バンダイナムコエンターテインメントより、2016年11月2日(水)発売予定のプレイステーション4用ソフト『ドラゴンボール ゼノバース2』。プレイヤーは“タイムパトローラー”として、『ドラゴンボール』の歴史を守るため、おなじみのキャラクターたちと敵に挑むことになる。

 本記事では、gamescom 2016にも出展されている本作について、プロデューサーを務めるバンダイナムコエンターテインメント 平野真之氏のインタビューをお届け。さらに“歴史改変”が進んでいるというストーリーや、バトルの新要素についてうかがった。

『ドラゴンボール ゼノバース2』今度は6人協力プレイが可能に! 平野プロデューサーインタビュー【gamescom 2016】_01
バンダイナムコエンターテインメント
『ドラゴンボール ゼノバース2』プロデューサー
平野真之氏
Masayuki Hirano
(文中は平野)
『ドラゴンボール ゼノバース2』今度は6人協力プレイが可能に! 平野プロデューサーインタビュー【gamescom 2016】_07
『ドラゴンボール ゼノバース2』今度は6人協力プレイが可能に! 平野プロデューサーインタビュー【gamescom 2016】_08
▲gamescom 2016の『ドラゴンボール ゼノバース2』エリアの模様。

本来の歴史とは、まったく違うストーリーが展開!?

――まずは、前作である『ドラゴンボール ゼノバース』が、全世界出荷本数380万本を突破する大ヒットを記録したことについて、感想をお聞かせください。
平野 ヒット作となるように、ゲームのコンセプトからしっかり作ったつもりだったので、多くのユーザーの皆様に届けることができて、純粋にうれしいですね。改めて、原作の『ドラゴンボール』の凄さや、『ドラゴンボール』ファンの方々の熱意を感じました。これだけ多くのユーザーの皆さんに支えていただいているので、ある意味プレッシャーと言いますか、「よりよい作品を作らないと!」という責任感を感じています。『ゼノバース2』は、本当に背筋が伸びる思いで取り組んでいます。

――前作は、とくにどんな点が好評だったのでしょうか。また、国ごとに、ユーザーの傾向の違いはありましたか?
平野 国内ではおもに、ストーリーのおもしろさや、ひとりでもしっかりと遊べる部分などを評価していただきました。海外では、アバターをカスタマイズすることで、自分だけの『ドラゴンボール』キャラクターが作れる点や、マルチプレイで『ドラゴンボール』の世界観を楽しめるところを評価していただいていると聞いています。ほかにも、いろいろな「ここが好き!」というご意見をいただいていて、うれしいです。

――では、各国での好評を受けて、続編の制作が決まったのですか?
平野 『ドラゴンボール ゼノバース』は、“改変されたおなじみのストーリーをもとの形に戻す”という、かなり挑戦的な作品でしたから、それを皆さんに受け入れてもらえるか、不安な気持ちもありました。発売後、ユーザーの皆さんが受け入れてくださっていることが次第にわかってきて、「これはもう続編を作らねば!」と。皆さんの期待に応えたい、という思いが強かったですね。

――“改変された歴史を戻す”というのは、本シリーズの見どころですよね。『ドラゴンボール ゼノバース2』では、その部分はどのように描かれているのでしょうか?
平野 前作のコンセプトは、変わってしまった歴史を直して、孫悟空やベジータの本来の活躍を取り戻そう! というものでした。『ゼノバース2』は、そのコンセプトをさらに進化させ、改変の度合いを深めました。“変わってしまった歴史に、さらにまったく違う歴史が介入する”という、“混沌”がテーマになっています。

――まったく違う歴史、と言いますと?
平野 本来の歴史では、その場にはぜったいいないはずの、ターレスやクウラが闘いに参加してしまったりということですね。すでに発表している通り、フリーザとクウラがタッグで闘うなど、驚きの組み合わせがあります。誰と誰が絡むのか、というところはぜひ楽しみにしていただきたいポイントのひとつです。敵キャラクターどうしが絡むという、ほかではなかなか見られないストーリーが展開していきますので、楽しんでいただきたいですね。

『ドラゴンボール ゼノバース2』今度は6人協力プレイが可能に! 平野プロデューサーインタビュー【gamescom 2016】_09
『ドラゴンボール ゼノバース2』今度は6人協力プレイが可能に! 平野プロデューサーインタビュー【gamescom 2016】_04

――非常に楽しみです! ところで、メインストーリーは前作の2年後とのことですが、“2年後”であるのはなぜですか?
平野 2年後にしたのは、じつは、“自分たちの時間の経過に合わせよう”という考えがあったからなんです。前作が発売されたのが2015年2月ですから、本作が発売される11月には、前作発売から約2年が経過したことになるわけですね。ちなみに、本作のテーマのひとつとして、“2世代”があります。前作の主人公と本作の主人公が、メインストーリーで絡んでいくんです。前作とのつながりはしっかりと描かれますので、ぜひ期待してください。データを引き継ぐと、前作のアバターを登場させることもできますよ。

――なるほど。前作をプレイしていない場合や引き継ぎをしない場合は、前作の主人公にあたるキャラクターは、どのような形で登場しますか?
平野 前作のパッケージの裏面などに描かれていた、“未来の戦士”たちの中から選べるようにしようかな、と考えているところです。まだ模索中なのですが、前作で開催したオンラインでの大会イベント“天下一武道会”で優勝した人たちのアバターを登場させる、という案もありますよ。タイムパトローラーの中でいちばん強い、英雄なわけですからね。もちろん、前作から引き継いで遊んでいただけたらうれしいですが、本作からでも楽しめるようにいろいろと趣向を凝らしています。

――本作から始めても、ストーリーを楽しめるのですね。
平野 もちろんです。今回は、“直したはずの歴史がさらに改変されてしまう”というストーリーですので、前作で登場した名シーンも、再び登場します。とはいえ、さらに歴史が改変されている状態なので、前作と同じ展開かと思いきや、まったく違う展開になるのも見どころですよ。

――初めての人はもちろん、前作を楽しんだ人は、より楽しめるということですね。また、本作では、メインストーリーのほかに、“フリーザ軍に入隊する”というようなサイドストーリー“潜入捜査”がありますね。具体的には、どのようなことをするのでしょうか?
平野 サイドストーリーは、力を入れている部分のひとつです。本シリーズは、“新しい『ドラゴンボール』体験”というものを主軸にしていますから、前作以上に皆さんに新しい体験をしてもらいたいと考えました。今回は“潜入捜査”というシチュエーションで、いろいろな組織などに関わり、『ドラゴンボール』のキャラクターたちと仲を深めていくという新しい体験をしていただけると思います。

――“師匠クエスト”とはまた違って、より世界観やシチュエーションに入り込むような感じでしょうか?
平野 そうですね。イメージとしては、前作の“パラレルクエスト”と、“師匠クエスト”を合体させたような感じです。たとえばフリーザ軍に入れば、ザーボンやドドリアなどの先輩たちと関係を深められますし、フリーザ軍らしく、上にいる人を蹴落としてのし上がるというシチュエーションも、クエストとストーリーで体験できます。ちなみにフリーザ軍には、どの種族でも入隊することができます。ほかにも、カプセルコーポレーションなど、さまざまな場所でサイドストーリーが楽しめます。今後の情報をお待ちください。

『ドラゴンボール ゼノバース2』今度は6人協力プレイが可能に! 平野プロデューサーインタビュー【gamescom 2016】_11

――ところで、本シリーズは海外で展開された『ドラゴンボールオンライン』の設定を取り入れていて、“仮面のサイヤ人”が登場すると聞いていますが……。
平野 “仮面のサイヤ人”は、鳥山先生の深い設定を活かしたいと考え、参戦させることを決めました。『ドラゴンボールオンライン』は、鳥山先生が全面監修を担当したタイトルで、大量の設定やキャラクター、世界観などが用意されていたんです。そのお宝のような設定にスポットライトを当てたい、というのも『ゼノバース』シリーズのコンセプトのひとつですね。

――新たな参戦キャラとしては、人造人間16号もいますが、もし人造人間16号の技を会得したら、人造人間16号のように腕を外したりもできる……?
平野 残念ながら……と言うとおかしいかもしれませんが、さすがに腕は取れないですね(笑)。技の性能はしっかりとそのままに、どの種族でもそのまま技を出せる演出になっています。