いている時間にプレイすることもありますが、毎日チームで練習は行います。

――ストリーム配信を行う選手もいますね。

ウォッカ はい。僕は大学生ですが、YouTubeで配信や動画投稿を行うこともあります。

――では、野良連合ならではの強み、弱みは何でしょうか?

ウォッカ 強みは、防衛側はよく研究できているので、基本的に勝つことができることでしょうか。欠点は、今日の試合ですとディフューザー設置までの過程は綺麗に行えるのですが、いざ設置を行うというときに、うまく連携が取れないことが多かったと思います。

――野良連合では、戦術、司令塔の役割を担っているのは誰でしょうか? それぞれの選手の役割を教えてください。

ウォッカ プレイ中の指示だしは、NoTimeGG選手とCloud選手がドローンで敵の行動や位置を報告して、その情報を聞いた僕やJeN0bq.nR選手が、攻めかたを決めることが多いです。

――では、『レインボーシックス シージ』にこれから求めることは何かありますか?

ウォッカ 罠を減らして欲しいです! 

――やっぱり、多すぎます?

ウォッカ はい。防衛が明らかに強い状況になっていると感じます。ほかにも、マッチメイキング中に射撃練習など行えたらいいですね。

――日本のチームのプロシーンは、アジアでも急激な成長を見せていると思いますが、依然として中国や韓国には及ばない点があると思います。日本に足りないものは何でしょうか?

ウォッカ プレイヤー視点からですと、セカンドキャリアをしっかり作ってほしいとは思います。プロゲーマーとして活躍しても、寿命が短いので、次の活動地点があると嬉しいですね。

野良連合代表 Kizoku監督(以下、Kizoku) 真面目な話をすると、企業様からの選手へのサポートが、オーストラリア企業に比べると足りないように思います。オーストラリアの企業は、プロゲーマーを‶アスリート”として見てくれていますが、日本だと‶ゲームが上手い人”止まりであると感じます。セカンドキャリアの問題は、日本だけでなく世界中のプロゲーマーが抱える問題です。

――わかりました。本大会の賞金を受け取れないことについては、どうでしょうか?

Kizoku そこは僕らが動いても、どうしようもできない次元の問題があります。しかし、国内のeスポーツの問題については、プロライセンスが発行されて賞金の上限が解放されたら、選手はもちろんよろこぶのではないでしょうか。ほかには、日本は家庭用ゲーム機が主流なので、PCゲームの競技人口が世界に比べて非常に少ないです。加えて、海外のプレイヤーは日本の選手に比べて年齢も高いので、プレイ中にミスをしても「Nice Try!」と大人の気遣いを見せてくれますが、日本人プレイヤーは一度のミスでキツイ言葉を浴びせてくる方も多いです。いわゆる‶民度”が世界に比べて日本は低いのでは?ということです。そこも含めて、日本のeスポーツ文化はまだ世界に通用しない部分が多く、それが日本全体のプロのレベルと結果に関わってくることもあるのではないでしょうか。日本は、‶出る杭は打つ”といった文化が多少なりとも残っていますが、海外ですと‶褒めて伸ばす”といった、「なんでもチャレンジしていい!」という空気を感じます。

――最後に、今後の目標とファンへのメッセージをお願いいたします。

ウォッカ もう一度スタート地点に戻って、この経験を活かして次のシーズン4で絶対に勝ちたいです! 

Kizoku まずは、このようなチャンスをくれたUBI SOFTさんにお礼を申し上げます。せっかくいただいたチャンスだったのですが、日本のチャンピョンとして臨んだのですが、ファンの期待には応えられませんでした。当初の目標としてはワールドリーグ出場だったのですが、ぜんぜん及ばなかったのですが、今回の試合で世界のレベルを体感できたのはとてもよかったです。この経験を活かして、今後も活躍していきたいと思います。