多分映像見ないと何言ってるかサッパリだと思います

 アメリカのカリフォルニア州カルバーシティで行われたインディーゲームイベント“Indiecade”で遊んだゲーム、Pillow Castleによる『Museum of Simulation Technology』をご紹介しよう。なお本作、現在はメインクリエイターのAlbert Shih氏による個人的作品に近い状態で、PCをメインに開発しているということ以外、発売日やプラットフォーム、正式タイトルなどは未定。

 『Museum of Simulation Technology』は、錯視効果を生み出す“強制的遠近法”(Forced Perception)を利用した一人称視点のパズルアドベンチャーゲームだ。強制的遠近法というのは、遠くの物は小さく、近くの物は大きく見えることを利用して、ミニチュアを実物大に見せかけて撮影したり、観光客がピサの斜塔の手前で斜塔を支えているように見える構図で写真撮ったりするアレのことを指す。

見え方は一緒なのに、モノがでっかくなったりちっちゃくなったり。強制的遠近法による錯視を利用した一人称視点アドベンチャー『Museum of Simulation Technology』【Indiecade 2015】_02
▲強制的遠近法つったらやっぱピサの斜塔でしょ。ってことでもちろん出てきます。

 まず、ゲーム中に登場するオブジェクトは、左クリックで掴んで自由に移動させることができる(一部、動かせない物体もある)。これだけなら普通のことだが、掴んだ時点でプレイヤーから見えている像だけが固定され、オブジェクトの大きさやプレイヤーからの距離関係が無視されるのがミソ。距離はプレイヤーの視点から壁や床などの障害物にぶつかるギリギリの位置に設定され、オブジェクトを離した瞬間にその距離を基準に大きさが決定される。

見え方は一緒なのに、モノがでっかくなったりちっちゃくなったり。強制的遠近法による錯視を利用した一人称視点アドベンチャー『Museum of Simulation Technology』【Indiecade 2015】_03
▲中央のポーンの駒は、影を除いてしまえば“すごく手前にある小さな駒”なのか“出口付近の壁際にある人間大のサイズの駒”なのか判断し難い。そこにこのゲームのマジックが潜んでいる。

 これが具体的にどう機能するかは映像を見てもらうのが一番わかりやすいと思うのだが、たとえば目の前にある小さなチェスの駒を掴んで、10メートルぐらい先の壁の方を向いて離すと“10メートルぐらいの先にある数メートルのサイズの駒”になる。同じように、おもちゃのブロックが巨大な直方体になったり、スペースシャトルがミニチュアになったり。そうやってオブジェクトの大きさを変え、出口までの道を作り出していくのだ。

見え方は一緒なのに、モノがでっかくなったりちっちゃくなったり。強制的遠近法による錯視を利用した一人称視点アドベンチャー『Museum of Simulation Technology』【Indiecade 2015】_01
▲例えばこのステージでは出口の所にある非常口の看板を掴んで、よりデカくなるようなアングルに持って行って拡大し、数メートルサイズの板にしちゃえばオーケー。

 ゲームは基本的なメカニズムが揃っているぐらいで、まだ淡々としている感じ。これからいい感じに奇妙なストーリーや設定などを足していくことで、『ポータル』や『Stanley Parable』のような化け方をするんじゃないかと思う。というわけで気になる人は公式サイトから最新情報をチェックしてみてはいかがだろうか。