EAやユービーアイソフトなども参戦
Googleが開発者向けイベント“Google I/O 2016”で、ハイエンドなモバイル向けVRプラットフォーム“Daydream”を発表した。
Daydreamは、Android N世代のAndroidスマートフォンを使用するVRヘッドマウントディスプレイと、小型モーションコントローラー、そして対応ソフトウェアから成り、今秋より展開予定。
Daydream is our platform for high-quality mobile VR. Hear more tomorrow 9AM PT at our VR at Google session. #io16 https://t.co/LVWGLWUQdZ
— Google VR (@googlevr)
2016-05-19 03:24:24
同社はこれまでも手軽にVR体験ができるGoogle Cardboardなどを展開してきたが、今回のDaydreamはサムスンとOculus VRが展開するGear VRなどと同じ領域の、ハイエンドなVR体験を目指すものとなる。
しかしハイエンドなVRでは、使用者の頭の動きに対して高速に反応し、酔いの発生や没入感の阻害を防がなくてはならない。そこでAndroid Nに搭載されるのが“VRモード”。これによりDaydream対応機器でのVR体験は、20ミリ秒以下の低遅延で動作するという。
対応スマートフォンやヘッドセットは、サムスン、HTC、LG、シャオミ(MI)、Huawei、ZTE、ASUS、アルカテルなどから登場予定で、Googleがリファレンスデザインを設計し、これらのスマートフォンメーカーが個々に対応機種を発売する形だ。
We’ve created a reference design for Daydream-ready viewers & controllers that are comfortable & intuitive. #IO16 https://t.co/1UlbmASIM4
— Google (@google)
2016-05-19 03:19:45
またDaydream対応のアプリケーションは、エレクトロニック・アーツやユービーアイソフト、CCP GamesなどのゲームメーカーによるVRゲームにくわえ、NBAやMLBといったメジャースポーツ、ニューヨーク・タイムズやアメリカの大手ケーブル局HBO、映像配信大手のHuluやNetflixといった企業による動画系アプリケーションや、YouTubeやストリートビューなどのGoogle公式アプリのVR版などが提供される。
なおVRメニュー画面のデモでは、エレクトロニック・アーツの人気レースゲームシリーズのモバイル版『ニード・フォー・スピード ノーリミット』のVR版のアイコンなども確認できた。レースゲームとVRの相性はいいので、これは期待したいところ。
コンテンツ的に面白くなりそうなのは、デフォルト構成に方位センサー(Orientation Sensor)を内蔵したリモコン型のモーションコントローラーが含まれるということ。これにより釣り竿を振る、フライパンをひっくり返すといった、VR世界内のオブジェクトを直感的に操作する、モーションコントロールを使ったタイトル開発が可能になる。
You can do some pretty awesome things with the Daydream controller. #IO16
https://t.co/GMKIrNbPYS
— Google (@google)
2016-05-19 03:26:59
これはDaydreamだけの話に留まらない。すでにモバイル向けのGear VRとPC用のOculus Riftで起こっているように、モバイルVR向けに開発したタイトルが、よりハイエンドな据え置き型のVRヘッドマウントディスプレイにも提供されることは十分にありえる(現状まだそれぞれの機器の販売台数が限られているため、可能な限りマルチプラットフォームに展開するのは、VRアプリケーションでは珍しくない戦略)。
このため、(Daydreamのそれが簡易的なものとはいえ)モーションコントロールを使ったVRコンテンツ開発が拡大するのは、先行するHTC ViveやモーションコントローラーOculus Touchが控えるOculus Rift、そしてPlayStation VRなどを含んだハイエンド向けVR全体にとっても興味深い動きと言えるだろう。