冗談半分でチェックしに行ったら、すごく大事なハナシだった
先週、ラスベガスで行われた家電ショー“CES”。プレス登録をすると、世界中の出展企業からプレスリリースが届きまくり、あっという間にメールボックスを埋め尽くしていくのが常。そんな中でふと目に止まったのが、Perceptive Devicesなる会社による「手を“使わない”ジェスチャーコントロール、使うのは笑顔だけ」と題されたもの。
「これは!」と思って取材したのが、“Smyle”と名付けられた同社の技術。本当に手も足も声も使わず、笑顔だけでマウス操作できるものだった。
デモに使用していたのは一般的なカメラ付きタブレットPC(Surface Pro)で、キャリブレーションを済ませるとちょっとしたミニゲームを体験可能。要はカメラの映像から顔のパーツの位置認識をやっていて、使用者がニカッと笑顔になると一瞬のちにマウスモードが起動し、笑顔をしているあいだ、顔の向きでマウスを操作できる。ニカッとしてすぐに笑顔をやめればクリック。
マウスカーソルの追従は予想以上にストレスがなく、確かに「ニカッ(マウスモードオン)→(笑顔のまま)顔でカーソル移動→ニカッ&真顔(クリック)」という笑顔のみの流れで操作ができた(もちろん技術としては表情認識が要であり、実際には笑顔である必要はないのだろう)。
では何に使うかというと、「VRやAR、スマートグラスなんかにも使える」としているものの、それは多分プロモーション上の理由が大きく、重要なのはむしろ、手が思い通りに動かせない障害を持った人や、手術中の医師などのできれば手を使って操作するわけにいかないシチュエーションが発生する専門職の人が、この技術によってPCの操作が可能になるということだ。Perceptive Devicesでは、消費者向けの技術提供と、さまざまな機器メーカーへのOEM提供の双方の展開を予定している。