ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”が、ゲーム業界で活躍する各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。今回は、エヌシージャパンが立ち上げた“LIONSHIP STUDIO”を訪問。

●“ファミキャリ!会社探訪”第42回はエヌシージャパン

 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”が、ゲーム業界で活躍する各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。今回は、エヌシージャパンが立ち上げた“LIONSHIP STUDIO”を訪問。
 “LIONSHIP STUDIO”は、スマートフォン専用ゲームの開発に特化したスタジオとして、2016年8月31日に創設が発表された開発スタジオ。今回は、同スタジオの開発統括本部長となる小川陽二郎氏に話を聞いた。


●家庭用からモバイル、そしてスマホへ

エヌシージャパン
LIONSHIP STUDIO
開発統括本部長/プロデューサー
小川陽二郎氏

――最初に小川さんの経歴を簡単に教えてください。ゲーム業界を志したきっかけや、現在に至るまでの経緯をお答えください。
小川陽二郎氏(以下、小川) ゲーム業界に入ったのは、もうずいぶん前のことなので、忘れてしまいました(笑)。大学卒業時には、メーカーや証券会社、システム会社など、いろいろな会社を受けました。また、子どものころからゲームが好きだったので、ゲーム会社も何社か受けています。子どものころは“MZ-80K2E”というマイコンからPC-8801といったパソコンで遊んでいたので、ファミコンやスーパーファミコンなどのゲームを遊ぶことはほとんどなかったです。逆にアーケードゲームで育っていたので、セガ(現セガゲームス)やナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)といったゲームメーカーが、僕のなかでは“すごい会社”でした。当時のセガと言えば、体感ゲームが人気で、僕も死ぬほど遊んだ記憶があります。
 そんななじみのあったセガを受けたときに、アーケードゲームではなく家庭用ゲームの部署を志望したのですが、「なぜアーケードゲームじゃないの?」と聞かれ、アーケードの部署には鈴木裕さんという“神”がいたので、それならば「家庭用ゲームのほうでトップを取りたい」という話をして、入社しました。ただ、その家庭用ゲームのほうにも、中裕司さんという“神”がいたわけですが(笑)。以後約20年セガに在籍し、『AZEL パンツァードラグーンRPG』や『ファンタシースターオンライン』(『PSO』)などに関わりました。
 入社当時、3Dのゲームを作っていた会社はそれほどなかったと思います。相当の技術力があったといまでも思うセガでは、いろいろな経験や勉強をさせていただきました。『PSO』を作っているときも、4人で通信しながらキャラクターが動いたときは、「なんだかすごいゲームになりそうだな」と思いながら、作っていましたね。

――セガ在籍時代だけでもいろいろなことがあったでしょうから、相当の経験を積めたのだと思います。
小川 そうですね。僕が入社した1995年当時も、セガには本当にすごいクリエイターがたくさんいましたから。会社内部で体制が変更になったり、異動があったりして、名越さん(稔洋氏。『龍が如く』シリーズ総合監督)に巡り合わせてもらったのもいい経験になっています。個性があって、芯が通っている方々とお話をさせていただいただき、仕事をいっしょにできたのもいい経験でした。

――なるほど。
小川 その後、自分の周囲や子どもたちがスマートフォンをふつうに使いこなすようになってきたのを見ていると、これから10年後は、いまのコントローラのようなボタンを使ったものから、タップするようなものに変化していくに違いないし、通信にしても、ここまで生活に溶け込んで便利になったら、もうそれが当たり前になっていきます。それで、スマートフォンのサービスやゲームを手掛けている会社に入ろうと考え、DeNAに転職しました。
 DeNAは、圧倒的なスピード感と若さと実行力がスゴイんですよ。ある意味、セガの真逆とも言えるDeNAの環境で経験が積めたことも、いい刺激と経験になりました。その後、エヌシージャパンから新しいスタジオを立ち上げたいという計画を話をいただいて、「そういうことなら、ぜひ」とお世話になることにしました。

――新しいスタジオを立ち上げる前提で、エヌシージャパンに入ったわけですね?
小川 エヌシージャパンとしては、以前からスマートフォン向けゲームの開発をしたいという構想はあったそうです。それで人材を集めていたところに、僕が入ることになりました。入社する前に、何度かお会いして、私の未来のビジョンの話や、エヌシージャパンとしての考えを話し合って、お互いに共感した結果、スタジオ創設という経緯になりました。

――外から見ていた印象と実際に入社してからどのような感想をお持ちですか? 会社の雰囲気や、所属クリエイターの特徴を教えてください。
小川 やはり入る前は、『リネージュ』、『リネージュII』の印象が強く、エルフのようなキレイで、頭身の高いモデルを使ったMMO RPGが得意な会社というイメージでした。注目はしていましたが、まさか入社することになるとは思っていなかったので、そのくらいの知識しかありませんでした。
 エヌシージャパンのゲーム作りに関する考えかたは、ただ気持ちよければいいというプレイヤーサイドに特化するのではなく、ゲーム性にも寄り添っています。そのうえで、売上を上げたいと考えているのです。僕が描いていた、“ゲーム性もプレイアビリティも、どちらも尊重したい”という考えかたと合致したので、入社を決めました。入ってからも、「スマホに特化した新しいゲームを作りたい」とか、「スマホのゲームに対する考えかたを少しずつ変えていきたい」といった話をすると、会社からは「ぜひそうしてほしい」と言われます。そこまで信用してもらえるなんて、本当にスゴイ会社だと思いますよ(笑)。