別の姿に変身するってどういうこと?
みなさん、こんにちは。変身してますか?
いきなり不躾な質問をしてしまった。ミス・ユースケ37歳。変身に興味津々なお年頃である。
と、言うのも、ゲームオン運営のPC用MMORPG『ArcheAge』に、変身能力を秘めたふたつの種族が実装されたからだ。その名もドワーフ&ウォーボーン。
ヒーローしかり、魔女っ娘しかり、人は変身や二面性に憧れる。ドワーフとウォーボーンの変身を楽しむカギはここに隠されている気がする。そこで、二面性を持つ人に、変身しようと思った理由を聞いてみることにした。
ターゲットは声優・白石稔さん。声優は役に“変身”する職業と言える。なぜ白石さんを選んだのかというと、彼がアニソンDJという別の顔も持っているからだ。今回はそっちをメインで聞きたい。あと付き合いが長くて話を聞きやすいから。
インタビューの体裁を保つため、最初はお互いに敬語を使っていますが、徐々に疲れてフランクになっていきます。ご了承ください。
白石さんに声優とDJの二面性に関することを聞きたかった

『ArcheAge』に変身できるキャラクターが実装されるということで、変身や二面性をテーマに話を聞かせてください。まずは白石さんのメインの部分である声優について。どういうきっかけで志したんですか?

アニメが好きで、最初は作る側、絵を描くほうをやりたかったんです。勉強したんですけど、全然うまくならなくて。このままやってもダメだろうなと思いながら、でもアニメに関わる仕事はしたい。そんな中で、雑誌で声優という仕事があることを知ったんです。何を思ったのか、これならいけるんじゃないかと(笑)。

最初は勘違いだったってことですか?

そうそうそう。しゃべるのは自分でもできるんじゃないかと。

これを言っちゃアレですけど、なめてました?

いやいや、そういうことじゃなくて! 勘違いがいいきっかけになることもあるんですよ、きっと。それがだいたい小学生くらい。卒業文集に書いた記憶があります。
中学を卒業したらすぐに東京に出ようと考えていたんですけど、さすがに両親に止められました。役者をなめてるのか、と。高校を卒業するくらいの社会経験は積んでおけ、と。大阪の専門学校で1年勉強してから上京しました。

いいご両親じゃないですか。声優として別の人格に“変身”するのなら、時間をかけて社会経験を積むのも大切だと思いますよ。

そこで『ArcheAge』ですよ! 新種族のドワーフとウォーボーンは長い時間をかけなくても変身できるんです!
背景ストーリーを楽しみながらゲームを進めていき、レベル30で特定クエストをクリアすると変身スキルを習得できます。新サーバー“Inoch(イーノック)”は2017年1月25日まで取得経験値がアップするキャンペーンを実施中なので、さくさくレベルアップできます!
◆日本運営プロデューサー・石元一輝氏◆
“ルシP”の愛称で親しまれる『ArcheAge』日本運営プロデューサー。愛称の由来はGM時代の名前が“GMルシウス”だったため。
◆ポイント(1)◆
『ArcheAge』では長い時間をかけなくてもサクッと変身可能!

誰か来た?

気のせいじゃないですか? 話を続けますね。上京してから順風満帆だったわけじゃないですよね。

そこからいろいろバイトしましたね。ココ○チとブッ○オフと安○亭。ブッ○オフと安○亭は距離が近くて掛け持ちが楽でした。

お店の店員と声優、どっちが本業かわからない時期を経て、プチブレイクに至ると。

デビューは24歳くらいで、少し経ってから『蒼穹のファフナー』シリーズがあって。プチブレイクは……ハルヒ(テレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ)ですかね。

ファフナーはわりと主要なキャラでしたよね。そんなに実感はなかったんですか?

まだ実感はなかった気がします。ハルヒも(テレビアニメ第1期)が終わって、再放送でブレイクした感じですね。

その辺で「WAWAWA(※)」が話題になって、本人役(?)で出演した『らき☆すた』が始まりました。
(※WAWAWA:白石稔さん演じる『涼宮ハルヒの憂鬱』のキャラ・谷口のセリフ)

そうそう。『らき☆すた』で「WAWAWA」をネタにしたり。ニコニコ動画における初期の“MADブーム”にもタイミングが合ったんじゃないかな。アマチュアが作って楽しんでいるMADを公式がやるみたいな。賛否はあったんでしょうけど、ありがたいですよ。

公式側から歩み寄ってくることが珍しかった時代でした。白石さんはこの頃から顔出しの仕事が増えてきましたね。

イベントで中の人(声優)がキャラのコスプレをするみたいな企画も、この頃から増えてきた気はします。さかのぼれば昔からありましたけど、多くなった印象がありますね。
見てましたよ、『ヴァイスクロイツ』とか『卒業M』とか! うわー、懐かしい!

『ヴァイスクロイツ』なんて、いま考えたらものすごいメンツが出ていました。役者として仕事をしつつ、ニコ生に出たりMCやったり、声優として以外の仕事も増えていきましたよね。その中で、DJは異質だと思うのですが。

DJにはもともと興味があったんです。イベントにゲストとして呼ばれたとき、8年前かな。30歳くらいのときにアニソンDJというものがあるということを知りました。

もっと前からコスプレして踊る“コスプレダンパ”というタイプのイベントがあって、アニクラ(アニソンクラブイベント)に変遷した時期ですかね。

DJサオリリスさんの活動を見て、お客さんの盛り上がりを見て、「これは来るな」と感じたんですよね。つぎのアニメイベントはこういうのが流行る、と。
やりたいなーと思いながら何年か経って、いまから3年くらい前に、僕の師匠でもあるDJシーザーに「アニクラにゲストとして出ませんか?」と誘われました。即決ですよ。「出る出る!」って。何を思った僕に声をかけたんでしょうね。
いまはレギュラーで出させてもらってます。ふだんは月1~3くらいのペースで。声優アニソンDJとしては古参ですよ。流行る前からやってますから。

太字にしておきますよ。

たいていのオンラインゲームは先に始めたスタートダッシュ組が有利ですが、ドワーフとウォーボーンは違います。変身すると装備の能力が関係ない固定ステータスになるんです。かなり強いので、およそ5分間の変身中は高レベルの先輩プレイヤーとも肩を並べて遊べます。
ドワーフが変身する“機甲兵”はサポート向き、ウォーボーンが変身する“ディアブロ”はアタッカー向きの専用スキルを使用可能。派手かつ強力なので、MMORPGにありがちな“中レベル帯の戦闘の作業感”を感じません!
ちなみに、ドワーフのボイスは茶風林さんと悠木碧さん、ウォーボーンは大塚明夫さんと朴ロ美(※)さんです。豪華!
(※朴ロ美さんのロは王へんに路)
◆ポイント(2)◆
ドワーフとウォーボーンは変身すれば高レベル帯のプレイヤーとも対等に戦える!

やけに人の気配を感じるね。どこまで話したっけ? そうそう昔からやってましたという話。僕は趣味から始めましたからね、誰かに求められたわけでもなく(笑)。でも、楽しかったし、初めてやったとき本当に気持ちよかった。

初めてとか気持ちいいとか、そういう表現は控えていただけます?

そういうことじゃねえよ! そんなこんなでDJ活動にハマって、家では長々とPCの前に座って、曲の検索ワード設定を増やしたりしてます。キーワードを入れると曲が出てきてすぐに流せるとかね。

役作りとか、役者の勉強は?

もちろん勉強もするけど、BPM(※)を合わせておくのが大切なんだよ! ここはBPM135分けにしておこうとか。ダウンロードランキングを見て、いまはこの曲が流行ってるのかとか勉強するわけですよ。
DJにも種類があるらしくて。クラブDJとディスコDJみたいな。僕はディスコDJで、フロアが盛り上がる曲を、アレンジを入れずに原曲をつなぐスタイル。CDショップで音源を探すのも楽しい。
(※BPM:Beats Per Minuteの略。音楽のテンポを示す単位)

お、お、音源を探す! プロみたいな言いかたしやがって。

下準備が大事なの!

『ArcheAge』には手間のかかる下準備は不要! 新キャラクターが実装されると、既存プレイヤーはイチから育成し直すのがたいへんですよね。
ドワーフやウォーボーンの実装と同時にチュートリアルのスキップ機能が導入されたので、すでに操作方法を知っている人ならスムーズにゲームに没入可能です!
◆ポイント(3)◆
カムバックプレイヤーもスムーズに没入できる!