『ポケモン ウルトラサン・ウルトラムーン』について気になることをすべて聞いた! マル秘情報も飛び出す開発者スペシャルインタビュー

2017年11月17日発売のニンテンドー3DSソフト『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』。同作のプロデューサー・大森滋氏と、ディレクターの岩尾和昌氏に、インタビューを実施。

最新作についてキーパーソンを直撃

 2017年11月17日発売のニンテンドー3DSソフト『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』(以下、『ポケモン ウルトラサン・ウルトラムーン』)。世界的な注目を集める超人気シリーズの最新作について、プロデューサー・大森滋氏(ゲームフリーク)と、ディレクターの岩尾和昌氏(ゲームフリーク)に、インタビューを実施した。長時間にわたるインタビューからは、既出情報に意外な開発秘話のほか、伝説のポケモン・ミュウツーの登場といった、驚きの最新情報も! 全世界のポケモンファン必読の内容に注目!!

※本インタビュー記事は、週刊ファミ通2017年11月2日号(10月19日発売)掲載記事を加筆・再構成したものです。

<写真左>
ゲームフリーク/プロデューサー
大森 滋(おおもり しげる)氏
※文中は大森

<写真右>
ゲームフリーク/ディレクター
岩尾和昌(いわお かずまさ)氏
※文中は岩尾

最新作はどのような体制で開発が進められている?

――まずは本作の開発の体制からお聞きします。岩尾さんが初ディレクターを務められるそうですが、これまでのシリーズには、どのような役割で参加されていたのでしょうか。

岩尾 私は『ポケットモンスターブラック・ホワイト』から『ポケットモンスター』シリーズの開発に携わってきました。プランナーとしてマップやユーザーインターフェースの作成、バトルの担当などを経て、『ポケットモンスター サン・ムーン』(以下、『ポケモン サン・ムーン』)ではバトルディレクターを務めさせていただいております。

――大森さんは、本作ではプロデューサーを務められるんですね。

大森 そうですね。増田(増田順一氏。ゲームフリーク開発本部長)から引き継いで。ただし、増田がまったく本作を見ていないわけではなくて、全体を監修する役割で参加しています。

――そこは、増田さんもゲームの仕上がりは見ていらっしゃると。

岩尾 はい。たまに、ものすごくピンポイントで指摘があったりするんです。「博士は向こうから歩いてくるよりも、ここに最初からいたほうがいい」というような、ちょっとした演出ですとか。

大森 ゲーム全体に関わるような大枠の話をしていたと思ったら、唐突に細部の話が出てくるんですよね(笑)。

岩尾 その落差がものすごくて(笑)。大局の視点と細部の視点の両方を持っているからなのでしょうね。

――ちなみに、岩尾さんがディレクターを担当することになった経緯を教えてもらえますか。

大森 岩尾とはかなり長くいっしょに『ポケットモンスター』シリーズの開発に携わってきました。『ポケモン サン・ムーン』では、バトルのほぼすべてを彼に任せたのですが、Zワザやウルトラビーストなど、新たな要素をしっかりとまとめてくれて。そうした部分の信頼感があって、今回はディレクターをやってほしいと頼んだのです。

――『ポケモン サン・ムーン』のバトルデザインに関して、岩尾さんご自身の手応えはどうだったのでしょう。

岩尾 Zワザがユーザーさんに受け入れていただけて、非常に安心しました。新しい要素を入れ込むときには、当然ながら不安もあります。従来の要素とのバランスがありますからね。これまで築き上げてきたバトルの奥深さやテクニカルな部分が壊れてしまわないか細心の注意を払いつつ、新要素に取り組みました。現在の対戦環境を見ると、Zワザ込みで戦略が構築されているようなので、ホッとしています。

――現在の『ポケモン サン・ムーン』の対戦環境は、事前に岩尾さんが想定されていた通りになっているのでしょうか。

岩尾 そうですね。天候の変化が活かせるポケモンがよく使われているとは思いますが、とくに特定のポケモン1匹が突出しているわけではなく、さまざまなポケモンが活躍している印象です。加えて、フィールド系の特性もよく使われているようなので、事前に「こうなればいいな」と考えていた環境は概ね実現されていると思います。

――本作における大森さんのプロデューサーとしての役割について教えてもらえますか。

大森 プロデューサーはクリエイティブの細部には携わりませんが、このソフトをより多くのユーザーさんに遊んでもらうためにはどういった魅力を足すべきか、開発をスムーズに進めるためのスタッフの人数は適切なのか、といったことを考えながら開発に携わります。私もプロデューサーを務めるのは初めてだったので、これまでとは違う視点で『ポケットモンスター』シリーズに向き合うことができました。

――大森さんは、今回初めてプロデューサーを務められたということですが、ゲーム開発に関する見かたはこれまでと変わりましたか。

大森 もちろん、いいものを作ろうという想いは変わらないですが、視点は変わりました。現場で制作のディレクションに携わっているときには、どうしてもその中身にだけ目が行きがちです。しかし、プロデューサーという立場では、各パートの中身を“それが多くの人に受け入れられるのか”という視点からも考えなくてはいけません。『ポケモン ウルトラサン・ウルトラムーン』の開発に当たっては、なるべく視野を広くしてゲーム全体のことを考えたり、チームスタッフと話し合いをするようになりました。それと、システムや要素の名称ですとか、ゲーム内に出てくる言葉ひとつひとつにものすごく注意を払うようになりました。たとえば、ある新要素の名前があったとして、その名称は親しみやすいものなのか、幅広い年代に受け入れられるものなのか、といったことですね。このあたりのこだわりは、増田から叩き込まれたことです。この視点は言葉だけに留まりませんが、一生懸命に作った要素のひとつひとつが埋もれないようにするために、どのようなアピールをすればいいのかを考え抜くようにしています。

――大森さんのプロデュースに関して、岩尾さんはどのようにご覧になっていましたか。

岩尾 要望や助言が的確で、とてもわかりやすかったです。『ポケモン サン・ムーン』のディレクターを務めており、もとのゲームの中身についてよく理解している大森からのアドバイスなので、納得できることばかりでした。

――世界屈指のIP(知的財産)である『ポケットモンスター』シリーズのディレクターを務めるというのは、想像するだけでもプレッシャーが大きそうですが……。

岩尾 そうですね(笑)。ディレクターをやったことがなかったので、確かに緊張はしました。ですが、またとないチャンスなので「やります!」と即答して。

大森 岩尾には、『ポケモン サン・ムーン』開発の中盤ごろに、つぎの作品ではディレクターを任せたい、という話をしました。増田と3人で居酒屋に飲みにいったときだよね?(笑)。

岩尾 ええ(笑)。それまではバトルのセクションリーダーとして『ポケモン サン・ムーン』の開発に携わっていたのですが、この話をいただいてからは、「自分がディレクターだったらどうするだろう?」という視点を加えるようにして。考えることが一気に増えました。

――そんな本作ですが、開発の手応えはいかがでしょうか。

大森 岩尾らしいゲームに仕上がったんじゃないかなと思います。彼はこれまで、マップやバトル、通信機能など、多岐にわたる要素を担当してきたのですが、ゲーム全体のことを総合的に考えながら、個別の要素を作り込む力があると思っていました。今回は初のディレクションですが、トータルのバランスがとてもよいゲームになったのではと。

――岩尾さんご自身の手応えはどうですか。

岩尾 ゲーム全体のボリュームは、しっかり出せたと考えていますし、とても幅広い年齢層のユーザーさんに楽しんでもらえるようになっているのではないかなと。もちろん、実際に皆さんに遊んでいただかないと結果はわかりませんが、総じて、かなり手応えを感じています。