Red Bull 5G 2016 東地区代表決定戦の模様をお届け
Red Bull 5Gとは、毎年5つのジャンル“SPORTS”、“RACING”、“FREE”、“FIGHTING”、“PUZZLE”から種目を選び、計5つのゲームで大会を行なう、レッドブル・ジャパン主催のイベント。5シーズン目を迎えた今年の大会は、参加者の増加を受けて東西の代表者を決める地区代表決定戦を2日間に拡大。ここでは2016年11月19日に行なわれた東地区代表決定戦の1日目の模様をお届けする。
SPORTS部門、『ウイニングイレブン2017』
この日最初に行なわれたのは、SPORTS部門の『ウイニングイレブン2017』。会場には事前に行なわれたオンライン予選を勝ち抜いた8名が揃い、2グループに分かれてグループリーグ戦を実施。1位通過した者どうしが東地区代表の座を賭けて決勝戦に臨むという、サッカーゲームとしてはオーソドックスな大会形式なのだが、現実のサッカーとは異なり、グループリーグであっても引き分けで決着という形はナシ。90分で決着がつかなければ延長戦、PK戦まで行なって必ず勝者と敗者を決定し、勝利数の多いプレイヤーが決勝に進む大会形式となっていた。
グループリーグを勝ち抜いて決勝戦にたどり着いたのは、2勝で3人が並んだAリーグを得失点差で抜けてきたあごニキ選手(MDホワイトを使用)と、バルセロナを使って3戦全勝で勝ち上がってきたゴンタ選手。試合は開始早々にカウンターがハマったあごニキ選手のMDホワイトが先制点を獲得し、一歩リード。その後しばらくはお互いがカウンターを仕掛ける、BBC(ベンゼマ、ベイル、クリスティアーノ・ロナウド)擁するMDホワイトが得意な速いテンポで試合は進行。しかし前半の半分を過ぎるころにはゴンタ選手がバルセロナお得意のパス&ボールキープで試合を落ち着かせ、メッシのいる右サイドで主導権を獲得。前半30分ごろに1点返すと、すぐさま追加点を獲得して逆転に成功する。後半に入ってもゴンタ選手のバルセロナの勢いは止まらず、右サイド中心の攻めでチャンスを作り続け、後半7分ごろには追加点をゲット。あごニキ選手も切れ味鋭いロングカウンターからコーナーキックを獲得し、そのワンチャンスをモノにして食らいつくも反撃はここまで。さらに追加点を奪ったゴンタ選手が、最終スコア4-2で勝利を収めた。
▼Red Bull 5G 2016 東地区SPORTS部門 ゴンタ選手インタビュー
――今日の大会全体の調子はどうでしたか?
ゴンタ ほとんどの試合で先制点をうまく取れたので、気持ちに余裕ができた状態でプレイできましたね。
――引き分けがなくてPK戦までいっても1点差で勝利扱いになるというのは、サッカーゲームだとけっこう珍しいと思うのですが、その辺は試合運びやメンタルに影響はありました?
ゴンタ 僕は(グループリーグの)3戦目が延長戦までいって、終了間際の120分ぐらいに1点取って勝ち越したんですけど。でも最後までやって決着をつけるというのは、引き分けで終わるよりはっきりしていていいと思います。
――決勝ですが、対戦相手のあごニキ選手の応援が多かったのはやりにくかった?
ゴンタ そうですね、最初はやりづらかったですけど(笑)。逆転できてよかったです。
――今回の大会では攻撃力と身体能力の高いMDホワイトを使うプレイヤーが多かったように思いますが、バルセロナを選んだ理由は?
ゴンタ このゲームでの(対人戦での)一番人気はレアル(MDホワイト)だと思うんですけど、細かいドリブルができる選手が多いバルサが自分のスタイルに合っているかなと。
――FINALSへの意気込みをお願いします。
ゴンタ こういう舞台は初めてに近いので緊張するとは思うんですけど、自分のプレイがうまく出せればと思います。
RACING部門 『PROJECT CARS PERFECT EDITION』
RACING部門は『PROJECT CARS PERFECT EDITION』を使用した4人対戦でのタイムアタック。全プレイヤーが同条件(車種はChevrolet Corvette C7R、コースはマツダレースウェイ ラグナ・セカ)で走行し、5周したうちでもっとも優れたラップタイムを比較し、勝敗を決するというルールだ。RACING部門で特徴的なのは、ラップタイムを計測する本番の前に15分の準備時間が用意されていた点。この日走るのはオンライン予選とは違うコース、さらにはステアリングコントローラー+レーシングシートという自宅とは異なる環境で操作することもあって、8名の参加者全員が入念なチェック&テスト走行を行なっていた。
東地区代表の座を手にしたのは、ほんだ選手とやまどぅー選手。ほんだ選手は1回戦、決勝ともに1分20秒台をマークし、圧倒的な力と安定感を見せつけての優勝。やまどぅー選手は決勝に進んだ4人の中で唯一1回戦よりもタイムを縮め、その結果が1回戦では後塵を拝していたえどむら選手を0.03秒の差で抑えての代表権確保につながった。12月18日に行なわれるFINALSでは、このふたりがチームを組んで西地区代表(みとすぱ選手、ねぎ選手)と雌雄を決する。
▼Red Bull 5G 2016 東地区RACING部門代表、ほんだ選手&やまどぅー選手インタビュー
――まずはおふたりともおめでとうございます。ほんだ選手は2014年のRed Bull 5Gでも代表でしたよね?
ほんだ そうですね。去年はRACINGの大会がなかったのは出てないですけど、2013年から予選には参加していて、2014年は東の代表でFINALSにも出ました。今回の結果は前回よりもうれしいですね。前回はくじ運で通った感じもあったので。
――大阪の代表決定戦にも行ってましたよね?
ほんだ あれは偵察半分の遊びというか(笑)。西のほうにも仲のいい人が多いので。
やまどぅー 西のほうが人が集まるっていうのもありますしね。
――前回のRACINGで選ばれた『グランツーリスモ6』と『PROJECT CARS PERFECT EDITION』同じリアル志向のレースゲームですけれど、どういうところに違いがありますか?
ほんだ タイヤのシミュレーションが全然違いますね。
やまどぅー 『CARS』のほうがシビアというか、走りへの影響は大きいですね。
ほんだ スリップアングルを大きくしたときのコーナリングフォースの低下が激しいので、ハンドルをあんまり切らない感じで操縦しましたね。あとはタイヤの温度がけっこう重要で、タイヤが熱くなったら冷えるまでゆっくり走ってました。タイヤが冷えたラップでいいタイムを出すのを狙う作戦ですね。昨日の練習中に気づきました。
――自宅と大会でのプレイ環境ってだいぶ違うと思うのですが、影響はありましたか?
ほんだ ステアリングコントローラーは家にあるんですけど、イスは全然違いますね。
やまどぅー そうですね。環境が違うのと大会ならではの制約もあるので、やりにくいってのはありますね。
――そのあたりの違いをチェックするためにも本番前の15分間の準備時間は重要だったりする?
ほんだ 僕は最初から全力で走ってトライ&エラーをくり返すって感じですね。
やまどぅー やっぱり本番と一緒で全力で走るっていうのが一番重要ですね。その中で違和感というか、どうしても自分の頭の中で描いていたものとズレが出てくるので、それの修正をどうしたらいいかはいろいろ試して本番に活かしていますね。
――FINALSのコースや乗るクルマでの練習はもう始めていますか?
やまどぅー 僕はしてません(笑)。今年から社会人になって、ゲームをやれる時間が減ったので。その中でいかに効率よくやれるかを考えないといけなかったので。FINALSのことは考えずに目の前の予選に集中しました。
――その辺りの取り組みが2位通過につながった?
やまどぅー 1回目のトライアルでは通る見込みがゼロだったので、2回目に入る前にいろいろ試したのですが、本番でもそこまでうまくいかなくて。それでもタイム自体はずっと安定していたので、そういう図太さが代表を取れた要因だったのかもしれません。西と比べてもタイムはよかったので、FINALSも無難に走れば勝てるかなと。
ほんだ いや、どうですかね(笑)。
やまどぅー 西の代表のみとすぱくんは大会の経験が僕らより少ないので。イケイケな展開になったらわからないですけど、自分たちの走りができればいけると思います。
FREE部門『ロケットリーグ』
毎回さまざまなジャンルのゲームが選ばれるFREE部門の種目は、ロケットカー(ラジコン車)を操作してサッカー的なルールで戦う3対3のチームバトル、『ロケットリーグ』。
『ロケットリーグ』も事前にオンラインで予選が行われており、この日の会場では予選を突破した4チームが総当たり戦が行なわれた。代表チーム決定は最終戦までもつれこみ、勝てば3戦全勝で優勝のIcarusチームと、勝って3チームを2勝1敗の横並びにして得失点差に持ちこみたいINFERNOチームが最後に激突。Icarusにはプレッシャーがかかる場面も、2ラウンドとも大差をつけて2-0で勝利。終わってみればラウンドを取られたのは対Rule The Sky戦のみという結果で、Icarusが西地区代表とのFINALSへ駒を進めた。
▼Red Bull 5G 2016 東地区FREE部門代表チーム、Icarusインタビュー
――優勝おめでとうございます。まずは『ロケットリーグ』をプレイしたことのないファミ通.comの読者に、このゲームの魅力を教えてください。
dore52x 基本的なルールはサッカーなんですけど、SPORTS部門の『ウイニングイレブン2017』みたいにひとりが選手全員を動かすのではなく、プレイヤーそれぞれがひとりの選手(ロケットカー)になって試合をするゲームです。
Yuhi サッカーみたいにオフェンスの選手、ディフェンスの選手、みたいにポジションが決まっているわけではないので、全員が流動的に動く必要がありますね。
――大会に参加していたプレイヤーのみなさんは選手、というかロケットカーを自由自在に動かしていましたが、クルマを操作してサッカーのようなパスやクロス、シュートを打つのはなかなか難しいそうと思うのですが。
Shinozaki Akira 自分はけっこう感覚的にやれちゃいますね。(実生活で)歩くときは足を前に出す、みたいな感じでやってます。
Yuhi 最初はクルマを動かすだけでもヨタヨタしてましたけど、自分がうまくなっていくのがわかりやすいゲームで、それがモチベーションにつながりましたね。そのくり返しでいまの大会で勝てるレベルまで持っていけました。あとはけっこうコミュニケーションもだいじですね。
――コミュニケーションといえば、今日の環境はふだん自宅でプレイしているときとは違いましたが、そこで問題が生じたりはしましたか?
Yuhi そうですね。新しい感覚ではあったんですけど、試合が始まれば集中して自分たちの世界に入っていくので、あまり気にはならなかったですね。試合に入れば自分たちの中で完成したコミュニケーションがあるので。
――Icarusとして3人が動き始めたのはいつごろからになりますか?
Shinozaki Akira 9月の終わりぐらいに今回の大会に出られる関東の人を探していて、まずは知り合いだったdore52xさんと組んで、それから東京に住んでいるYuhiさんを誘っていまのチームができました。
――ロケットリーグ自体のプレイ歴はもっと長いですよね?
Shinozaki Akira そうですね。全員1年ぐらいですね。
――9月にチームが決定となると、チームとして仕上げる期間が短くて苦労した部分があったのでは?
Shinozaki Akira 毎日練習とはいかなかったんですけど、集まれるときは質の高い練習をしよう! って意識してやりましたね。
Yuhi 強豪チームと交流戦をしたりとか。
Shinozaki Akira もともと3人とも『ロケットリーグ』をかなりの時間プレイしていた(個人としての腕はかなり仕上がっていた)ので……。
dore52x チームとしての連携の練習ですね。そこはひたすらやるしかなかった。
Shinozaki Akira お互いが何をしてほしいか、どう動いてほしいのかとかの意見交換もしました。
Yuhi あとはいっしょにプレイを重ねて、チームメイトの得意な動きを知っておけたのもよかったですね。
――ちなみにRed Bull 5Gに参加したことはありますか?
dore52x、Shinozaki Akira はじめてです。
Yuhi ゲームの大会への参加自体がはじめてっすね。
――では最後にFINALSへの意気込みを。
Yuhi まあ自分たちらしく戦って……
dore52x 日本一!
Shinozaki Akira 日本一で(笑)。
PUZZLE部門 『ぷよぷよテトリス』
PUZZLE部門の種目に選ばれたゲームは『ぷよぷよテトリス』。PUZZLE部門はオンライン予選がなく、またぷよぷよ対ぷよぷよ、テトリス対テトリス、両方の予選トーナメントが同時に行なわれたため、多くの参加者が来場。ほかの3ジャンルとは別のスペースで、1回戦から決勝まで、数多くの激戦が展開された。
ぷよぷよルールの決勝戦まで勝ち上がってきたのは、TOM選手とさたがめ選手。1試合目は2ラウンド目の大連鎖の打ちあいを制し、3ラウンド目は中程度の連鎖で速攻を決めたTOM選手がストレートで取るも、2試合目はさたがめ選手が逆襲。1ラウンド目を粘ったすえにもぎ取ると、5ラウンドのフルセットまで持ちこみ3-2で2試合目に勝利し、勝負は最終試合に。勝負の分岐点となったのは1-1で迎えた3ラウンド目。両者が大きい連鎖を組み大量のおじゃまぷよが行き交う戦いに“殴り勝った”TOM選手が4ラウンド目も制し、ぷよぷよルールでの東地区代表者となった。
この日最後の代表者決定戦、テトリスルールの決勝戦を戦ったのは、あめみやたいよう選手とaitsu_k選手。試合は前年のRed Bull 5G 2015でも代表者の座を勝ち取っている、あめみやたいよう選手がリードする展開。1試合目は2ラウンド目の長期戦を落とした以外を比較的余裕のある試合展開で下し、3-1で勝利。続く2試合目の1ラウンドもあめみやたいよう選手が取るが、2ラウンド目はaitsu_k選手が驚異的な粘りで食らいつき、決勝戦で1番の長いラウンドで勝利。続いて長期戦になった3ラウンド目もaitsu_k選手が取り、流れが変わると思いきや反撃はここまで。aitsu_k選手のミスをついて4、5ラウンド目を連取したあめみやたいよう選手が、2年連続でテトリスルールの東地区代表者となった。
▼Red Bull 5G 2016 東地区PUZZLE部門(ぷよぷよ)代表、TOM選手インタビュー
――代表決定、おめでとうございます。今日の大会を通しての調子はどうでしたか?
TOM 決勝の前からけっこう強い相手と当たって、けっこう負けそうにもなったんですけど、最後の最後で1本を勝ち取るっていう試合が多かったですね。勝ち切れてよかったです。
――決勝もほぼほぼフルセットというか、最後まで勝者がわからない試合が続きましたが、疲労は感じましたか?
TOM ずっと集中していたので、疲労も感じず緊張も感じずにプレイできました。
――1試合目をわりとすんなり取って、2試合目はもつれて取り返されたという展開でしたが、そこでプレッシャーを感じたりは?
TOM 2試合目を取られたときはちょっと焦ったんですけど、そこで慌てずにいられたのがよかったですね。『ぷよぷよ』は精神の乱れがすぐ(ぷよを積む)形に表れるので、そうなったときにふだんの自分をどれだけ出せるかが、勝ち切るコツなんじゃないかと思います。
――決勝戦を見ていて印象に残ったのが、1試合目の2ラウンド目、大連鎖の応酬になった直後の3ラウンド目では序盤から中規模の連鎖を2回しかけて勝った場面です。ああいう連鎖のしかけかたを変えるというのは、意図してやっているのですか?
TOM はい。大連鎖狙いなのか、中ぐらいの連鎖なのかで打つタイミングって違ってくるじゃないですか。そうやって連鎖を打つタイミングを試合ごとに変えていくと、相手が対応しづらいってのはあります。だからそういう点を踏まえた流れのコントロールは心がけています。
――FINALSのぷよぷよ、テトリス混合のタッグバトルだと戦略が変わってくると思うのですが、現時点で策を考えていることはありますか?
TOM ぷよ側は大連鎖を作れるから攻撃力は高いんですけど、威力を出す連鎖を作るためには時間がかかるんですよね。ですので基本的な戦略はぷよ側が大連鎖を組んでいるあいだ、テトリスのプレイヤーに守備のためのブロックを消してもらい、守ってもらう形になります。FINALSもそういう展開になるんじゃないかな? と思っています。
――FINALSの対戦相手、西地区の代表選手は関東でもよく見る人な気がするのですが(笑)、そのあたりに対して特別な思いはあるでしょうか?
TOM くまちょむ選手もHBM選手も過去には東の代表として出ていたのに、今年は裏切ったと(笑)。そういうつもりなら、容赦しないと。情けを捨てて、バッサリ撃ち落としますよ。
▼Red Bull 5G 2016 東地区PUZZLE部門(テトリス)代表、あめみやたいよう選手インタビュー
――テトリスルールでの代表選出は2年連続ということですが、今日の調子はどうでしたか?
あめみやたいよう 予選は正直勝つ自信しかなかったですね(笑)。順当な結果だと思います。危ない場面もありましたけど、最終的にはいけると思っていました。
''――決勝戦もあめみやさん側はブロックの積みミスがほとんどなかったという印象です。
あめみやたいよう そこ(ミスの少なさ)は自信がありますね。''
――テトリスはぷよぷよ以上にミスをしたつぎの試合でメンタルを持ち直すのが難しいのかなと、見ていて思いました。
あめみやたいよう メンタルと、あとミスしたあとの(技術的な)リカバリーも重要ですね。リカバリーには難しいのと比較的簡単なのがありますけど。
――FINALSはタッグ戦になります。今日の大会とはまた違った難しさがあると思いますが?
あめみやたいよう そうですね。ぷよぷよとテトリスの役割分担がかなり重要ですね。テトリス側は展開を作りやすいので、うまくペースを握りたいです。FINALSでも“無双”します!
まだまだ続くRed Bull 5G 2016
この日のイベントで東西の代表者がほぼ出そろったRed Bull 5G 2016だが、FIGHTING部門『ストリートファイターV』の東地区代表を決めるトーナメントは11月23日にRed Bull Studios Tokyo Hallで、東西が激突するFINALSは12月18日に品川プリンスホテルClub eXにて行なわれる。FIGHTING部門の代表者やFINALSのチケット情報などはレッドブルの公式サイト内のRed Bull 5G 2016の詳細ページや、Red Bull 5Gの公式Twitterアカウントで随時アナウンスされる予定だ。気になる人はそちらもチェックしてみるといいだろう。