『グーニーズ』系の子供青春映画にグッと来た人は注目!

 スペインのFouratticによる『Crossing Souls』は、1986年カリフォルニアを舞台にしたアクションアドベンチャーゲーム。大手インディーパブリッシャーDevolver Digitalと契約し、2016年3月にPC/Mac/Linuxで配信予定だ。

 ストーリーは「1986年の夏休み。クリスたち少年グループは近所の森で、謎の力を秘めた物体Duat Stoneを発見する。それにより霊の世界にも干渉することができるようになったクリスたちだったが、時を同じくして町には軍の秘密研究班が到着。将軍の指揮により各所が封鎖され、何らかの調査が開始される……」という、『グーニーズ』プラスその他もろもろといった体で、カットシーンも80年代の洋アニメ風(ビデオノイズも入る)というコテコテな感じ。だがそれがいい!

いつもの仲間と冒険し、幽霊たちと出会ったあの夏。ノスタルジックなアクションアドベンチャー『Crossing Souls』_05
▲ビデオエフェクトで意図的に滲みまくり。DVD世代以降にはわからない表現……。

 主人公は、やんちゃ坊主クリスを中心にした子供グループ。メガネのガリ勉“マス”(算数)、力持ちのでぶちんビッグジョー、活発でいつも一言多い女の子チャーリー、兄ちゃんに憧れてくっついてくる弟ケビンといった各キャラは異なる能力と武器を持つ。キャラクターを切り替えながらそれぞれの長所を活かして冒険し、最終的に将軍の陰謀を食い止めるのが目的だ。

いつもの仲間と冒険し、幽霊たちと出会ったあの夏。ノスタルジックなアクションアドベンチャー『Crossing Souls』_02
いつもの仲間と冒険し、幽霊たちと出会ったあの夏。ノスタルジックなアクションアドベンチャー『Crossing Souls』_04
▲キャラを切り替えながら街を探索していく。不良などと遭遇してそのまま戦闘になることも。

 謎解きの重要ないちパートを占める霊の世界への切り替えはワンボタンで可能で、「なんかここ妙だな……」と思って切り替えてみると、カウボーイ、原始人、恐竜、独立戦争の戦士から歴史上の人物まで、さまざまな存在が隠れているのが面白い。話を聞いてやったり、時に退治するハメになったり、このあたりのテイストは『ゴーストバスターズ』の子供版といったところか。

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▲「戦術を練り直さないとワシら負けるぞ……」と廃屋で成仏できてない独立戦争の兵士たち。

 ノスタルジアをテーマにした作品の場合、特に海外のゲームだと、元となった時代感を共有していないとノリについていくのがなかなか難しかったりもするけど、スウェーデン人が撮った80年代アメリカ大リスペクトクンフーアクション映画『Kung Fury』同様、本作の場合はあくまでスペインから見た“映像文化などで見る外国としてのアメリカ”なので、(ローカライズ未定なため英語テキストを読む必要はあるが)割とわかりやすい感じなのもありがたいところ。かつて『がんばれ!ベアーズ』や『グーニーズ』や『E.T.』などの洋画の青春描写にグッと来たことがある人はトライしてみてはいかがだろうか。

いつもの仲間と冒険し、幽霊たちと出会ったあの夏。ノスタルジックなアクションアドベンチャー『Crossing Souls』_01
▲『エキサイトバイク』風にチャリンコで突っ走るミニゲームも。