リアル脱出ゲームならぬ、リアル逆転裁判ゲーム!?
2016年7月8日の東京公演を皮切りに、現在放送中のテレビアニメ『逆転裁判』とリアル脱出ゲームがコラボした“リアル脱出ゲーム×アニメ逆転裁判 霊媒村殺人事件~蘇る死者のキオク~”が開催される。本記事では、東京公演開催前に行われたプレスプレビューの模様をお届けする。
本イベントは、リアル脱出ゲームを手掛けるSCRAP監修によるテレビアニメ『逆転裁判』をテーマにした謎解き型の体験イベント。参加者は、『逆転裁判』の主人公である成歩堂龍一の助手となり、絶体絶命の状況から、逆転無罪を勝ち取ることが目的となる。
プレスプレビューでは、本番の前にお試しのパズルが準備されていた。このパズルは、今回のプレスプレビュー用に特別に用意されたもので、本編とは一切に関係ない内容なので、興味がある方は挑戦してみよう。(※お試しパズルの答えは記事最後に記載)
お試しパズルを終えると、オリジナルアニメが上映され、いよいよ本番開始! 残念ながらここから先はネタバレとなるため詳細は控えるが、じつに『逆転裁判』らしさ溢れる仕上がりとなっていた。
リアル脱出ゲームというと、会場を歩きまわりながら、謎を探して解いていくイメージがあるかもしれないが、本公演ではイスに座ってじっくり考えるものがほとんど。また、出題される謎についても、お試し問題のようなパズル要素が強いものではなく、証言が書かれた証言カードと証拠品のムジュンを見つけ、裁判官に突き付けていくことで、つぎの謎へ進めるという、『逆転裁判』の世界が再現されているのもファンにはうれしいところ。証拠を突き付ける際には、「異議あり!」と叫ぶといった要素などもあり、ゲームやアニメで見ていた光景を実際に体験できる本イベントは、“リアル脱出ゲーム”ではなく、“リアル逆転裁判ゲーム”と呼ぶのが相応しいかもしれない。
プレスプレビューには、全6チームが参加したが見事逆転無罪を勝ち取ったのはわずか1チームのみ。筆者のチームは、終盤までいったものの、惜しくも時間切れとなってしまった。
プレスプレビュー終了後には、SCRAP ディレクター 西澤匠氏、テレビアニメ『逆転裁判』チーフプロデューサー 菊川雄士氏、『逆転裁判』シリーズプロデューサー 江城元秀氏が登壇し囲み取材が行われた。
写真中央:『逆転裁判』シリーズプロデューサー 江城元秀氏
写真右:テレビアニメ『逆転裁判』チーフプロデューサー 菊川雄士氏
――今年で15周年を迎えた『逆転裁判』シリーズですが、ファンの皆さんの反響はいかがですか?
江城 4月からアニメの放映が開始して、6月にはシリーズ最新作『逆転裁判6』を発売しましたが、かなりいい反響をいただいています。この盛り上がっているタイミングでSCRAPさんとコラボレーションさせていただけたのは、ありがたいことだなと思っています。
――アニメの反響はいかがですか?
菊川 初回放送から毎週SNSサイトのトレンドに入っているくらい反響があります。アニメを制作しているスタッフには原作ファンが多く、隠しネタを仕込んでいるのですが、ファンの方によろこんでいただいているようです。最近放送された話数では、アニメオリジナルのストーリーを展開して、非常にいいものができていると思っています。
――今回のコラボの経緯を教えていただけますか?
菊川 アニメ側としましては、今回アニメを作るという話が出たときにオリジナルアニメを作ろうかという話も出ていたのですが、どんどん突き詰めていくと、原作のいちばん最初の部分を皆さんに知ってほしいという結論に至りました。そこで今回のリアル脱出も初期の物語で制作してほしいということで、アニメとのコラボをSCRAPさんにお願いしました。
西澤 昨年開催させていただいた“リアル脱出ゲーム×大逆転裁判 倫敦大法廷殺人事件”がお客様の評価もよかったので、ぜひやりたいと思っていました。でも、前回の制作がすごくたいへんだったので、作り終えたときには「もう『逆転裁判』で脱出ゲームを作ることはないだろう」とも考えていたのですが、その2ヵ月後くらいに「来年は15周年なので、盛り上げましょう!」というお話をいただきまして(笑)。今回は『逆転裁判』、『逆転裁判2』、『逆転裁判3』の物語をベースに作らせていただけるといことで、ファンの立場としてもすごくうれしいかったです。
――昨年のゲームからのコラボとは違い、アニメとのコラボということで苦労された点はありましたか?
西澤 当然ですが、ゲームやアニメで登場した事件を、脱出ゲームにすると答えを知ってしまっている方がいるので、オリジナルの事件を考える必要がありました。そのときに、昨年は倫敦や明治時代という特徴があったのですが、アニメの『逆転裁判』、『逆転裁判2』、『逆転裁判3』の舞台は、ふつうの日本の裁判所なので、物語のベースとなる部分を考えるのに苦労しました。
――今年の脱出ゲームにも『逆転裁判』シリーズの巧舟氏も監修に参加しているとのことですが。
江城 そうですね。『逆転裁判』、『逆転裁判2』、『逆転裁判3』の物語を制作するということで、全体的な雰囲気やキャラクターの掛け合いのセリフなどの監修は巧が担当しました。謎についてもデバッグ公演に参加したり、西澤さんと打ち合わせをしたりするなどして、参加しています。
――最後にこれから参加する方へのメッセージをお願いします。
菊川 アニメの世界観は一方通行の部分がありますが、ここでは自分で謎を解いていく爽快感を味わっていただけると思います。ぜひ、「異議あり!」と叫んで、スカッとして帰ってもらえたらうれしいです。
江城 今回は、“霊媒”にフォーカスを当てて『逆転裁判』の世界観を再現した、おもしろい仕上がりになっていると思います。シリーズファンの方ももちろんですが、『逆転裁判』を知らない謎解きファンの方にも楽しめるものになっていますので、ぜひ挑戦してみてください。
西澤 僕はもともと『逆転裁判』のファンだったので、こうして関わらせていただくことが光栄です。実際に証拠品を持って、ぐるぐる見て、触って、そこから新たな発見があるという体験は、リアルな世界でしかできません。そして、なんと言っても、自分が「異議あり!」と叫ぶことで物語が進むということは、みんながやりたかったことだと思います。ですので、ぜひ裁判官に向かって、「異議あり!」や「くらえ!」という名台詞を叫びにきてもらえればと思います。
■公演情報
◆東京公演
期間:2016年7月8日(金)~2016年9月4日(日)
会場:原宿ヒミツキチオブスクラップ
料金:
・前売一般 2980円
・前売学生 2460円
・前売りグループチケット 16800円
・当日券 3500円(一律)
◆開催都市一覧(全19都市)
旭川、札幌、仙台、群馬、埼玉、東京、横浜、静岡、金沢、名古屋、滋賀、京都、大阪、神戸、高松、広島、福岡、長崎、鹿児島
■前売券情報
前売券の購入者は、会場にて特製の“謎解き「異議あり!」うちわ”がプレゼントされる。また、うちわの裏面には謎が記載されており、謎を解いて答えを特設サイトに入力すると、成歩堂龍一役の梶裕貴さんと、綾里真宵役の悠木碧さんの録り下ろしボイスが聞ける!
■オリジナルグッズ情報
会場ではオリジナルグッズの販売も行われている。
・オリジナルクリップボード(A4) 3種 各1500円
・逆転無罪! ロールシートボールペン 500円
・脱出成功・失敗ステッカー 各200円
・くらえ!キャンディ(10個入り) 600円
■お試しパズルの回答
A:ようぎ
B:ひがいしゃ
C:もくげき
D:ほうてい
E:はんけつ