ネクソンが2016年中のサービス開始を目指して準備を進めているPC用MMORPG『Tree of Savior』。今後の展望などについて、開発会社の副社長にメールインタビューを実施した。

●開発会社の副社長にメールインタビューを実施

 ネクソンが2016年中のサービス開始を目指して準備を進めているPC用MMORPG『Tree of Savior』(以下、ToS)。2015年8月30日には一般応募のユーザーを招いた体験会が実施され、そこには開発元IMC Gamesの副社長であり、本作の制作統括を務めるキム・セヨン氏も参加した。

 その場では詳細を聞く時間がなかったため、日を改めてメールインタビューを実施。キム・セヨン氏に『ToS』の展望などについてお答えいただいた。

▲ドット絵の2Dグラフィックとやわらかいグラフィックが目を引く『ToS』。ここ数年、あまり見なかったタイプのゲームだけに、注目度も高い。

●日本初公開のドット絵も掲載!

▲メールインタビューにご回答いただいたキム・セヨン氏(左、文中ではキム)。

――最初に、どういった業務を担当されているか、教えてください。
キム プロジェクトとしてはPD(Producer&Director)を担当しており、開発としては企画を担当しています。

――『ToS』は何を目指して開発されたMMORPGなのでしょうか?
キム 多彩なクラスの育成が可能で、自律的にくり返しプレイすることがおもしろいゲームになるよう制作したいと思っています。

――『ToS』の世界観を教えてください。
キム 人間と一緒に共存していた女神が消えた影響で世界が植物に覆われた時代、その女神を探し出す使命を負った、やや伝統的な勇者の話を素材にしています。
 冒頭は懐かしさを与えるために古いプロットを使っていますが、以降ストーリーが展開されていくにつれ、ある程度複雑な話になるかもしれません。

――2Dベースのグラフィックへのこだわりについて教えてください。
キム 3Dグラフィックで纎細に表現されたキャラクターはもちろんに素敵に見えますが、あまりにもキャラクターが完成されていて、個人的にはキャラクターに感情を移入しにくいという印象を受けました。
 そこで、プレイヤーがもう少しキャラクターに没入できれば良いと思い、上から見下ろすクォータービュー視点やキャラクターの顔を抽象的に表現するなどの設定を行いました。

――日本ではここ数年、美麗で派手な3DグラフィックがウリのMMORPGが何作もリリースされています。そのなかで渡り合っていく秘訣を教えてください。
キム 当社も物理基盤でのライティング技術など、自社開発したハイエンド3Dグラフィックエンジンを保有しています。
 ですので、技術的な理由でToSのグラフィックに手作業を採用している訳ではございません。
 このようなグラフィックのゲームを作れば必ず好きになってくれるプレイヤーがいるはずと信じていますので、開発チームでもとくに力を入れて制作しています。

――MMORPGには“ストーリー重視”、“キャラクター育成の楽しさ重視”、“ダンジョンやボス周回によるアイテム収集”など、いろいろなタイプがあると思います。あえて分類した場合、『ToS』はどういったタイプのゲームなのでしょうか?
キム 3つの項目すべてが重要な要素ではありますが、あえて選ぶとすれば、キャラクター育成の楽しみかと思います。

――見どころや注目してほしいコンテンツを教えてください。
キム キャラクター育成の過程でおもしろい選択肢が複数登場して、多様なクラスとそれに合った役割が用意されることになります。みなさんが自分だけのキャラクターを育成して、キャラクターの成長自体をのびやかに楽しんでくださることを期待しています。

――初期クラスは4種類ですが、二次職、三次職と転職が進むにつれて何種類くらいになるのでしょうか?
キム 正式サービスでは8ランク(八次職)まで準備する予定です。現在企画、デザインが完成されたものは、クラス種類別、20種程度の合計80種を超えますが、選択できる転職回数は、1キャラクターあたり合計7回になります。
 この選択には既存のクラスを再選択することまで含まれるので、プレイヤーの決定によって転職経過も変化します。

▲スカウト

――変わった特性のクラスがあれば教えてください。
キム スカウト(scout)は箱を使って身を隠したり、隠れた敵やイベントを捜し出したりするスキルを持っています。そのほか、仲間の近距離攻撃を離れていても有効になるよう変化させることもできるので、使いかたによって非常におもしろいクラスになります。

▲スクワイア

 スクワイア(squire)は戦士系のクラスですが、攻撃スキルは持っておらず、代わりにほかのプレイヤーを支援します。たとえばアイテムを修理したり、あるいはフィールド上にキャンプを設置してどこからでも倉庫を開いたり、簡単な食料を作って仲間に提供するなどの支援ができます。

 (このインタビューの段階で)未公開のクラスの中では、遠距離から砲撃ができるキャノニア(cannoneer)や、“ゲマトリア”というスキルで敵の名前を数字に変換・利用する能力を持つカバリスト(kabbalist)などが登場する予定です。

▲キャノニア
▲カバリスト

――『ToS』をどういったゲームにしていきたいか、展望を教えてください。
キム 前述のとおり多様なクラスを育成できますので、反復していろいろなキャラクターを育成するプレイがおもしろいゲームを目指しています。
 チャットやパーティーシステムなどを、キャラクター基準ではなくキャラクターが属したチームを基準にしたこともその理由であり、今後はキャラクター作成後に下り立つ都市も複数用意して、メインクエストをさまざまな角度から眺められるようにする予定です。
 また、新規クラスの導入を、ゲームの最上位ランクではない成長の中間あたりに位置させるなど、
エンドコンテンツ拡張のほかに序盤・中盤のアップデートも持続的に進行するつもりです。
 『ToS』はMMORPGの黎明期、ブームに乗って成長した当時を懐かしむ方々が久々にその記憶を思い出すきっかけになることはもちろん、単純に『ToS』を楽しみ「自分の趣向に合ったゲームだ」と喜んでいただける方々がいらっしゃるのであれば、Producer&Directorとしてこれに勝る喜びはありません。