アニメともまた違う新たなマンガ表現
スクウェア・エニックスのブースでは、同社のゲーム開発技術と日本のマンガコンテンツを融合させたユニークな体験を、コンセプト・ショーケースとして披露している。あくまで技術デモという位置付けだが、マンガの表現を大きく飛躍させる可能性を持った、意欲的な取り組みだ。
この取り組みは“プロジェクト Hikari”と名付けられ、“あなたが大好きな「あの物語」の向こう側に行けたら、どんな体験になるだろう”という思いが根本にある。今回のデモでは、『月刊ビッグガンガン』で連載中の『結婚指輪物語』をVRマンガとして体験できる。
デモの内容としては、3D空間にある本のページをめくっていくだけ……に一瞬思えたが、ページをめくった直後、自身がコマの中に入っていく演出が入り、まさにマンガの世界の向こう側に行った感覚になる。その空間ではキャラクターが3D表現で動き回り、セリフもしゃべる。しかし、色彩はモノクロ。突然目の前にコマが現れたりもする。マンガでもなく、アニメでもない、独特な表現だ。また、VRのゲームほどではないが、簡単なインタラクション要素があり、3D空間にふわふわと浮いているコマを近づけたり、遠ざけたりできる。
すぐに製品化を、といった状況ではないそうだが、この新たな表現を多くの人に体験してもらい、感触を知りたいと担当者は語っていた。ゲームとはまた違うアプローチでのVRへの取り組み。興味がある人はぜひブースを訪れてみてほしい。