『真・三國無双8』はこれまでのシリーズから様変わり!

 2017年7月27日~30日、中国・上海にて開催されるChinaJoy 2017。同イベントに先駆けて行われたソニー・インタラクティブエンタテインメント上海主催によるプレスカンファレンスにコーエーテクモゲームスは鈴木亮浩プロデューサーが登壇し、『真・三國無双8』の中文版がリリースされることが発表された。さらに、カンファレンスでは、世界で初めて『真・三國無双8』を実機でプレイ。シリーズ初のオープンワールドに挑んだ、本作の魅力をアピールした。本記事では、『真・三國無双8』について、気になるゲーム内容を鈴木氏に直撃!

『真・三國無双8』の実機プレイがPSのプレスカンファレンスで初公開! 気になるアレコレを鈴木亮浩プロデューサーに直撃!!【ChinaJoy 2017】_04
▲コーエーテクモゲームスの鈴木亮浩氏(文中は鈴木)。

目指したのは“百人百様”で楽しめる、『真・三國無双』の新たな形

『真・三國無双8』の実機プレイがPSのプレスカンファレンスで初公開! 気になるアレコレを鈴木亮浩プロデューサーに直撃!!【ChinaJoy 2017】_01

――実機プレイは初めてでしたが、映像を見てまず、フィールドの広大さに目を奪われました。

鈴木 ありがとうございます。以前のインタビューでもお伝えしましたが、『真・三國無双』シリーズはナンバリングタイトルだけでも7作品リリースしています。本シリーズは『三国志』をベースにストーリーを考えているので、長年遊んでくれているファンの方には、先の展開がわかってしまいます。世の中には、お決まりの展開で楽しめる作品もありますが、我々としてはファンの方に新しい体験を提供したかった。ストーリーの大枠を変えずに、新しくするにはどうしたらいいかと考えた結果、オープンワールドという答えに行き着いたのです。

――ただ、オープンワールドと言っても、そのイメージはユーザーごとに異なると思います。『真・三國無双8』では、どのようなオープンワールドを目指しているのですか?

鈴木 まさに、オープンワールドという言葉のとらえかたは“百人百様”だと思います。本作では、百人百様で楽しめるように、『三国志』のストーリーに自由度の高さを加えました。これにより、従来の『真・三國無双』シリーズにはない、新しさを体感してもらえると自負しています。

――ストーリーの自由度の高さと言いますと?

鈴木 本作のストーリーは、黄巾の乱から続く三国時代を、10以上の時代にわけて構成しています。各時代には、董卓の撃破といった最終目標がそれぞれ設定されていて、この目標を達成すると、つぎの時代にガラっと移り変わります。最終目標の任務を受けるまでには、達成するべき主要な目標が設定されていることもあり、その目標の単位でどのようにプレイするかは、すべてプレイヤーが自由に決められます。

――つまり、条件が満たされれば、いきなり董卓に挑むこともできると。

鈴木 もちろん可能ですが、董卓が居座る洛陽の守りは非常に強固なので、いきなり攻め込んでも董卓を討ち取ることは容易ではありません。そこで有効となるのが、道中に発生するさまざまな“任務”や“依頼”といったミッションをこなす方法です。たとえば、汜水関を制圧するミッションを達成しておくと、虎牢関を攻めるミッションで有利になります。さらに虎牢関を制圧しておくと、洛陽で董卓と戦うときに攻略しやすくなるのです。このように、ミッションはそれぞれがほかのミッションと関連づいており、順番に達成することで最終目標がクリアーしやすくなっていきます。

――ミッションをすべて攻略するもよし、いきなり最終目標の達成に挑戦するもよし……。まさに、百人百様の楽しみかたがあるわけですね。

鈴木 とはいえ、いきなり最終目標に挑むのは難度が高いです。戦闘の難度は、操作武将と敵武将のレベルなどを見比べて判断できるようにしていますが、戦いに挑んでダメだったときは、戦場のエリアから脱出して再挑戦することも可能です。まずは、手近なミッションから少しずつ達成しながら、最終目標に挑むのがポピュラーな攻略方法になると思います。

――ゲームの難易度は、これまで通り自由に変えられるのですか?

鈴木 従来の難易度システムは想定していません。本作では、操作武将のレベルを上げたり、関連したミッションを達成したりして、難易度を調整する仕様にしたいと考えています。ただ、『真・三國無双』シリーズは幅広い層のファンがいますので、オプションなどで難易度が変更できるようにする、といったことも検討していきたいとは思っています。

――あとは、どこまで自由に行動できるのかも気になります。たとえば、董卓を無視して南中のほうに行くことは……。

鈴木 できますよ。南中を目指す道中で、野盗や野生動物に襲われることがあるかもしれません。各軍の動きを見て効率よく砦を攻略するなど、従来の『真・三國無双』シリーズの楽しみかたのほかに、野盗や野生動物との小規模な戦闘や、RPGのような遊びも用意しています。

――どのような遊びなのか、具体的に教えてください。

鈴木 ミニマップを頼りに、アイテムや人を探すといったミッションです。オープンワールドゲームではオーソドックスなものですが、『真・三國無双』シリーズでは新しい試みになります。これらのミッションを通して街を行き来するなかで、その時代について情報収集が行えるほか、状況を把握するといったことができます。また、ミッションのクリアー方法もいくつか用意しているので、ここでも百人百様のプレイが体験可能です。

――フィールドが広大なので、寄り道をするのも楽しそうですね。

鈴木 本作は、操作武将が行けない場所はないという設定で開発を進めています。つまり、設定上はすべての場所に移動することが可能になっています。三角飛びのようなジャンプや、高所に鉤縄をかけて登るといった新アクションを使えば、険しい場所にも到達できるかもしれません。お宝探しや、秘境で記念撮影を楽しむといったアイデアも出ているので、ぜひ検討していきたいです。

――記念撮影をするために、写真撮影用のモーションの実装もお願いします!(笑)。

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アクションもファンが百人百様に遊べるように一新!

――先ほど、本作のストーリーは10以上の時代に分けて構成しているとお聞きしました。つまり、操作可能な武将も時代に紐付いているのですか?

鈴木 はい。たとえば、黄巾の乱の時代の蜀だと、劉備や関羽、張飛といった武将を操作してプレイできます。

――なるほど。たとえば、長生きした武将ほど、操作できる時代が増えたり?

鈴木 そうですね。逆を言うと、董卓のような武将は操作できる期間が短くなります。

――ということは、董卓でもプレイできるんですか?

鈴木 以前のインタビューでお答えしましたが、『真・三國無双7 Empires(エンパイアーズ)』までに出た武将たちは全員登場しますし、ストーリーで操作できます。多くの武将はストーリーを追うごとに開放され、操作武将として選べるようになっています。

――董卓や呂布でプレイすると、ストーリーが大きく変わりそうですが……。

鈴木 そうですね。本来の最終目標は董卓を倒すことですが、董卓でプレイするときは別の目標が用意されるので。董卓だけではなく、所属している勢力によっても異なるストーリーが体験できますが、これまでのシリーズ作品のような大胆な“if”の展開は考えていません。董卓なら、死ぬ直前までが描かれる予定です。

――そうなってくると、同じ時代を何度もプレイしたくなりますね。

鈴木 基本的には時代を進めてプレイしてもらうことを想定していますが、いわゆるフリーモードがないので、同じ時代をくり返し遊べるような仕組みも考えています。その際に操作武将を変更できるようにするかどうかは、現在検討しています。

――本作では無双武将たちのアクションも一新されましたね。

鈴木 ストーリーの進めかたに多様性を持たせたように、アクションも多様性を持たせたシステムに変えたいと考えました。いろいろなアイデアが出るなかで、敵の状態に応じてアクションが変化する“ステートコンボシステム”を導入しています。基本的な攻撃が□ボタンを連打してくり出せることは変わりませんが、R1ボタンと△、□、×ボタンのいずれかを押すことで、敵の状態を強制的に変えられます。これがコンボの起点となる“トリガー攻撃”になります。このトリガー攻撃により、敵を空中へ吹き飛ばす、気絶させる、転倒させるといった状態にできるうえ、□ボタンの連続攻撃につなげられます。

――敵を攻撃しているとたまに敵の頭上に△ボタンが表示されました。このシステムは?

鈴木 これは“リアクト攻撃”と呼ばれるアクションです。リアクト攻撃は、敵の攻撃に対してカウンターが狙えそうなときなどに表示され、タイミングよく△ボタンを押すと発動して敵の状態を変えられます。□ボタンを連打しているときも、リアクト攻撃の入力が優先されるので、アクションが苦手な方でも使いやすいものになっています。

――アクション面も間口の広い作りになっているのですね。

鈴木 無双乱舞などはそのまま残していますので、より手軽に一気爽快のアクションを体験することも可能です。また、アクションに多様性を持たせるために、R2ボタンによる前転の回避も実装しています。

――新しいアクションは、無双武将のレベルが上がると習得できるのですか?

鈴木 アクションの習得方法など、無双武将の成長要素は、バランスも含めて検討しているところです。今回お見せしたバージョンには入っていませんが、今後は武器の属性の調整などもありますので。

――武器の属性と言えば、これまで通り、強い武器を集める収集要素も楽しめますか?

鈴木 武器はミッションの報酬などで入手できますが、属性などは別の要素で付与させるシステムを検討しているので、収集する要素は武器のほかにも楽しめるものを用意しますよ。ただ、これまで武将ごとに用意していた強力な秘蔵武器の入手方法は変更する予定です。詳細は言えませんが、何らかの方法で武器の設計図を入手して制作するような、これまで以上にチャレンジしがいのある仕組みを考えています。

――やりこみ要素もパワーアップするのですね! 日本のファンの多くが、早く動いているところを見たいと思います。

鈴木 日本のファンの方には、プレイ映像を特別に用意したいと思っていますので、ひとまずそちらを見ていただければと思います。東京ゲームショウ2017には、もちろん何らかの形で出展を検討していますので、続報にご期待ください。

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